生理前は太りやすい!?体重が増える原因と対処法

監修者:産婦人科医 原野 尚美

最終更新日

生理前は太りやすい!?体重が増える原因と対処法

生理前になると、いつもと同じように生活しているはずなのに「なぜか体重が急に増えてしまう」「お腹が張って体が重い」と感じる女性は非常に多くいらっしゃいます。せっかくダイエットを頑張っていたり、健康的な食事を意識していたりする時期だと、体重計の数値を見てショックを受けたり、自分の努力が足りないのではないかと不安な気持ちになってしまいますよね。

しかし、生理前に体重が増えるのは決してあなたが悪いわけではありません。女性の体内では、次の月経や妊娠の準備に向けて、周期的にホルモンバランスが大きく変動しています。個人差はありますが、生理前には何もしなくても1kgから3kgほど体重が増えるのは、人間の体の仕組みとしてごく自然な症状なのです。

今回は、生理前に体重が増えて太りやすくなる本当の原因や、つらいむくみ・過食を抑えるための具体的なセルフケア対策、そして症状を根本から緩和する医療機関での治療法について、読者の皆様の気持ちに寄り添いながら分かりやすく解説していきます。まずは原因を正しく知り、無理のない適切なセルフケアから取り入れていきましょう。

生理前に体重が増える原因とホルモンの関係 

生理前に体重が増える原因

生理前に体調が変化し、体重が増加を始めるタイミングには、主に2つの女性ホルモン「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌バランスが関係しています。月経周期のなかでも、生理が始まる前の約1週間から10日間は、プロゲステロンの分泌量がピークを迎える時期です。このホルモンの作用によって、体には以下のような様々な変化が起こりやすくなります。

体内に水分が溜まりやすくなる(プロゲステロンの作用) 

プロゲステロンには、妊娠が成立したときに備えて、体内に水分や栄養をしっかりと溜め込もうとする強い働きがあります。そのため、生理前になると血管から水分がしみ出しやすくなり、全身がひどくむくみがちになります。特に、重力の関係で下半身や足元がパンパンになり、靴がきつく感じられる経験を持つ人も多いでしょう。この一時的に溜まった水分量の重さが、そのまま体重増加の主たる原因となっています。脂肪が増えて太ったわけではないので、まずは安心してくださいね。

ホルモンバランスの乱れで食欲が増進しやすい 

生理前は気分がイライラしたり、理由もなく不安になったり、頭痛や眠気といったPMS(月経前症候群)の不調に悩まされるタイミングでもあります。プロゲステロンの影響によって自律神経が乱れると、脳が強いストレスを感じ、それを和らげようとして過剰に食欲を増進させてしまうのです。特に「甘いものが無性に食べたくなる」「チョコレートや炭水化物をドカ食いしてしまう」といった過食の悩みは、多くの女性が経験しています。

下がった血糖値を上げようとする体の変化 

生理前は、体内のインスリン(血糖値を下げるホルモン)の効果が弱まりやすくなり、食事をした後に血糖値が急激に乱高下しやすくなります。血糖値が一時的に下がると、体内ではエネルギー不足が起きたと判断し、脳へ「食べなさい」という強いサインを送ります。これが、生理前に自分の意志とは関係なく、強い空腹感や食べ過ぎが起きてしまう理由です。

基礎代謝の変動と運動量の減少 

本来、生理前(黄体期)は体温が高くなる高温期であるため、基礎代謝自体はわずかに上がると言われています。しかしその反面、だるさや精神的な不調、腹痛などの症状が重なることで、日常生活における活動量や運動量が大幅に減少しやすくなります。結果として全体の消費カロリーが減ってしまい、食べた分のエネルギーが体脂肪として蓄積されやすい環境になってしまうのです。

便秘になりがちなお腹の不調 

プロゲステロンには、子宮の収縮を抑えて妊娠を維持する作用がありますが、同時に腸のぜん動運動(便を押し出す動き)まで鈍くさせてしまう作用があります。そのため、生理前はお腹が張ったり、頑固な便秘に悩まされたりする人が増えます。体内に便やガスが溜まっていくことで、見た目もお腹周りがぽっこりと太って見え、その重さの分だけ体重が増加してしまうわけです。

目次

生理前の体重増加を防ぐセルフケアと対策 

生理前に起こる体質の変化を完全にゼロにすることは難しいかもしれませんが、日頃の習慣を少し工夫するだけで、体重の増加を最小限に抑え、体調を健やかに保つことができます。「太りたくない」と無理な食事制限をしてストレスを増やすのではなく、体に優しい対策を紹介しますので、できるものから生活に取り入れてみてください。

食事の工夫:食物繊維と栄養バランス 

生理前の胃腸に優しい食事

過食を防ぎ、血糖値の急激な上昇を抑えるためには、毎日の食事に食物繊維を積極的に取り入れる習慣がおすすめです。食物繊維には腸内環境を整えて便秘を解消する作用だけでなく、脂質や糖質の排出を助け、満腹感を長く維持させる作用があります。

