生理がなかなか終わらない!?出血が長引く過長月経とは
ピルはアスリートの味方!生理の症状を緩和して心身を安定させよう
監修者:産婦人科医 原野尚美
最終更新日
スポーツをする女性で、生理との付き合い方にお困りの方はいませんか?
生理痛がつらくてトレーニングができない、大事な大会と生理がぶつかって練習の成果が出せない、そのようなお悩みを持つ方はとても多いです。
ここでは、アスリートの方によくある「生理の悩み」についてご紹介するとともに、うまく活用したい「ピル」について解説します。
目次
- 1.アスリートならではの生理の悩み
- 2.女性アスリートにはピルの活用がおすすめ
- 3.まとめ
アスリートならではの生理の悩み
アスリートの方は、生理に伴うどのような症状に悩んでいるのでしょうか。さまざまな調査結果をご紹介します。
パフォーマンスの低下
月経困難症やPMSのために、生理中やその前後はパフォーマンスが低下すると感じているアスリートは70%以上にも及びます。
診断まで至っていないだけで、月経困難症の方はじつはとても多いです。2004年の調査では、女性全体のおよそ25%、30歳までの若い方ではおよそ35%もの方が月経困難症に該当しました。
これは、アスリートでも、運動をしない方でも割合はほとんど同じです。皆さんにも、月経困難症に該当する症状はありませんか?
【月経困難症の症状】
生理痛、腰痛、お腹の張り、吐き気、頭痛、だるさ、イライラなど
経血量が多い方では、「試合中トイレに行けないので、漏れが不安」「貧血になり持久力が出ない」という声もあります。
生理痛や経血量には問題がなくとも、PMSによってメンタル面が不安定になり、いつも通りの気持ちで競技に向かえず実力が発揮できないこともあるでしょう。
一生懸命に取り組んでいるのに、いざという時に生理のせいで全力を出せないなんて、もったいないですよね。少しでも快適に、満足のいく競技人生を歩めるよう、婦人科やアスリート外来などでご相談ください。
月経異常や無月経
競技にともなう多量のエネルギー消費や体重制限によって、生理不順や無月経を起こしているアスリートも多いです。日本のトップアスリートを対象にした調査では、約40%が月経周期異常または無月経の状態でした。
無月経は、疲労骨折にも繋がります。生理が3ヶ月以上来ていない方は、早めに婦人科を受診しましょう。
周りの無理解
日本では、まだまだ「女性アスリートのからだを大切にする」「ピルで月経をコントロールする」ということについて、理解が十分でない現状があります。
「生理痛くらいで練習を休むなんて根性がない」「生理が止まって一人前だ」「ピルなんか飲んで、体重が増えたらどうするんだ」というような誤解は根深いです。
コーチやご両親など、まわりの人の理解がなくては、専門家に相談することも難しいですよね。最近は、オリンピック選手がピルの使用を公表していたり、生理やピルのことを知ってもらうための資料も用意されていたりと、少しずつ流れが変化しています。
【参考】
女性アスリートにはピルの活用がおすすめ
生理で競技のパフォーマンスに影響が出て悩んでいる女性アスリートは多いということをお伝えしてきました。アスリートとして、女性ならではの悩みに振り回されずに活躍するために、ピルの活用を考えてみませんか?
ピルはドーピングに当たらない
アスリートの方が薬を服用する際に心配されるのが、ドーピングです。ピルはドーピングに該当せず、オリンピック選手のようなトップアスリートも、日本人で約30%、欧米では80%以上がピルを使用しています。日本では欧米と比較すると、まだまだ使われていませんが、ここ数十年でどんどん普及しています。
漢方薬やサプリメントはドーピングに該当する成分が含まれている可能性があります。自己判断での使用はおすすめできません。
生理にまつわるお悩みで、薬やサプリメントを服用したい場合は、専門の医師(スポーツドクターなど)やスポーツファーマシスト(薬剤師)に相談しましょう。
「現役時代に低用量ピルを使用していた」と公表しているアスリートの例
- 澤穂希さん(サッカー)
- 吉井小百合さん(スピードスケート)
- 花岡萌さん(アルペンスキー)
生理やピルについてのよくある誤解
生理や低用量ピルについては、さまざまな誤解があります。皆さんも、誤解していることがあるかもしれません。
①低用量ピルは太る?
