生理が来ない!?妊娠以外に考えられる原因とは

監修者:産婦人科医 原野尚美 


最終更新日

生理が来ない!?妊娠以外に考えられる原因とは

「生理が少し遅れている」「そういえば、まだ生理がきていない」と気が付いたら、不安になってしまう方が多いでしょう。

妊娠以外の原因で生理がこなくなってしまうのは、女性の体にとって大問題です。今回は、生理が遅れる、あるいは生理がこなくなることについて、原因をご紹介します。

目次

  • 1.「生理が来ない!」病気以外の原因
  • 2.生理がこない原因:病気の場合
  • 3.生理はなぜ必要?
  • 4.まとめ

「生理が来ない!」病気以外の原因

まずは、病気以外の原因についてみていきましょう。

女性ホルモンの分泌が不安定

初潮(初めての生理)から2〜3年程度は、卵巣の働きがまだ未熟で、女性ホルモンがうまく分泌できません。そのため、生理が規則的にこないことが多いです。生理不順でもさほど心配する必要はないでしょう。
生理不順でも問題ないとはいえ「いつ生理がくるかわからず経血漏れが不安」「受験や部活と生理が重なって全力を出せない」など、困っている方もいるかもしれません。そういった場合は、10代であっても低用量ピルを服用して生理を安定させることができますので、ご相談ください。

ストレスや疲労

ストレスや疲労など、心身に負担がかかることで生理に問題が生じることはとても多いです。実際、引越しや進学に伴う環境の変化、パートナーとのケンカ、学校や職場の人間関係に関する悩みなどで、生理が遅れたり、早まったりした経験のある方もいるのではないでしょうか?

一時的なものであれば、とくに治療は必要ではありません。以下のようなことに気をつけて、体をいたわるようにしてください。

  • 生活リズムを整える
  • 十分な睡眠をとる
  • 栄養バランスのよい食事をする
  • 運動やストレッチなどで体を動かす
  • しっかり休む時間をとる

閉経

閉経は、卵巣の機能が少しずつ低下して女性ホルモンの分泌量が減り、月経が完全に止まった状態です。12か月生理がこなければ、閉経したと考えます。
閉経の時期は、だいたい40代前半〜50代前半です。閉経が近くなると、月経周期が伸びたり、逆に月経周期が短くなったりと、変化が起きます。出血量もバラバラになり、ほとんど出血のない方もいれば、だらだらと出血が続いてしまう方もいます。

閉経が近くなった時の生理パターン

40歳代に入って生理が不安定になってきた方は、閉経が近いのかもしれません。

ただ、注意していただきたいのは、閉経だと判断して症状を放置しないということです。閉経が近いのだと思っていたら妊娠だった・子宮頸がんだった・甲状腺や下垂体の病気だったということもありえます。
性交渉が数回でもあれば、避妊をしていたとしても妊娠の可能性はゼロではありません。子宮頸がんや甲状腺疾患は、40歳代から増える疾患です。
閉経を疑う年齢で生理に変化が訪れたら、一度、体のチェックのために婦人科へ行ってみましょう。

低用量ピル

ごく稀ですが、低用量ピルを服用することで、ほとんど出血がなくなる方もいます。出血がおこらなくてもピルの服用を継続して問題ありません。
ただし、服用中に性交渉が1度でもあったのであれば、妊娠の検査をおこなった方がよいでしょう。ピルを飲み忘れなくきちんと服用していても、飲み合わせの悪い薬やサプリの服用をしていたり、下痢や嘔吐があったりするとピルの効果が薄れ、妊娠することがあります。

生理がこない原因:病気の場合

病気が原因で生理が遅れたり、止まったりする場合もあります。目安として、3か月以上生理がこない場合や、20歳をこえても生理不順が続いている場合は、婦人科を受診してください。今まで規則正しくきていた生理が、だんだん不規則になったという場合にも受診しましょう。

多嚢性卵巣症候群(PCOS)

PCOSの原因は、卵巣内の男性ホルモン量が多い影響で排卵がスムーズにいかなくなっていることだと考えられています。PCOSの代表的な症状は、以下の5つです。

  1. 月経周期が35日以上
  2. 以前は規則的だったのに、月経不順になった
  3. ニキビが生じやすい
  4. やや毛深い
  5. 肥満

もともと、女性の体内にも男性ホルモンは分泌されているものですが、何らかの原因でその作用が強くなると、③や④のような症状が出ます。だんだんと月経周期が長くなるのが特徴です。体質のようなものですが、妊娠希望がある場合には治療が必要になります。

甲状腺の疾患

甲状腺機能低下症の方のうち、68%に何らかの月経異常があり、12%が無月経になると報告されています。甲状腺機能低下症が重度の場合は、排卵障害や受精障害も呈することがあり、不妊の原因の1つとなっています。疲労感やむくみ、便秘、体重増加、眠気が強いといった症状が代表的です。

