排卵期出血のメカニズムを解説!不正出血との見分け方は?

監修者:産婦人科医 原野尚美 


最終更新日

排卵期出血のメカニズムを解説!不正出血との見分け方は?

「生理が終わって数週間しか経っていないのに、また出血が…」という経験のある方は、少なくないでしょう。

女性のからだは、月経周期に合わせて変化を繰り返します。月経周期には「排卵期」という時期があり、その頃に生じるわずかな出血は「排卵期出血」と呼ばれます。

今回は、排卵期出血がなぜ起こるのかについて解説するとともに、出血量が多い・頻繁に生じる場合に考えたい病気の可能性についてお伝えします。

目次

  • 1.排卵期出血とは?
  • 2.排卵期出血と妊娠の関連は?
  • 3.何らかの病気の可能性も
  • 4.まとめ

排卵期出血とは?

まずは、なぜ排卵期出血が起こるのか、メカニズムを知りましょう。

排卵期出血のメカニズム

排卵期出血とは、生理が終わってから次の生理が始まるまでの期間の真ん中あたり、つまり生理が終わって2週間目前後に生じる出血です。

生理が終わると、まずは卵胞期という時期になります。エストロゲンの分泌量が増え、卵巣内の卵胞が成熟します。
卵胞が成熟して排卵の準備が整うと分泌されるのが、「黄体形成ホルモン」です。黄体形成ホルモンは排卵を促すホルモンで、分泌量が急上昇・急降下します。この動きを感知すると、卵胞が破れて卵子が放出され、排卵となります。
排卵が起こったあとの卵胞は、黄体へと変化し、プロゲステロンを分泌するようになります。排卵後から生理までの期間が「黄体期」です。
つまり、排卵期には女性ホルモンの分泌量が大きく変わることになります。

女性ホルモンの分泌量の図

排卵期出血の原因にはいくつかの説があり、はっきりとしたメカニズムはわかっていません。
卵胞が破れて卵子が放出されるときのわずかな出血が、子宮から腟を通って外に出たものだという考えが1つです。
また、排卵期の女性ホルモン分泌の増減の影響で子宮内膜が一時的に不安定となり、部分的に剥がれて出血を起こすという考えもあります。

出血の量や期間

排卵期出血は、毎月必ず起きるものではありません。出血がある場合でも、数滴程度から少量の出血であることが多いです。たいていは、おりものシートで対応できる程度の出血量ですむでしょう。
色は鮮やかなピンク色から茶色までさまざまで、これといって断定できる特徴はありません。出血の色や量は、その時々で異なります。

出血期間は短く、数時間から長くても3日程度で終わるのが一般的です。生理のときよりは程度が軽いものの、軽い下腹部痛や腰痛、だるさなどを感じる方もいます。
もし出血が長引く場合や、出血量が多い場合、毎月のように生じる場合などは、他の原因も考えられるため、一度医師に相談しておくことをおすすめします。

排卵期出血は病気ではないため、出血量が少ない場合や、症状が気にならない場合などは、治療は不要です。

排卵期出血と妊娠の関連は?

排卵期出血と妊娠の関係について気にされる方が多いです。実際のところ、関係はあるのでしょうか?

「排卵期出血がある=妊娠」ではない

排卵期出血がなくても、ほとんどの方はしっかり卵胞から排卵されています。そのため、排卵期出血の有無や妊娠のしやすさ、妊娠の可能性などを関連付けて考えることはできません。排卵期出血は、起こらない方も多いです。

排卵期出血と妊娠には、直接的な関係はありません。
また、似たような出血として「着床出血」を聞いたことがある方もいるでしょう。着床出血も必ず起こるものではないので、妊娠したかどうかの判断には使えません。

排卵しているかは基礎体温で確認

実際に排卵しているかどうかは、基礎体温を測定すると簡易的に確認できます。生理と生理の中間あたりで出血があるという方は、基礎体温を記録してみてください。

基礎体温の変動のグラフ

排卵があるとプロゲステロンの分泌量が増え、基礎体温が上がる「高温期」となります。高温期があれば、排卵しているということがわかります。
基礎体温を測定するための専用の体温計を用いて、毎朝測定しましょう。毎日測定することで、わずかな体温変化があるかどうか確認することができます。
目が覚めたら、起き上がる前に測定するのが正しい方法です。基礎体温は、口の中の舌下で測定してください。

基礎体温の計り方

排卵があり、その前後で性交渉を持った場合には妊娠の可能性がありますが、「出血したから妊娠している」と判断することはできない点は覚えておいてください。

何らかの病気の可能性も

排卵期出血は、必ずしも、すべての人に、毎月生じるものではありません。また、生理と同じくらいの出血があるということも考えにくいです。頻繁に出血がある方、出血量が「少ないとはいえない」方は、一度婦人科を受診してみましょう。たまたま排卵期の周辺で出血しているだけで、ほかの原因があるかもしれません。

頻発月経

排卵期出血なのかなと思っていても、じつは生理周期の短い頻発月経だということもあります。いつも出血が長引く、不正出血というには出血量が多いという方は、頻発月経かもしれません。

頻発月経は、月経周期が24日以内のものを指します。ストレスや疲れが原因のこともありますが、卵巣機能が低下してホルモン分泌が不安定になることも一因です。

頻発月経の方の多くは「無排卵」で、その場合、基礎体温をつけても高温期が現れないのが特徴です。「無排卵」で頻発月経の場合は、経血量が少なくダラダラ続きがちで、思春期や更年期の女性によく見られます。

排卵があったとしても、「黄体機能不全」の状態であれば月経周期が短くなります。黄体機能不全は不妊や流産の原因となるため、妊娠のご希望があり生理周期が短い方、不正出血の頻度が多い方は一度産婦人科で相談していただくのがよいでしょう。

子宮筋腫、子宮内膜症

子宮筋腫や子宮内膜症によって、微量の出血が起きている場合も考えられます。おりものに血が混じったような少量の出血や下腹部痛が起こるため、排卵期出血と勘違いされることがあるかもしれません。

子宮筋腫や子宮内膜症の方は、経血量が多く、生理痛がひどい傾向にあります。治療で緩和させることができますので、婦人科でご相談ください。

子宮頸部異形成、子宮頸がん

子宮頸部異形成や子宮頸がんが原因で、少量の出血が起きていることも考えられます。これらは、正常な部分と比較して表面が脆くなっているため、ちょっとした刺激で出血を起こすのが特徴です。運動や性行為など、刺激になるようなことのあとで出血がある方は、一度検査をしてみてもよいでしょう。

子宮頸部異形成や子宮頸がんは、性交渉の経験がある方であればどなたでも発症の可能性があります。年代としては、20代〜30代に多いです。

まとめ

今回は、排卵期出血について解説するとともに、出血がある場合に考えたい病気の可能性についてもご紹介しました。

排卵期出血は、月経周期の中で生じる自然な現象で、病気ではありません。ですが、生理と同じように下腹部痛を感じたり、出血が続いたりして不快に感じる方もいます。また、排卵期出血かと思っていても、不正出血を起こす別の病気の可能性もあります。

出血の量や期間が排卵期出血らしくない場合は、婦人科を受診し、一度しっかり調べてみましょう。
婦人科で排卵期出血と診断され不快に感じる方は、低用量ピルを服用し続けると排卵を抑えられ、排卵期出血を抑えることができます。
低用量ピルの内服も検討してみてはいかがでしょうか。

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

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