低用量ピルを使ったからといって、必ずしも体重のコントロールができなくなるわけではありません。はじめの1.2ヶ月は一時的に体重が増えることもありますが、ほとんどの場合は元に戻ります。ただ、トップアスリートへの調査では、約30%の方が体重が落ちにくくなったように感じているようです。
飲み始めるときは、体重のコントロールが厳格に必要ではない時期がよいでしょう。
②ピルを長期間飲んでいると不妊になる?
ピルは、女性ホルモンの量を調整して、排卵を起こさないようにする薬です。これによって、子宮や卵巣を休ませています。
ピルを飲んでいる間は、排卵が起きていないだけで、妊娠の機能には影響がありません。内服をやめれば、数か月で排卵が再開され、妊娠できる状態になります。
③生理痛があるのは当たり前?
じつは、生理痛があるのは当たり前ではないのです。毎月痛み止めを飲まなくてはいけないくらい痛みがあるなら、治療で改善できるかもしれません。生理痛は、子宮内膜症や子宮腺筋症などの病気が原因の可能性があるのです。こうした病気は、年々悪化していく特徴がありますので、早めに婦人科でご相談ください。
低用量ピルのメリット
低用量ピルを毎日服用することで、月経困難症やPMSの症状をやわらげて日々の練習に取り組みやすくなるほか、月経周期が一定になるので急な生理で慌てることがなくなります。
【低用量ピルのメリット】
- 月経痛が緩和される
- 経血量が減り貧血症状が緩和される
- 精神的に安定する
- 周期が一定になる
生理の始まる曜日を調整することも可能です。いつも週末に試合があるなら、平日に生理がくるように調節して服用します。
ピルは、実薬を21日間のみ終えた後、1日または2日後から生理が始まることが多いです。土曜日または日曜日からピルを飲み始めれば、月曜日から生理を起こすことができ、週末の試合と生理のタイミングをずらすことができます。
長期間合宿や海外遠征が続くなど、「生理の頻度そのものを減らしたい…」という方には、低用量ピルの実薬部分(1~21日目の部分)を数ヶ月連続して内服し、生理を起こさないようにする方法がよいかもしれません。「Stop&Go」と呼ばれる方法で、生理を起こしても問題ない時期まで生理を止め続けます。あまり長期間続けると途中で出血が起こる可能性があるため、通常は2.3か月で一旦生理を起こします。
低用量ピルを使えば、一人ひとりのスケジュールに合わせて、生理を起こす時期を安全にコントロールすることが可能です。興味を持たれた方は、一度相談してください。
月経移動ピルのメリット
月経移動ピルとも呼ばれる、中用量ピルの活用もおすすめです。
中用量ピルは、大事な大会と月経がぶつかりそうなときなどに、月経の時期を移動させる目的で一時的に服用します。月経を早めることも、遅らせることも可能です。
(マイピルの生理移動ピルのイメージ図が分かりやすいと思います。)
月経移動ピルは、服用するのをやめると2.3日で生理が始まります。
「月経痛やPMSなどには困っていないけれど、大事なタイミングでは生理がこないようにしたい」という方は試してみてはいかがでしょうか。頭痛や吐き気などの副作用を感じる場合がありますので、大事な大会の前などで使う前に、一度別のタイミングで試しておいた方がよいかもしれません。
まとめ
今回は、女性アスリートの多くが悩んでいる生理の症状についてご紹介しました。月経痛やPMS症状は、競技のパフォーマンスに影響すると感じているアスリートが多いです。
欧米では、80%以上の女性アスリートがピルを活用しています。ピルは、月経痛の緩和や経血量を減らすなどの効果が得られ、生理にまつわる症状で競技パフォーマンスに影響が出ている方におすすめです。日本でも徐々にアスリートたちにピルが普及してきています。マイピルでは、低用量ピルや月経移動ピル(中用量ピル)を取り扱っていますので、興味のある方は是非ご相談ください。
監修者
産婦人科専門医原野 尚美
いかがでしたでしょうか?マイピルでは産婦人科の医師が、ピルに関するどんな小さな疑問や不安でも、直接お電話でお答えいたします。
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