甲状腺機能亢進症の方も、月経異常をきたすことが多いです。出血量が減り、月経周期が長くなる傾向にあります。不妊や習慣性流産の原因となることがあります。脈が早くなる、手が震える、汗をかく、ダイエットをしていないのに痩せるなどの症状が出やすいです。

甲状腺の疾患を治療することが、生理不順や不妊の治療にも繋がります。

下垂体の疾患

脳にある下垂体という部位の機能が低下したり、腫瘍ができたりすると、ホルモン分泌に影響が出て無月経となることがあります。この疾患は20歳〜50歳によくみられ、女性は生理の異常で気がつくことがほとんどです。
下垂体の腫瘍は多くが良性のもので、手術で完治を目指すことができます。

低体重・過体重

それ自体が病気というわけではありませんが、体重が適正範囲を大幅に超えていると、生理がこなくなってしまいます。

BMIが17未満になると、生理が止まり無月経となることが多いです。無理なダイエットでも、体質でも、アスリートで体重管理をしている場合でも、BMIが17未満になれば無月経のリスクがぐっと高まります。精神的な問題が関わっていることもあり、専門家と一緒にゆっくりと解決していく必要があります。
また、BMIが25以上の肥満の方では、PCOSによる排卵障害で生理がこないことがあります。PCOSは不妊の原因でもあるため、適切な治療が必要です。

今は生理に問題がない場合でも、体重は適正範囲にコントロールするようにしましょう。

150cm 155cm 160cm 165cm 170cm
BMI=17 38kg 41kg 43.5kg 46kg 49kg
BMI=25 56kg 60kg 64kg 68kg 72kg

生理はなぜ必要?

生理は毎月のことで、「わずらわしい」「こない方が楽でいい」と思ってしまうこともあるかもしれません。ですが生理は「女性の健康のバロメーター」のような役割をしており、健康のために必要なものです。生理がくる、つまり女性ホルモンの分泌が十分にされていることで、女性の体にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

エストロゲンの役割

肌の水分量を保つ

女性ホルモンの1つであるエストロゲンには、体内でコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促して、肌の水分量を保つ働きがあります。また、皮脂の分泌を抑える作用もあります。エストロゲンは、肌をきれいに保つ作用のあるホルモンといえるでしょう。
30代後半ごろからは徐々に女性ホルモンの分泌量が減ってくるため、肌質が変わった・乾燥しやすくなったと感じることがあります。生理不順や無月経になると、エストロゲンの分泌量が不足するため、肌の乾燥やニキビなど、肌荒れを生じることが多いです。

骨が強くなる

エストロゲンは、骨を強くするように働いています。
骨では、骨を溶かす「骨吸収」・骨を作る「骨形成」がおこなわれていて、常に新しく生まれ変わっています。エストロゲンは、骨吸収をおだやかにして、骨を強く健康的に保つ作用のあるホルモンです。
無月経は、エストロゲンの分泌量が少ない状態を指します。無月経の状態が続くと、本来ならエストロゲンによって抑えられていた骨吸収が増えて骨形成とのバランスが悪くなり、骨がスカスカになってしまうのです。閉経後に女性の骨粗鬆症が増えるのは、エストロゲンの分泌が少なくなることが影響しています。

女性の生涯における骨粗鬆症発症率

骨粗鬆症は、進行すると骨折しやすくなるだけでなく、身長が縮んだり、腰が曲がってしまったりと見た目にも影響する病気です。将来的な骨の健康のために、生理がこない・無月経の状態を放置しないようにしましょう。

心臓や血管に関する病気を予防する

エストロゲンは、2つの作用で動脈硬化の進行を防いでくれるホルモンです。

まず第一に、血管を広げ、血圧の上昇を抑える作用があります。血圧が上がると血管へのダメージになり、動脈硬化が進行してしまうので、血圧を低めに保つのは大切なことです。
第二に、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やして、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らし、コレステロールのバランスを整える作用もあります。悪玉コレステロールが増えることは、動脈硬化を進行させるだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞といった大きな病気を引き起こす原因です。

エストロゲンが適度に分泌されれば、血管を健やかに保ち、さまざまな病気の発症を予防することにつながります。

まとめ

今回は、妊娠以外で生理がこない原因についてご紹介するとともに、生理がくることで得られる健康上のメリットをお伝えしました。生理が遅れている、こないという状態は、一時的なものであればさほど心配はありませんが、長く続くと健康に問題が出てしまいます。
目安として3か月以上生理の問題が続く場合には、婦人科を受診しましょう。生理が規則的でない場合や月経周期に変化がある場合は、原因を見極めるためにも専門医の診断を受けることが大切です。

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

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