ピルの処方時と服用中に血液検査が必要って本当?検査はどこで受けられる?

監修者:産婦人科医 原野尚美 


最終更新日

ピルの処方時と服用中に血液検査が必要って本当?検査はどこで受けられる?

ピルは、生理痛やPMSの改善、避妊に有効な薬です。数か月、数年と続けて飲むことが多いのもあり、副作用が起きていないかを定期的に確認する必要があります。そのために必要なのが血液検査です。

今回は、ピルの処方時や服用時に血液検査が必要な理由や、血液検査で何を調べているのかについて詳しく解説します。

目次

  • 1.ピルの処方時と服用中に血液検査が必要と言われている理由
  • 2.ピルの処方時に血液検査は必要?
  • 3.ピルの服用中に血液検査は必要?
  • 4.ピルの服用中に行われる具体的な検査内容
  • 5.血液検査や子宮がん検診などはどこで受けたらいいの?
  • 6.血栓症のリスクが高いときでも使える薬はある?
  • 7.まとめ

ピルの処方時と服用中に血液検査が必要と言われている理由

ピルを処方してもらうとき、また服用を続けているときに血液検査が行われることがあります。なぜ、血液検査を行う必要があるのでしょうか。

ピルの服用で血栓症のリスクが上がるから

ピルの処方時や服用中に血液検査が行われるのは、ピルの服用によって血栓症(静脈血栓蓋栓症:VTE)のリスクが上がるためです。血栓症とは、血のかたまりが血管に詰まることです。

血栓症のほか、片頭痛や高血圧などを引き起こす可能性があることも分かっています。低用量ピルを服用すると、していない方と比べて血栓症のリスクが2~3倍に上がるため注意が必要です。

血栓症は低用量ピルの服用を始めてから3か月以内に起こることが多いため、最初の3か月は十分に気をつけましょう。

血栓症の症状

血栓症になると、次のような症状が見られます。

  • 手足のまひ
  • 手足のしびれ
  • 喋りにくい
  • 胸の痛み
  • 呼吸困難
  • 片足の急激な痛みや腫れ

ピルを服用中にこのような症状が見られたら、すぐにピルの服用を中止して医療機関を受診してください。血栓が詰まる部位によって脳梗塞や心筋梗塞、深部静脈血栓症など病名が変わります。脳梗塞は脳神経外科や神経内科、心筋梗塞や深部静脈血栓症は循環器内科を受診しましょう。

血栓症のリスクが高い方の特徴

血栓症が起こるリスクは低用量ピルの服用によって高まりますが、他の要因も深く関係しています。以下に該当する方は血栓症のリスクが特に高く、場合によってはピルを服用できない可能性があるので注意しましょう

  • 35歳以上
  • BMIが30を超えている
  • 喫煙する
  • コレステロールや中性脂肪の値が高い
  • 血圧が高い
  • 心疾患がある

血栓症を予防するためにできること

血栓症を予防するためには、血のかたまりができないようにすること、血のかたまりができても詰まらないようにすることが大切です。まず、日頃から水分補給を十分に行うようにしましょう。

また、禁煙したり血圧が上がらないようにしたりすることも予防に効果があります。高血圧を防ぐには、塩分の摂取量を抑えたり節酒したりすることが効果的です。

血液の流れが悪くなると詰まりやすくなるため、こまめに足を動かすようにすることも心がけてください。軽く足首を曲げ伸ばししたり脚をマッサージしたりするだけでも予防に効果があります。

ピルの処方時に血液検査は必要?

血液検査が行われるタイミングには、ピルの処方時と服用中の2つのタイミングがあります。まずは、処方時に行われる血液検査について詳しく見ていきましょう。

ピルの処方時の血液検査は必須ではない

実は、ピルを処方するときに血液検査を行うかどうかについては義務付けられていません。日本産科婦人科学会によると、低用量ピルの処方時に必要な検査は身長・体重測定と血圧検査のみとされています。

月経困難症の方に処方する場合は、原因を調べることも必要です。このように、特に血液検査が義務化されていないため、処方時には検査が行われないことがあります。

医療機関によっては処方時にも血液検査が行われる

処方時の血液検査は義務ではありませんが、医療機関によっては血液検査が行われることがあります。これは、血栓症のリスクを前もって知っておくためです。事前に血液検査を行い、血栓症のリスクが低い方のみにピルを処方します。

ピルの服用中に血液検査は必要?

