生理がなかなか終わらない!?出血が長引く過長月経とは
低用量ピルが合わない!飲めない!そんな時の対処法とは?
監修者:産婦人科医 原野尚美
最終更新日
低用量ピルの服用を始めてみたものの、「副作用がつらい」「体に合わない」と断念してしまった方はいませんか?また、持病などの影響で、「低用量ピルは使えない」と言われている方もいるかもしれません。
今回は、低用量ピルが合わない、使えないという場合の対処法について、いくつかご紹介します。
目次
- 1.ピルが「合わない」2つのパターン
- 2.副作用で低用量ピルを諦める前に
- 3.副作用がつらいなら:低用量ピルの世代を変えてみる
- 4.低用量ピル以外の選択肢
- 5.まとめ
ピルが「合わない」2つのパターン
ピルが合わない、という場合には2つのパターンがあります。
①副作用がつらい
低用量ピルの副作用は、一般的には長く続くことは少ないのですが、程度や持続期間に個人差があり、服用を続けられないほどつらい方もいます。生理痛をやわらげたり、生理周期を安定させたりと、快適な生活のために低用量ピルを服用しているのに、副作用で日々がつらくなるようでは意味がありません。
②持病や生活習慣によって服用できない
低用量ピルは、生理痛の緩和や生理周期の安定化など、さまざまな恩恵が得られるため、服用したいと考える女性は増えてきています。生理がはじまっている女性なら、10代からでも服用できる薬です。
ただし、女性なら誰でも服用できるというわけではありません。
- 35歳以上で1日15本以上タバコを吸う人
- BMIが30以上の肥満の人(目安:身長150cmで67kg以上)
- 脳卒中、乳がん、子宮がんなどにかかったことのある人
- コレステロール値の高い人
- 血圧が高い人(目安:上の血圧が160を超える人)
- 前兆(光がチカチカするなど)のある片頭痛の人
- そのほか、血栓症のリスクが高い人
上記に当てはまる方は、当てはまらない方と比べて血栓症のリスクが高くなってしまうため、低用量ピルを服用することができません。
知らずに服用している方、生理をコントロールしたいので医師へ伝えずに服用している方が少し増えているような印象です。低用量ピルのオンライン処方が普及した影響も、少なからずあるでしょう。
血栓症のリスクが高い方でも、生理痛の緩和や生理周期のコントロールをすることはできますので、この記事の「低用量ピル以外の選択肢」をご覧ください。
副作用で低用量ピルを諦める前に
吐き気を中心として、低用量ピルによるマイナートラブルは、はじめの数週間を中心にあらわれます。低用量ピルによって女性ホルモンが補充される状況に、体が慣れていないためです。
まず、副作用の出やすい時期や対処法について、症状ごとにご紹介します。
①吐き気
吐き気は副作用の中でも頻度が高いものですが、数日〜数週間以内にはおさまることがほとんどです。
吐き気の程度は「少しムカムカする」程度の方が多いですが、まれに生活に支障が出るほどの吐き気を感じてしまう方もいます。
服用意開始後しばらくは、吐き気止めを使ってしのぐのがよいかもしれません。マイピルでも、ご希望の方には吐き気止めを用意していますので、ご相談ください。また、寝る前に低用量ピルを服用し、吐き気の出る時間帯に寝ておくというのも1つの方法です。
吐き気については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
<注意点>
- 何日経っても吐き気がおさまらない
- 日が経つごとに吐き気が強くなっている
こういった場合は、低用量ピルが原因ではない可能性もありますので、お早めにご相談ください。
②むくみ、体重増加
低用量ピルを服用すると「体がむくむ」「太る・痩せにくくなる」という心配をされている方もいますが、ほとんどは時間経過とともに元に戻ることがわかっています。
アスリートの方を対象にした調査ではありますが、体重増加は14%の方に見られたものの、服用開始から3か月以内に元の体重に戻ったという報告があります。
低用量ピルに含まれる「黄体ホルモン(プロゲステロン)」は、体に水を溜め込んだり、食欲を増やしたりするホルモンです。皆さんも、このホルモンによって生理前に食欲が増したという経験があるのではないでしょうか?