これらを食事の最初にゆっくりとよく噛んで食べることで、インスリンの過剰な分泌を防ぎ、脂肪を溜め込みにくい体質へと導いてくれます。また、甘いものが欲しくなったときは、洋菓子よりも脂質の少ない和菓子やフルーツを選んだり、カカオ成分の高いチョコレートを少しずつ飲むように味わうといった工夫も効果的です。

軽い運動とストレッチで代謝を促進 

体が重くて億劫なときこそ、無理のない範囲で軽い運動やストレッチを行ってみましょう。激しいランニングや筋トレをする必要はありません。心地よいと感じる程度のウォーキングやヨガ、家の中でできる簡単なストレッチを行うだけで、全身の血流が良くなり、滞っていた水分がスムーズに流れ始めます。適度な運動は脳内のストレスを緩和し、ハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を促すため、生理前のイライラや食べ過ぎを上手に抑えるサポートにもつながります。

マッサージでむくみを解消する習慣 

足のむくみが気になる時は、お風呂上がりなどの体がお腹から温まっているタイミングでマッサージを行うのが目安です。足首から膝、そして太ももの付け根に向かって、下から上へと余分な水分を押し上げるように優しくマッサージしてみましょう。これだけで翌朝のスッキリ感が大きく変わります。また、食事の面では塩分の摂取量を少し控えめにし、体内の余分な水分を排出してくれるカリウム(バナナ、アボカド、ほうれ草などに多く含まれる栄養素)を適切に摂取することも、むくみ解消への近道です。

睡眠を適切にとることで食欲をコントロール 

生理前の食べ過ぎを防ぐためには、毎日しっかりとした質の良い睡眠をとることが極めて大切です。睡眠不足の体は、食欲を高める作用を持つ「グレリン」というホルモンの分泌量を増やしてしまいます。その一方で、食欲を適切に抑えてくれる「レプチン」というホルモンの分泌量は減ってしまうため、寝不足が続くと自然と太りやすい体質になってしまうのです。夜はぬるめのお湯に浸かってリラックスし、自律神経の乱れを整えて、早めに就寝する習慣を心がけましょう。

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つらいPMS・体重増加の悩みを緩和する医療機関での治療法 

「毎月のように体重が3kg以上増えて精神的につらい」「セルフケアだけではどうしても食欲を抑えられない」という方は、一人で悩みを抱え込まずに、一度婦人科などの医療機関へ相談してみることを強くおすすめします。生理前の体調不良は、適切な医療サポートを受けることで大幅に緩和することが可能です。

低用量ピルの効果とメカニズム 

婦人科で多く選ばれている治療法の一つが「低用量ピル」の服用です。低用量ピルを適切に飲むことで、体内の女性ホルモンの量が一定にコントロールされ、排卵が一時的に休止します。これにより、生理前にプロゲステロンが急激に増加することがなくなるため、ホルモンバランスの乱れによる激しいむくみ、過食、イライラ、頭痛といったPMS・PMDDの症状の緩和やコントロールが期待できます。また、月経周期が規則正しくなるため、スケジュールの管理がしやすくなるという大きなメリットもあります。

漢方薬による体質改善とサポート 

「ピルを飲むのには少し抵抗がある」「自分の体質に合わせた優しい治療から始めたい」という方には、漢方薬による治療という選択肢もあります。医療機関では、一人ひとりの悩みや体質(冷え性、むくみやすい、便秘がちなど)に合わせて、体内の「気・血・水」の巡りを良くする適切な漢方薬を認定医が処方してくれます。水分代謝を促してむくみをとる漢方や、自律神経の乱れを鎮めて気分の波を和らげる漢方などがあり、体への負担を抑えながら体調を上向きにするサポートをしてくれます。

婦人科・医療機関へ相談するタイミングの目安 

婦人科・医療機関へ相談するタイミングの目安

生理前に太ることや体調不良になることは「みんな我慢しているから」「病気ではないから」と病院への通院を躊躇してしまう人も少なくありません。しかし、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や甲状腺機能低下症といった、ホルモンの病気が原因で急激に体重が増えているケースもいわば存在します。毎月の周期で生活に支障が出ていると感じた時が、専門の医療機関を受診する最適なタイミングです。医師の知識と優しいサポートを得ることで、毎月の悩みがきっと軽くなりますよ。

オンライン診療の利用規約と安心のサポート体制 

近年では、仕事や育児が忙しくてクリニックに通う時間がなかなか探せないという女性のために、スマホ一台で自宅から受診できる「オンライン診療」の利用が広がっています。当サイトでご紹介しているオンライン診療プラットフォーム「マイピル」では、提携医療機関の医師による適切な診察のもと、多くの女性の健康をサポートしています。

マイピルのオンライン診療では、必ず登録された産婦人科の専門医師が直接お電話にて丁寧な診察を行います。海外製の未承認薬通販サイトなどのように、誰が作ったか分からない危険なお薬が届くといったトラブルの心配は一切ありません。あなたの体質やこれまでの経験、体調の悩みを医師が適切に確認した上で、安全性が国内で認定されている正規品の低用量ピルやPMSに良いお薬を処方いたします。※医師の診察により、体質や症状によってはピルが処方されない場合もあります。

診察のご予約は、WEBフォームまたはLINEから24時間いつでも簡単に行うことが可能です。お薬は診察後、最短で当日に発送され、中身がピルだと分からないような梱包でご自宅や指定の場所に届くよう工夫されています。このように、プライバシーを守りながら適切な医療機関のサポートを受けられる仕組みが整っていますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。

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生理前の体重増加に関するQ&A

Q1. 生理前に増える体重は何kgまでなら正常ですか? 

