私の生理痛は大丈夫?生理痛の重さレベルをチェックしよう

監修者:産婦人科医 原野尚美 


最終更新日

私の生理痛は大丈夫?生理痛の重さレベルをチェックしよう

「生理痛がつらいけど、人と比べてどうなんだろう」「この痛さはふつうなのかな」と、生理痛に関して不安を感じている方はいませんか?

生理痛のレベルは、全く痛みのない人から寝込むほど強い痛みを感じる人までさまざまです。ご自身が「つらい」と感じるのであれば、人と比べる必要はありません。ですが、病院を受診するかどうかの基準があればわかりやすいですよね。

今回は、なぜ生理痛が起こるのかを解説するとともに、受診すべき生理痛のレベルや、強い生理痛を起こしうる病気についてご紹介します。

目次

  • 1.生理痛の原因は?
  • 2.生理痛のレベルはどの程度?
  • 3.ひどい生理痛を起こす病気とは?
  • 4.月経困難症の治療方法
  • 5.まとめ

生理痛の原因は?

まずは、生理痛がなぜ起こるのか、仕組みについてみていきましょう。

生理痛は子宮の収縮

生理痛は、子宮の収縮によって生じます。

生理というのは、子宮の内側をおおっている「子宮内膜」が血液とともに剥がれ落ちたものです。子宮内膜は、女性ホルモンの分泌によって状態がコントロールされています。

ホルモン分泌量の変化と子宮内膜の厚さ

生理が終わったとき、子宮内膜はごく薄い状態です。その後、排卵期に向けてエストロゲンの分泌量が増えるのに従って、子宮内膜も厚くなっていきます。エストロゲンは、子宮内膜を厚くして、妊娠に備える作用のホルモンです。
続いて排卵が起こると、プロゲステロンの分泌量が増えてきます。プロゲステロンは、子宮内膜を柔らかい状態に保ち、妊娠が成立しやすいようにするホルモンです。一度分泌量の減ったエストロゲンも、再び分泌量が増えます。妊娠が成立しなかった場合、子宮内膜はいったん不要になるため、血液とともに体の外へ排出されます。

子宮内膜を体の外へ排出するために、子宮はぎゅっと収縮します。このときに痛みを感じることがあり、これが生理痛です。子宮を収縮させるホルモンである「プロスタグランジン」が過剰に分泌されて子宮が過度に収縮することが、生理痛が重くなる要因の1つといわれています。

「生理痛は当たり前」ではない

生理に関するアンケート結果

「生理痛はあって当たり前」「我慢して乗り切るもの」と考えていませんか?
実際、2016年に600名の中高生を対象におこなわれた調査では、80%の方が「学校生活に支障がある」と答えた中で、「生理痛を我慢している」と答えた割合は約80%でした。
多くの方が生理痛を我慢して頑張って過ごしているのだと思いますが、じつは生理痛があるのは当たり前ではありません。

子宮が収縮しているため、少しの痛み・違和感は感じることもあります。ですが、日常生活に支障が出るほどの痛みや、薬を飲まなければ我慢ならないほどの痛みを感じるのであれば、「月経困難症」として治療の対象になる状態です。

生理痛のレベルはどの程度?

「生理痛は治療の対象」といわれても、「このくらいの痛みで受診していいのかな」「保護者に受診の必要性を理解してもらえない」という方もいるかもしれませんね。

生理痛のレベルチェックを活用し、客観的にみてご自身の痛みがどのレベルに該当するか確かめてみましょう。

生理痛のレベルチェック

レベルチェックで「高い」に該当した方は、ぜひ早いうちに婦人科を受診してください。「中程度」の方でも、痛みを和らげるための対処法をとることで、もっと快適に生理期間を過ごすことができるかもしれません。婦人科の受診を考えてみましょう。

①生理痛レベル「低い」

  • 腹痛や腰痛、頭痛がないか、痛みは軽い
  • 日常生活に支障は出ず、仕事や学校に問題なく行ける
  • 鎮痛剤は必要ない

②生理痛レベル「中程度」

  • 腹痛や腰痛、頭痛がある
  • 毎回ではないものの、痛みのせいで横になる日がある
  • 鎮痛剤が必要なときもある

③生理痛レベル「高い」

  • 腹痛や腰痛、頭痛がある
  • 座っていられないほど痛みが重く出る
  • 立つことも辛い
  • 仕事や学校を休んでしまう
  • 鎮痛剤を服用しなくては過ごせない

つらい生理痛は「月経困難症」

月経困難症とは、生理中に起こるさまざまな症状の程度が強く、日常生活に支障が出ている状態のことです。主な症状は、腹痛や腰痛、頭痛、吐き気、だるさ、イライラ、気持ちの落ち込み、下痢などで、これらの症状が生理前に生じる場合はPMS(月経前症候群)と呼ばれます。

女性全体の25%、25歳未満に限定すると40%以上もの方が月経困難症に該当します。若い方に生じやすいため、学校生活に影響が出ている場合も多いです。

多くの女性が悩んでいる月経困難症は、次の2種類に分けられます。

機能性月経困難症 器質性月経困難症
多い年代 10代〜20代前半 20代後半以降
原因 ・子宮の収縮が強い
・子宮頸管が狭い
・子宮内膜症
・子宮筋腫
など(別の病気が原因)
痛む時期 生理1,2日目
(出血量が多いとき)
生理期間ずっと

若い方に多い機能性月経困難症であれば、年齢を重ねるのに伴って生理痛が軽くなる場合も多いです。一方、だんだんと生理痛がひどくなってきたという場合には、何らかの病気が原因の器質性月経困難症かもしれません。

ひどい生理痛を起こす病気とは?

