乾燥肌に効果的なヒルドイド、作用や正しい使い方を解説

監修者:皮膚科医 森愛里先生 


最終更新日

乾燥肌に効果的なヒルドイド、作用や正しい使い方を解説

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)をご存じでしょうか。ソフト軟膏やクリーム、ローション、スプレーなどさまざまなタイプがある、代表的な保湿剤です。

保湿剤だからと、なんとなく使っていませんか?じつは、ヒルドイドの効果をしっかり出すためには、「正しい使い方」をする必要があります。

ここでは、ヒルドイドの皮膚に対する効果をご紹介するとともに、使い方について詳しく解説します。

目次

  • 1.乾燥肌ってどんな状態?
  • 2.乾燥肌にヒルドイドをおすすめするワケ
  • 3.ヒルドイドソフト軟膏について
  • 4.ヒルドイドの安全性・副作用
  • 5.まとめ

乾燥肌ってどんな状態?

角質層の説明図

お肌の一番表面の部分は「角質層」と呼ばれます。肌の吸水性、保湿性に富んでいて、水分が15〜20%ほど含まれるほか、天然の保湿因子やアミノ酸などで構成されます。アミノ酸は、天然保湿因子や、角質を守る「ケラチン」などの材料として重要なものです。

角質層は、水分層と油分層が規則正しく並んだ「ラメラ構造」になっている状態が理想的です。水分層を、油分層で包むような構造になっています。
乾燥するとラメラ構造が乱れてしまい、油分層に隙間ができて水分が蒸発しやすくなるほか、保湿因子や乳酸・アミノ酸などの成分も失ってしまいます。そして、肌を潤わせるための成分がなくなるためにさらに乾燥するという悪循環に陥るのです。
また、乾燥によってターンオーバーが乱れ、表皮が厚くなることもわかっています。乾燥したときに肌のごわつきを感じるのはこのためです。

乾燥肌にヒルドイドをおすすめするワケ

モイスチャライザーとエモリエント

お肌の乾燥には、ヒルドイドがおすすめです。
保湿剤 はいろいろな種類がありますが、大きく分けると次の2種類になります。

  • モイスチャライザー

モイスチャライザーは、皮膚の水分量自体を増やす保湿剤です。皮膚の内側に浸透し、水分を引き込みます。
例:ヘパリン類似物質、尿素

ヒルドイドの主成分は「ヘパリン類似物質」で、モイスチャライザーに該当します。角質層の水分量を直接的に増やし、乾燥を改善する塗り薬です。
角質層の水分量を増やすだけでなく、ヒルドイドにはたくさんの作用があり、総合的に肌状態を向上させてくれます。

乾燥肌に対して1日1回ヒルドイドを塗布して肌の変化を観察した報告では、乱れたラメラ構造が修復されたという結果でした。さらに、角質層の水分量だけでなく、アミノ酸の量も回復しました。
また、血行促進の作用、肌のターンオーバーを整え表皮の厚みを抑える作用もあります。

こうしたヒルドイドの総合的な作用で角質層の質が向上し、肌の乾燥が改善できるのです。

  • エモリエント

エモリエントは、皮膚から水分が蒸発するのを防ぐバリアのような働きをするタイプの保湿剤です。皮膚の水分量自体を増やす作用はありません。
皮脂膜の代わりに角層を守り、皮膚がそれ以上乾燥するのを防いでくれるというわけです。
例:ワセリン、パラフィン、ラノリン

モイスチャライザーで肌に水分を与えて肌を柔らかくし、エモリエントで水分が逃げないようにふたをすることで、より高い保湿効果を発揮することができます。どちらか一方だけではなく、両方の成分を取り入れることが、乾燥対策を行う上でのポイントです。

マイピルでは、乾燥肌でお悩みの方向けに皮膚科医が考案した「乾燥肌予防・ケアセット」を展開しています。化粧品やサプリメントとは違い、乾燥症状を治すことを目的としたセットです。
今回ご紹介したヒルドイドソフト軟膏が含まれたセットですので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。

ヒルドイドソフト軟膏について

ヒルドイドソフト軟膏の効果と使い方をご紹介します。

ヒルドイドソフト軟膏の効果

ヒルドイドは、皮脂欠乏症などの乾燥症状をきたす疾患のほか、血行障害による痛みなどさまざまな皮膚の症状に使うことができる塗り薬です。皮脂欠乏症の場合、95%の方で症状が改善したという結果が得られています。
1日1回〜数回程度、乾燥の気になる部位に塗ってください。1回よりは2回の方が角質の水分量が増えることがわかっています。化粧前、クレンジング後、などタイミングを決めて塗るようにしてみてはいかがでしょうか。

ヒルドイドソフト軟膏の効果的な使い方

ヒルドイドソフト軟膏の効果を十分引き出すためには、塗る回数を増やすだけでなく、正しい使い方をすることも大切です。

皮膚に塗るときは、あまり薄く伸ばさずに「少しベタつくかな」という程度までしっかりと塗ってください。
ヒルドイドソフト軟膏を人差し指の先から第一関節まで出した量を「1FTU(フィンガーチップユニット)」という単位で表します。1FTUで、両手いっぱいの面積を塗るのが適切です。ですから、顔全体に塗るとした場合、1FTUの量をしっかり塗るのがよいでしょう。
1日2回、1FTUずつ使用した場合、だいたい1か月でちょうどヒルドイドソフト軟膏1本がなくなります。

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)は、ソフト軟膏のほか、医療機関ではクリーム、ローション、スプレーなどさまざまなタイプを扱っています。
ヒルドイドソフト軟膏は、使用感がしっとり重たいタイプです。寝る前のしっかりとした保湿目的や、冬場の乾燥治療にとくに向いています。クリーム、ローション、スプレーなどはヒルドイドソフト軟膏と比べて伸びがいい、ベタつかないなど使用感に違いがありますが、保湿力や皮膚への刺激が少ない点では軟膏に劣ります。
季節や塗る部位によって使い分けるのがおすすめです。

市販薬でも、ヒルドイドと同じ「ヘパリン類似物質」を含んだ製品がいくつもありますので、好みの使い心地のものを探してみるのもよいでしょう。

ヒルドイドの安全性・副作用

ヒルドイドソフト軟膏は、肌への刺激になるような成分がほとんど入っていないので、敏感肌の人にも使いやすい保湿剤といえます。
かゆみを感じたり、皮膚に赤みが出たりする場合もありますが、こうした副作用の頻度は0.1%とごく稀です。ほとんどの場合、どなたでも問題なく保湿剤として使用できます。

まとめ

ここでは、ヒルドイドソフト軟膏が乾燥肌におすすめする理由と 、正しい使い方についてご紹介しました。
ヒルドイドの主成分である「ヘパリン類似物質」は、肌の角質層に直接水分量を増やす「モイスチャライザー」という種類の保湿成分です。水分量を増やすほか、血行を促進したり、ターンオーバーを促したりとさまざまな作用で肌の状態を改善します。
あまり薄く伸ばさず、少しベタつく程度の量をしっかりと塗りましょう。乾燥肌の治療にご興味のある方は、マイピルのメディカルスキンケアをお試しください。

監修者
皮膚科専門医森 愛里

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