私の生理痛は大丈夫?生理痛の重さレベルをチェックしよう
「朝、しっかり保湿したはずなのに昼過ぎには乾いてしまう」
「夕方になるとファンデーションが粉を吹いて崩れてしまう」
「お風呂上がりに肌が突っ張って、痒みを感じることがある」
そんな乾燥肌の悩みは、単なる水分不足だけが原因ではないかもしれません。
お肌の乾燥は、見た目の問題だけでなく、放っておくとバリア機能が低下し、かゆみや赤み、ひりつきといったトラブル(乾燥性皮膚炎)に発展することもあります。自己流のケアで改善しない場合は、医学的なアプローチで「内側」と「外側」の両方から立て直すことが大切です。
今回は、乾燥肌のメカニズムと原因を解説します。
乾燥肌とは

乾燥肌(ドライスキン)とは、肌の最も外側にある「角質層」の水分量や皮脂量が低下し、潤いが失われた状態を指します。
健康な肌は、約20~30%の水分を含んでいますが、これが20%以下になると「乾燥肌」と言われます。
乾燥肌ってどんな状態?
肌の潤いは、主に以下の3つの要素によって守られています。
- 皮脂膜(ひしまく)
汗と皮脂が混ざり合い、肌表面を覆って水分の蒸発を防ぐ天然のクリーム。 - 天然保湿因子(NMF)
角質細胞の中で水分を抱え込んで離さないようにする成分(アミノ酸など)。 - 角質細胞間脂質(かくしつさいぼうかんししつ)
角質細胞同士の隙間を埋め、水分を挟み込んで逃さないようにする脂質(セラミドなど)。
これら3つのバランスが崩れると、肌内部の水分が蒸発しやすくなり、外部からの刺激も受けやすくなってしまいます。
乾燥肌の原因は?

なぜ、肌のバリア機能は低下してしまうのでしょうか。主な原因には以下のようなものがあります。
- 間違ったスキンケア・摩擦
良かれと思って行っているケアが、逆効果になっていることがあります。
熱いお湯での洗顔(40℃以上)は必要な皮脂まで溶かし出してしまいます。また、ゴシゴシ洗いやタオルの摩擦は角質層を傷つけます。
- 環境要因(空気の乾燥・紫外線)
湿度が30%以下になると乾燥が進みます。冬はどの地域でも湿度が低くなりがちなので、加湿器を使ったり洗濯物の室内干しをしたりすることで湿度をあげます。夏は除湿のしすぎに注意してください。
紫外線は肌の奥にあるコラーゲンを変性させ、保水力を根本から低下させてしまいます。季節や日光に当たる時間によって適切な日焼け止めを塗ることや、日傘などを使って直射日光を避けることが、肌の乾燥予防にも大切です。
- 加齢による変化
年齢を重ねると皮脂分泌量や水分保持能力が低下します。特に女性は30代後半頃から女性ホルモンの減少により乾燥しやすくなります。皮脂の分泌量が若い頃と比べると減っていき、乾燥しやすくなってしまうのです。スキンケア商品の見直しが必要かもしれません。
- 生活習慣の乱れ
睡眠不足はターンオーバーを乱し、偏った食事は皮膚を作る材料不足を招きます。
美肌のカギは「良質な睡眠」と「ターンオーバー」
乾燥肌を根本からケアするためには、保湿などの外側からのケアに加え、生活習慣を見直すことが重要です。中でも「質の高い睡眠」は、美肌作りの土台となります。
私たちは寝ている間に「成長ホルモン」を分泌し、肌のターンオーバーを活発に行っています。しっかりと睡眠をとることで、このサイクルが正常に働き、肌本来のバリア機能や水分保持力が高まるのです。まずは毎日の睡眠を整えることが、乾燥に負けない肌への第一歩です。
乾燥肌を悪化させるNG習慣
お薬での治療と並行して、生活習慣を見直すことも大切です。
偏った食事・過度な食事制限
過度な糖質制限や脂質制限は、健康な皮膚を作るための材料不足を招きます。特に脂質不足は、肌の水分保持に欠かせない「細胞間脂質(セラミドなど)」の不足に繋がります。良質なオイル(オリーブオイルや亜麻仁油など)や、皮膚や粘膜の健康維持を助けるビタミンB群、タンパク質を意識してバランスよく摂取しましょう。
睡眠不足・ストレス
肌のターンオーバーは、主に睡眠中に分泌される成長ホルモンによって促進されます。睡眠不足が続くとターンオーバーが乱れ、未熟な細胞が表面に出ることで、水分を保持できない肌状態になります。質の良い睡眠を確保し、自律神経を整えることが、肌のバリア機能維持に繋がります。
部屋の乾燥・エアコンの直風
湿度が低下すると、肌の水分は急速に蒸発します。特にエアコンの温風や冷風が直接肌に当たると、局所的に過乾燥の状態となり、肌荒れを引き起こします。 加湿器を活用して湿度60%程度を保ち、エアコンの風向きを調整して直接当たらないようにしましょう。
市販薬と医療用医薬品の違い
乾燥肌対策として市販の保湿剤を使用している方も多いでしょう。これらは主に「予防」や「使用感」を重視して作られています。
一方、医療機関で処方される「医療用医薬品」は、病気の治療や症状の改善を目的としており、有効成分の配合量や浸透力が異なります。
- 化粧品、医薬部外品:作用が緩和で、予防や現状維持が目的。
- 医療用医薬品:治療が目的。医学的に効果が認められた成分が、十分な濃度で配合されている。
もし、市販の保湿剤を使っていても改善が見られない場合は、単なる乾燥肌ではなく「皮脂欠乏症*」などの皮膚疾患の可能性があります。このような状態で市販のケアを続けても、症状を抑え込むことが難しく、かえって悪化させてしまうこともあります。
「どうしても乾燥が治らない」「粉をふくほど荒れている」という場合は、医療用医薬品によるケアが適しています。
*乾燥により皮膚の表面がはがれてうろこ状(鱗屑)になり、さらに亀の甲羅のようなひび割れや丸い形の赤みが生じている状態
乾燥肌に効果的な保湿方法