生理前にどれくらい体重が増えるのかについては、個人の体質や元の体重によって大きな個人差があります。一概に何kgまでが絶対に正常だと言い切ることはできませんが、一般的な目安としては1kgから3kg程度の増加でしたら健康上の問題は全くありません。この範囲の変動であれば、脂肪がついて太ったのではなく、ほとんどが体内に溜まった「余分な水分(むくみ)」や「便秘」による一時的なものです。過度に神経質になりすぎず、「生理が始まれば自然に戻るから大丈夫」と大きく構えて、心をリラックスさせて過ごしてくださいね。

Q2. 生理後に一気に痩せるのはなぜですか? 

生理が始まって後半に向かうと、プロゲステロンの分泌量が急激に減少し、代わりにエストロゲンの作用が有意になっていきます。エストロゲンには体内の余分な水分や塩分を体外へスムーズに排出する作用があるため、生理が始まると同時に頑固だったむくみがすっきりと取れ、お腹の便秘も解消へと向かいます。体内に溜まっていた不要なものが一気に外へ出るため、生理後は体が軽くなり、まるで一気に痩せたかのように感じられるのです。この周期を味方につけることで、生理後はダイエットの効果も出やすい良い時期に入ります。

Q3. 生理前のむくみはいつからいつまでありますか? 

生理前のむくみやそれに伴う体調不良は、一般的に生理が始まる約1週間前から10日前(黄体期の後半)に始まり、生理が始まってから約1週間、あるいは生理が完全に終わるタイミングで自然と元の状態に戻ることが多いと言われています。ただし、これもホルモンの変動のタイミングによって人それぞれ異なります。もし生理が終わって1週間以上経っても全く体重が戻らない、あるいは体がスッキリしないという場合は、生理前にストレスで甘いものを食べ過ぎてしまい、水分の重さではなく本物の脂肪として蓄積されてしまっている可能性が考えられます。

Q4. ピルを飲むと太ると聞いたのですが本当ですか? 

「低用量ピルを飲み始めると、副作用で太ってしまうのではないか」という不安の声を非常によく耳にします。しかし、現代の医学的根拠に基づいた知識として、低用量ピルそのものの作用によって体脂肪が増えて太るということはありません。飲み始めの一時的な変化として、体質によってわずかに保水性が増してむくみを感じたり、ホルモンバランスが安定する過程で食欲が増すように感じられることがあります。

これらが原因で「ピルを飲むと太る」というイメージに結びつきがちですが、適切な食事管理やセルフケアを心がけていれば、ピルが原因で太り続ける心配はありません。むしろ、毎月の激しい体重の乱高下やPMSによるドカ食いが解消されるため、長期的に見ると体調を一定にキープしやすくなるというサポート効果が得られます。

まとめ 

生理前に起こるむくみや食欲の増加は、あなたの意志の弱さが原因ではなく、女性の体が体内周期を正常に維持するために一生懸命に働いている証拠です。せっかくのダイエット中に体重が増えてしまうと、悲しい気持ちになったり、自分の体調を悪く感じてしまったりしがちですが、「これは一時的なホルモンの悪戯。時期が来れば自然と元に戻るから大丈夫」と、自分を優しく労ってあげるセルフケアの気持ちを大切にしてくださいね。

マッサージや軽い運動を取り入れてむくみを上手に解消したり、食物繊維が豊富な食事を選んで急激な血糖値の乱れを抑えたり工夫をすることで、生理前の体重増加は最小限にコントロールすることが可能です。それでも毎月のイライラや体調不良、過食の悩みがどうしてもお腹の底から消えないときは、無理をして我慢を重ねるのではなく、婦人科やオンライン診療を行っている医療機関へ適切に相談し、低用量ピルなどの力を借りてみるのも自分を守るための大変素晴らしい選択肢です。

毎月の周期に振り回されず、あなたらしく快適で健やかな毎日を過ごせるよう、まずは今日からできる簡単な生活習慣の見直しから一歩ずつ始めてみませんか。

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参考文献

  1. 緊急避妊法の適正使⽤に関する指針 (令和 7 年改訂版)
  2. 公益社団法人 日本産科婦人科学会 - 月経前症候群(PMS)について
  3. 厚生労働省研究班監修 - ヘルスケアラボ(月経前症候群 PMS)
  4. 一般社団法人 日本女性医学学会 - 女性の健康に関するQ&A
産婦人科専門医 原野尚美

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

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