生理がなかなか終わらない!?出血が長引く過長月経とは

監修者:産婦人科医 原野尚美 


最終更新日

生理がなかなか終わらない!?出血が長引く過長月経とは

「生理がなかなか終わらないけど、何か異常があるのかな?」

「いつもより生理が長いときは婦人科を受診するべき?」

本来なら生理は1週間以内で終わりますが、これよりも長引く場合は過長月経である可能性があります。過長月経は何かしらの病気が原因となっていることもあるため、見逃さずにしっかり検査を行うことが重要です。

今回は、過長月経とはどのようなものなのか、どういった理由で過長月経が起こるのかなどについて詳しく解説します。受診のタイミングについても紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。

目次

  • 1.そもそも過長月経とは?
  • 2.過長月経が起こる原因
  • 3.過長月経を起こす可能性がある子宮の病気
  • 4.過長月経が気になるときはどうしたらいい?
  • 5.過長月経の治療方法
  • 6.過長月経に関するQ&A
  • 7.まとめ

そもそも過長月経とは?

生理が長引くと「これっていつ終わるの?」「何かの病気では?」と心配になってしまうかと思います。ナプキンをつけ続けることで、デリケートゾーンがかぶれてしまうこともあるでしょう。

過長月経は生理が8日以上続くこと

過長月経とは、生理が8日以上続くことです。一般的な生理期間は3~7日程度で、平均5日で終わるとされています。過長月経は、経血量が通常より多くなる過多月経と併発することも少なくありません。

生理の期間は人によって異なりますが、いつもより長引く場合は過長月経となっている可能性があると考えられます。

過長月経を放っておくと貧血になる可能性も

貧血は、過長月経ではない方でも起こりうる症状の一つです。しかし、過長月経になると生理の期間が長くなる分、失われる血液の量も増えて貧血になることがあります。

倦怠感や頭痛、肌荒れや爪の変形などが見られる場合は貧血になっている可能性もあるでしょう。また氷を無性に食べたくなる(氷食症)も貧血で見られることが多い症状です。
過長月経を放っておくと貧血の悪化を招くことになるため、早めに受診することが大切です。

過長月経が起こる原因

過長月経が起こる原因にはいくつかあります。ホルモンバランスが乱れて一時的に過長月経になっていることもあれば、子宮の病気が原因のこともあるので注意したいものです。

ホルモンバランスの乱れ

過長月経が起こるおもな原因として、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。生活習慣が乱れたりストレスの多い生活を続けていたりすると、女性ホルモンは正しい状態で働けなくなるのです。

ホルモンバランスが乱れると、子宮内膜が剥がれにくくなるため、生理がダラダラと続く原因になります。また、思春期も過長月経の原因です。思春期はホルモンバランスが安定していないことがあり、人によっては生理がダラダラと長く続くことがあります。

更年期

更年期は、過長月経になりやすい時期です。閉経前後の5年間のことを更年期と呼んでおり、この時期は生理の量が少なくなったり多くなったりしやすくなります。更年期は女性ホルモンの量が減少しており、普段とは違うバランスになっているため過長月経を起こしやすいのです。

無排卵性周期症

生理のような出血が見られるものの、排卵が起こっていないものを無排卵性周期症と言います。視床下部や下垂体からホルモンが正常に分泌されないため、排卵ができないのです。すると、排卵後にプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されず、子宮内膜が厚くなり出血を起こします。

子宮の病気

子宮になんらかの病気があるために過長月経となっているケースも珍しくありません。病気によって子宮内膜の排出が難しくなり、出血が長引いてしまうのです。この場合は、病気そのものの治療を行う必要があります。

過長月経を起こす可能性がある子宮の病気

過長月経を起こすことのある子宮の病気には、おもに次の6つがあります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮を構成している平滑筋にできる良性腫瘍のことです。30歳以上の女性の約20~30%で見られます。
どのくらいの大きさの腫瘍がいくつできるのかは個人によってさまざまです。

子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープとは子宮内膜の細胞が増殖し、子宮の内腔にポリープができるものです。
ポリープの大きさは、大きいものだと10cmを超えることもあります。不正出血や月経過多の原因として有名です。

子宮内膜症

子宮内膜と似た組織が子宮内膜以外の場所にできるものを子宮内膜症と言います。
生理の周期に合わせて子宮内膜が増殖して排出されるため、過長月経の原因となりやすいことが特徴です。

子宮腺筋症

子宮内膜と似た組織が子宮平滑筋組織の中にできる病気です。
子宮内の壁が厚くなるという特徴があります。
過長月経や生理痛の原因となります。

子宮頸がん

子宮頸がんとは、子宮頸部にできるがんのことです。膣に近いところにできた場合は発見しやすいのですが、奥にできると発見が遅れることがあるため注意しなければなりません。
早期発見、早期治療がとても大切ながんです。

子宮体がん

子宮体部にできるがんを子宮体がんと言います。自覚症状としては、出血がもっとも多く、生理ではない期間に出血が見られることもよくある症状です。

過長月経が気になるときはどうしたらいい?