低用量ピルを服用して時間が経過すると、体内のホルモン量も安定し、体重増加やむくみの副作用も落ち着いていきます。あまり心配しすぎる必要はないでしょう。
<注意点>
体の左右どちらかだけが急にむくんでいる・腫れているという場合には、血栓症が起きているかもしれません。できるだけ早く医療機関へかかり、低用量ピルを服用していることを伝えてください。むくみの他、以下のような症状も血栓症の可能性があります。
③頭痛
低用量ピルの服用によって女性ホルモンのバランスが変化し、一時的に頭痛を起こすことがあります。頭痛の程度は軽いことが多いです。また、服用を続けることでホルモンバランスが安定し、しだいに頭痛は落ち着いていきます。
<注意点>
頭痛がどんどん悪化していく場合や、服用を長く続けているのに強い頭痛を感じる場合は、低用量ピルの服用を続けても問題ないかどうか、婦人科でご相談ください。
元々、片頭痛の症状がある方は、低用量ピルを避けた方がよい場合もあります。低用量ピル以外の方法で、生理のコントロールをすることができますので、婦人科でご相談ください。この記事の「低用量ピル以外の選択肢」の箇所で、2つご紹介しています。
④不正出血
不正出血は、低用量ピルを開始して1〜3か月目程度までは生じる可能性があります。
飲み始めの時期に少量の不正出血が続くのは、ホルモンバランスの変化が原因です。
低用量ピルを開始することで、ご自身の体のかわりに女性ホルモンが補充されるため、服用前とはホルモンバランスが変わります。バランスが変わることで、一時的に子宮内膜が不安定になり、不正出血が起きてしまうことがあるのです。
低用量ピルの服用によってホルモンバランスが一定になるため、体が慣れてくると不正出血もおさまります。
出血量に関わらず、不正出血は不快な症状ですが、数か月は様子を見ることをおすすめします。
<注意点>
低用量ピルの服用前から不正出血が多かった方や、長く低用量ピルを服用しているのに不正出血が起こるようになった方は、何らかの病気が隠れている可能性があるため、婦人科を受診してください。
副作用がつらいなら:低用量ピルの世代を変えてみる
低用量ピルは、黄体ホルモンの種類によって大きく3種類に分けられます。どの低用量ピルであっても、効果や副作用に大きな差はありませんが、副作用がつらいのであれば種類を変えてみるのも1つの方法です。
お悩み別:おすすめの世代
不正出血が続く | 第2世代または第3世代 |
---|---|
生理の出血量が減らない | 第1世代 |
PMS症状がやわらいでいない | 第3世代 |
肌トラブルが続いている | 第3世代 |
低用量ピルの世代による違いについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
低用量ピル以外の選択肢
副作用がつらいのに無理をして低用量ピルを服用している方、本当は低用量ピルを避けるべきなのに服用しているという方には、以下のような選択肢があることをお伝えしたいと思います。
基本的に、オンライン診療では取り扱いがありませんので、お近くの婦人科でご相談ください。
ホルモン量が少ない「超低用量ピル」
含まれている卵胞ホルモン(エストロゲン)の量が0.03mgよりも少ない薬のことです。避妊効果に関する試験がおこなわれていないため、避妊には使えません。しかし、超低用量ならではの特徴があります。
配合されているホルモン量が少ないため、低用量ピルと比べると、吐き気や下痢、頭痛などの副作用が出にくいのです。
超低用量ピルは、月経困難症や子宮内膜症の治療を目的として使われます。生理痛がひどかったり、吐き気や頭痛、食欲不振やイライラなどの症状が強く出たりする方は、月経困難症として、超低用量ピルが適用になるでしょう。
ホルモンの配合量が少ないとはいえ、血栓リスクがゼロではないため、血栓リスクのある方は服用できません。ホルモンの配合量が少ないため、不正出血の副作用は比較的多いです。しっかり毎日同じ時間に服用するようにしてください。
また、超低用量ピルのうち「ヤーズフレックス配合錠」は、最長120日間まで連続して服用し、生理を止め続けることができます。生理を止めていられる期間は個人差があり、生理周期が安定しない点はデメリットですが、生理の回数を減らしたい方は「ヤーズフレックス配合錠」もよいでしょう。
血栓リスクの少ない「黄体ホルモン製剤」
血栓症を引き起こすのは、女性ホルモンのうち「卵胞ホルモン(エストロゲン)」です。黄体ホルモンだけが含まれた薬「ジエノゲスト(商品名:ディナゲスト)」であれば、血栓症のリスクが高い方でも比較的安全に服用することができます。
生理が全くこなくなり、生理痛やPMS症状から解放されるという状態が期待できます。閉経まで継続することも可能です。ただし、低用量ピルとは違い1日2回の服用が必要で、服用を忘れてしまったり、時間が大きくずれてしまったりした場合は、やや出血が起きやすい傾向にあります。
保険適用の治療法ですので、費用も低用量ピルと大きくは変わりません。妊娠を希望する場合は、黄体ホルモン製剤の服用をやめれば1か月程度で生理が再開されますので、問題なく妊活に移行することもできます。
今後の妊娠希望がない場合は、「ミレーナ」という小さな器具を子宮に挿入する方法も選択肢です。黄体ホルモンが少しずつ放出され、最長5年間にわたって効果を維持できるため、シフト制の勤務など飲み忘れが心配な方にも便利といえます。
まとめ
低用量ピルを服用しようと考える皆さんは、生理痛がつらかったり、安定しない生理周期に煩わされない生活を求めていたりと、何かしらの改善が必要な状態でしょう。
低用量ピルが「合わないかもしれない」と思ったとき、すぐに諦めてしまうのでは、何も変えられません。今回ご紹介した方法で副作用を軽減するか、低用量以外の選択肢も考慮してみてください。
監修者
産婦人科専門医原野 尚美
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