器質性月経困難症の場合、その原因として何らかの病気があるかもしれないとお伝えしました。生理痛がひどい場合には、これから紹介するような病気の可能性もあるため、一度婦人科を受診して検査を受けましょう。

子宮内膜症

ひどい生理痛を引き起こす代表的な病気として、子宮内膜症があります。
子宮内膜症は、子宮内膜(のようなもの)が卵巣や卵管、子宮筋層など、本来生じない場所に発生してしまう病気です。20〜30代で発症することが多く、不妊の原因にもなります。
生理痛がだんだん悪化してきた・排便時や性交時の痛み・生理中以外の下腹部痛という症状があれば、子宮内膜症かもしれません。

症状の程度や年齢、妊娠の希望があるかどうかなどを総合的に考えて治療法を選びます。治療によって症状を和らげることができますが、治療を止めると再発したり、まれにがん化したりする場合もありますので、長く根気強く継続的な治療と経過観察が必要な病気です。

ひどい生理痛を起こす病気

チョコレート嚢胞

チョコレート嚢胞は、子宮内膜症の一種で、子宮内膜が卵巣に生じた結果起こるものです。

本来であれば、生理のさいに子宮内膜は体の外へ排出されます。ところが、卵巣の中に生じた子宮内膜は、剥がれると卵巣内に溜まってしまいます。その結果、排出できなかった古い血液が卵巣のなかに袋状の「嚢胞」として残り、徐々に大きくなると痛みや不妊の原因となるのです。

若い方や妊娠希望がある方の場合、卵巣を残しつつチョコレート嚢胞の部分だけを取り除く手術が一般的です。その後は、子宮内膜症と同様に予防的な治療をおこないます。

性器クラミジア感染症

頻度は高くないですが、性器クラミジア感染症で生理痛が重くなったように感じる場合があります。

性器クラミジア感染症は、性感染症の一種で、女性はほとんど自覚症状のないことが多いです。とくに20代の女性では20人に1人が感染しているともいわれており、それほど珍しい感染症ではありません。
症状はないものの、子宮頸管炎(子宮の入り口付近の炎症)から徐々に内側へ症状がすすんでいくと、卵管炎や骨盤腹膜炎をきたします。炎症によって、生理痛のような下腹部の痛みが出る場合があります。
クラミジア感染による卵管炎は不妊の原因にもなるため、妊活の検査でクラミジア感染症に気がつくことも多いです。性器クラミジア感染症は抗菌薬の飲み薬で治療できますので、ご安心ください。

月経困難症の治療方法

適切に治療をおこなえば、生理痛をやわらげ、日常生活をもっと快適に過ごすことができるかもしれません。
具体的にどのような方法があるのか、いくつかご紹介します。

ピル

ピルを服用することで、生理痛を緩和することができます。
マイピルでは、6種類の低用量ピルをご用意しています。生理痛のほか、月経量の多さやPMSなど、生理にまつわるお悩みがあればお気軽にご相談ください。

また、月経困難症と診断された場合には、低用量ピル以外にも選択肢があります。
まず1つが、超低用量ピルを服用したり、低用量ピルを連続で服用したりすることで、生理の回数を減らすという方法です。超低用量ピルは女性ホルモンの含有量が少ないため、低用量ピルに比べると不正出血がやや起きやすいですが、生理痛だけでなくPMS症状の緩和といった同様の効果も得られます。
プロゲステロンだけを含む薬(いわゆるミニピル)を服用して、子宮内膜を増殖させないように働きかけ、生理を止めるという方法もあります。血栓症のリスクが少ないため、低用量ピルの服用がすすめられない40歳以上の方でも使いやすいです。

超低用量ピルやミニピルが使えるかどうかは、症状や年齢、ほかの病気があるかどうかなど総合的な判断が必要になります。マイピルでは取り扱っていませんが、「低用量ピルを使っているけど生理痛がつらい」「低用量ピルが使えないといわれたけど、生理痛がひどくて困っている」などでお悩みの方は、婦人科を受診し、治療法を相談してみてください。

けいれん止め

思春期の生理痛の多くは、子宮の過剰な収縮が原因なので、けいれん止めの薬が有効な場合もあります。痛み止めだけでは効果が十分でない方や、アレルギーなどで痛み止めが使用できない方におすすめです。
ただし、月経量やPMSの症状などには効果がないので、痛みのほかにもお悩みがある場合にはほかの薬との併用も考えましょう。

漢方薬

漢方薬の中には、月経困難症に使用できるものがいくつかあります。体をあたためる・痙攣を抑える・血の巡りを改善するなど、さまざまな作用が生理痛の緩和に効果的です。

ピルの服用に不安があるという方は、まず漢方薬から始めてみるのもよいでしょう。けいれん止めやピルとの併用もできます。漢方薬は、体質やそのときの状態に合わせて適切なものを選ぶ必要がありますので、興味のある方は婦人科を受診し、相談してみてください。

まとめ

今回は、ご自身の生理痛がどのくらいの強さなのか、客観的に判断するためのレベルチェックをご紹介しました。
ひどい生理痛は、「月経困難症」として治療をすることで生理期間を楽に過ごせるようになるかもしれません。また、生理痛は、何らかの病気が隠れているサインの場合もあります。生理にまつわることでお悩みのある方は、我慢せず、早めに婦人科を受診しましょう。低用量ピルについては、マイピルでも取り扱っていますので、お気軽にご相談ください。

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

いかがでしたでしょうか?マイピルでは産婦人科の医師が、ピルに関するどんな小さな疑問や不安でも、直接お電話でお答えいたします。

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