過長月経があると、「どうしたらいいの?」と不安になる方が多いでしょう。ここでは4つの対処法を紹介します。

早めに婦人科を受診する

過長月経になったときにまずすべきなのは、婦人科の受診です。生理が8日以上続いている場合は、「気にし過ぎかも」と迷うことなく、早めに受診しましょう。

受診すると、経血の量や生理の長さ、ライフスタイルなどについて医師から質問があります。その後、過長月経かどうかを診断するために、子宮や卵巣に異常がないか調べられることがほとんどでしょう。一連の検査を行い、過長月経の原因を特定して治療を行います。

生活習慣を改善する

もっとも大事なのは婦人科を受診することですが、生活習慣を見直すことで過長月経が改善されることもあります。
肉や魚、卵などのたんぱく質を中心にバランスの良い食事を摂り、野菜を積極的に食べましょう。

睡眠をしっかり取る

睡眠をしっかり取ることも大切です。入浴は就寝の2~3時間前に済ませ、朝は太陽の光を浴びて体内時計をリセットしましょう。
寝る時間が近づいてきたら、明るい光を浴びないように気をつけてください。

適度な運動を行う

運動には自律神経を整える働きがあります。ウォーキングやジョギングなど軽い運動で構わないので、無理のない範囲で毎日行うようにしましょう。

過長月経の治療方法

過長月経の治療法には、おもに次の3つがあります。どの方法を用いるかは医師と相談して決めましょう。

漢方薬を使う

過長月経の治療には漢方薬が有効です。当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)などがよく使われます。

なかでも当帰芍薬散は婦人科三大処方とも呼ばれており、血行を良くして水分代謝を良くする効果がある漢方薬です。芎帰膠艾湯は冷え性で出血傾向のある月経障害や貧血に用いられます。

低用量ピルを使う

過長月経は一種の生理不順です。低用量ピルを使うことで生理周期を安定させれば、過長月経を改善することができます。また、経血の量を少なくすることも可能です。

病気の根本的な治療を行う

過長月経の原因となっている病気が明らかになっている場合は、病気の治療を行います。病気が治れば過長月経も改善されることがほとんどです。

過長月経に関するQ&A

最後に、過長月経に関してよく聞かれる質問にお答えします。

1回でも過長月経になったらすぐに受診したほうがよいですか?

何か病気が隠れている可能性も否定できませんので、1回でも過長月経になったら婦人科の受診をおすすめします。

過長月経が疑われるときの受診のタイミングを教えてください

生理が8日以上続いているときは、受診を検討しましょう。

出血中でも受診できますか?

出血中でも受診できます。多くの場合内診をしてもらえます。内診が難しい場合でも問診や視診、超音波などによって検査してもらえますのでご安心ください。

まとめ

生理が8日以上続く場合は、過長月経の可能性があります。過長月経が起こる原因は、ホルモンバランスの乱れや更年期、子宮の病気など人によってさまざまです。

放置しておくと貧血になったり病気を見逃したりする原因となるため、なるべく早めに受診するのをおすすめします。「今月だけだろう」と思わず、婦人科で原因を確かめてもらい適切な治療を受けましょう。

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

いかがでしたでしょうか?マイピルでは産婦人科の医師が、ピルに関するどんな小さな疑問や不安でも、直接お電話でお答えいたします。

ピルの処方をお考えの方へ

マイピルのオンライン診療では、
自宅や外出先でも医師からの診療を受けられます。
クリニックに行く時間が無い方も、是非活用してみましょう。

スマホで完結し、即発送
目的に応じたピル処方

低用量ピル・アフターピル・生理移動ピル
スマホを操作する女性

マイピルは必ず、産婦人科の医師が診療と処方を担当しますので、
安心してご相談いただけます。
是非、オンライン診療をご予約ください。

今すぐアプリで診療予約

アプリ限定のオトク情報も!

AppStoreからダウンロード
GooglePlayで手に入れよう

診療の空き状況が確認出来る
カレンダーはこちら

診療予約カレンダー

よくある質問・お問い合わせ窓口

よく頂くお問い合わせ内容をQ&Aでお答えしております。
Q&Aをよくご確認頂き、
不明点など御座いましたら
お問い合わせフォームより御連絡ください。