では、ピルを処方してもらい、服用を始めた後の血液検査は必要なのでしょうか。

ピルの服用中は定期的な検査が必要

低用量ピルの服用中は、定期的に次の検査を行う必要があります。

  • 問診
  • 血圧測定
  • 体重測定
  • 血液検査
  • 子宮がんの検査

問診は、ピルの服用に関して困っていることはないか、副作用は出ていないかなどを確認するものです。血液検査は半年から1年に1回、子宮がんの検査は1年に1回の間隔で行うことが推奨されています。

血液凝固系検査が行われることもある

血栓症のリスクが高い方には、血液凝固系検査が行われることがあります。血が固まりやすい状態にないかを調べる検査です。異常が見られた場合は、低用量ピルを処方してもらえないケースがあります。

ピルの服用中に行われる具体的な検査内容

低用量ピルの服用中には、さまざまな検査が行われます。それぞれの検査がどのような目的で行われるのかを見ていきましょう。

問診

問診は通常、低用量ピルの服用を始めて1か月後と3か月後、それ以降は3か月ごとに行われます。低用量ピルを服用して副作用が出ていないか、何か気になることはないかなどを確認するものです。薬を正しく服用できているか、効果がきちんと出ているかなども確認されます。

体重測定

「低用量ピルと体重に何の関係があるの?」と思われる方が多いかもしれません。実は、肥満体型の方はそうでない方よりも血栓症のリスクが高いことが分かっています。そのため、体重を測定して血栓症のリスクが高くならないように管理を行うのです。

血圧検査

ピルの服用中は、定期的な血圧検査も必要です。高血圧の方が低用量ピルを服用すると、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がることが分かっています。

収縮期血圧(上の血圧)が160mmHg以上、拡張期血圧(下の血圧)が100mmHg以上の場合は、血圧を下げないと低用量ピルの服用ができません。

血液検査

血液検査で一般的によく検査されるのが、Dダイマーの数値です。Dダイマーとは、フィブリンによってできた血栓がプラスミンによって溶解されたときにできるものを指します。

Dダイマーの値が高いということは、血栓が現在または過去にできていたことがある可能性があるため、注意が必要です。

性感染症の検査

低用量ピルを避妊目的で使用している場合、コンドームを使用しなくなる方もいることから、性感染症のリスクが上がると考えられます。そのため、性感染症の定期的な検査も必要です。

乳房検診

低用量ピルは、乳がんの発症リスクを高める可能性があります。そのため、乳房検診も定期的に受けておくと安心です。ただし、低用量ピルと乳がんに関連性はないとする研究データもあります。

子宮がん検診

ごくわずかではあるものの低用量ピルは子宮頸がんのリスクを上げると言われています。一方で、卵巣がんや子宮体がんのリスクを下げる効果があることも特徴です。

血液検査や子宮がん検診などはどこで受けたらいいの?

血液検査や子宮がん検診などは、産婦人科や婦人科、内科で受けられます。基本的には、ピルを処方してもらっている医療機関で検査や検診を受けることが可能です。

オンライン処方でピルを服用している方は、提携している病院またはお近くの病院で検査や検診を受けることが推奨されています。

血栓症のリスクが高いときでも使える薬はある?

血栓症のリスクが高い方は、低用量ピルの服用ができません。しかし、なかには生理痛やPMSに困っている方、しっかり避妊したい方もいるでしょう。

低用量ピルを服用できない場合は、プロゲステロンのみを含んでいる薬が候補となります。血栓症のリスクを上げるプロゲスチンが配合されていないため、服用しても問題ないのです。

ただし、プロゲステロンのみが配合された薬は避妊には使用できません。避妊したい方は、ミレーナといって子宮に入れるリングを使用することを検討してみてください。

まとめ

低用量ピルの処方時は、必要に応じて血液検査が行われます。服用を始めた場合は、定期的な血液検査が必要です。低用量ピルの副作用である血栓症は、服用開始から3か月以内に起こることが多いと言われています。

そのため、最初の3か月は手足のまひやしびれ、痛みなどの症状が起こらないか十分に確認しながら服用することが重要です。血液検査は、産婦人科や婦人科、内科で受けられます。低用量ピルを安全に使用するためにも、服用を開始したら定期的に検査を受けるようにしましょう。

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

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