保湿剤には大きく分けて2つの役割があります。
- モイスチャライザー(水分を与える)
肌の角質層に浸透し、水分を抱え込んで保持する働きがあります。
例:ヘパリン類似物質、尿素、セラミドなど
- エモリエント(蓋をする)
肌の表面に油膜を張り、水分の蒸発を防ぐ働きがあります。
例:ワセリン、プロペト、オイル、クリームなど
乾燥が深刻な場合は、まず「モイスチャライザー」で内側に水分を蓄え、その上から「エモリエント」で蓋をするのが最も効果的です。
塗る量は、ティッシュが張り付く程度たっぷりと。入浴後5分以内の保湿が推奨されます。
よくある質問
処方薬によるスキンケアについて、よくあるご質問にお答えします。
Q. 市販の化粧水や乳液と併用しても大丈夫ですか?
はい、併用可能です。普段お使いの化粧水で水分を与えた後、乳液やクリームの代わり、またはその前に「ヒルドイドソフト軟膏」をご使用ください。油分の少ないものから順に塗るのが基本です。
Q. 薬を飲むのが不安です。副作用はありますか?
今回ご紹介した内服薬はビタミン剤ですので、重篤な副作用はほとんどありません。稀に胃部不快感などが起こる場合があります。ヒルドイドも安全性の高いお薬ですが、ごく稀にかゆみや赤みが出ることがあります。その場合は医師にご相談ください。
Q. どのくらいの期間で効果を実感できますか?
外用薬による保湿効果は数日で実感される方が多いです。内服薬による肌質改善は、ターンオーバーに合わせて1ヶ月~3ヶ月程度継続して様子を見ていただくことをおすすめします。
Q. 子どもや妊娠中でも使えますか?
ヘパリン類似物質などの外用薬は、小さなお子様からご高齢の方まで幅広く処方されるお薬ですが、妊娠中の方や特定の疾患をお持ちの方は、必ず診察時に医師へその旨をお伝えください。
まとめ
乾燥肌は、単に水をつけるだけでは改善しません。「皮脂膜」「水分」「角質細胞間脂質」のバランスを整えることや体の内側からのケアが非常に重要です。
特に「質の高い睡眠」は、美肌作りに欠かせません。睡眠中に分泌される成長ホルモンが肌のターンオーバーを促進し、肌本来の水分保持力を高めてくれるからです。
また、肌のコンディションは「ホルモンバランス」にも大きく左右されます。 低用量ピルを服用しホルモンバランスを整えることは、月経周期に伴う肌荒れや乾燥などのトラブルを緩和する選択肢の一つとなります。ただし、ピルには血栓症などの副作用リスクも存在するため、医師と相談しながら自身の体質に合わせて安全に取り入れることが大切です。
マイピルでは、忙しい方でも無理なく内側からのケアを続けられるよう、オンライン診療サービスを提供しています。 「生活習慣を見直したいけれど時間がない」「婦人科受診のハードルが高い」という方も、LINEやWEBから24時間ご予約いただけますので、まずはお気軽にご相談ください。
参考文献
- 日本皮膚科学会. アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021
- マルホ株式会社. ヒルドイドソフト軟膏0.3% 添付文書
- 公益社団法人 日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A 乾燥肌(ドライスキン)
- 持田ヘルスケア株式会社. 乾燥肌対策のために必要なケアとNG方法
- 日本ビタミン学会. ビタミンB群の機能と役割







