着床出血の色・量・期間はどのくらい?生理との見分け方を医師が解説

監修者:産婦人科医 原野 尚美

最終更新日

着床出血の色・量・期間はどのくらい?生理との見分け方を医師が解説

「生理のときとは違うけれど、生理のような出血がある」「お腹も痛いけれど、いつもの重さとは違う」。そんな違和感を覚えると、体の中で何が起きているのか不安になってしまいますよね。実はその出血、生理ではなく『着床出血』の可能性も考えられます。

妊娠を希望されている方にとっても、予期せぬ体調変化に戸惑っている方にとっても、自分の体のサインを正しく知ることはとても大切です。今回は、着床出血と生理の一般的な見分け方や、心構えについて、読者の皆さんの不安に寄り添いながら解説していきます。

着床出血とは?

着床出血とは?妊娠のサイン 着床出血とは、受精卵(おなかの赤ちゃんのたまご)が子宮の内膜にぴったりとくっつく「着床」の際に起こることがある出血のことです。

受精卵が子宮内膜に入り込むとき、内膜の組織を少しだけ溶かしたり、小さな血管を傷つけたりすることがあります。これが体外へ排出されるのが着床出血のメカニズムと考えられています。いわば「妊娠に伴って起こりうる変化」のひとつと言えるでしょう。

目次

着床出血が起こる時期

着床出血が起こる時期

着床出血が起こる時期は、一般的に受精してから約7日〜12日後、つまり「次の生理予定日の数日前から当日」くらいと言われています。このタイミングが生理予定日と近いため、多くの女性が「今月は生理が早く来たのかな?」と迷ってしまうケースも少なくありません。

ただし、この出血はすべての妊婦さんに起こるわけではありません。統計的には妊娠した女性の一部(25%程度※)に見られる症状とされています。「出血がなかったから妊娠していない」というわけではないので、あまり心配しすぎないでくださいね。

着床出血と生理の一般的な傾向の違い

「いつもの生理かな?」と迷ったときのために、判別の目安となるポイントを表にまとめました。ただし、症状には個人差があるため、ご自身の今の状態と照らし合わせる参考としてご覧ください。

【比較項目:着床出血の傾向 / 生理(月経)の傾向】

比較項目着床出血の傾向生理(月経)の傾向
色の特徴ピンク、茶色、薄い赤など鮮やかな赤、暗い赤など
続く期間1〜3日程度(比較的短い)3〜7日程度(比較的長い)
出血の量少量(おりものに混じる程度が多い)多い(ナプキンが頻繁に必要)
血の塊混じらないことが多い混じることがある(レバー状など)
お腹の痛みチクチクする軽い違和感などズーンと重い、強い痛みなど

※上記は一般的な傾向であり、個人差があります。自己判断せず医師にご相談ください。

色の違い

着床出血の色は、おりものに混ざったような薄いピンク色や、時間が経過して酸化したような茶色であることが多い傾向にあります。一方で生理は、子宮内膜が剥がれ落ちるため、しっかりとした赤色や暗い赤色をしていることが一般的です。

また、生理のときには見られる「血の塊(レバーのようなもの)」が着床出血では見られないことが多いのも特徴のひとつです。サラサラとした少量の出血であれば、着床出血の可能性も考えられます。

期間と量の違い

生理の場合は、1日目から3日目にかけて量が増え、1週間ほどかけて徐々に終わっていくのが一般的です。対して着床出血は、ごく少量が1回きり、あるいは長くても2〜3日で止まることが多いと言われています。「いつもの生理にしては短すぎるな」と感じたら、それは体からのサインかもしれません。

痛みや随伴症状の違い

生理痛は「子宮が収縮するような重い痛み」を感じる方が多いですが、着床出血に伴う痛み(着床痛と呼ばれることもあります)は「チクチク」「足の付け根が引っ張られるような違和感」と表現されることがあります。また、この時期には「高温期」が続くため、体がポカポカしたり、少しだるさを感じたりすることもあるようです。

着床出血かも?と思ったらすべきこと

着床出血かも?と思ったら

もし違和感のある出血があった場合、まずは落ち着いて次の行動を検討しましょう。焦る必要はありませんが、早めの確認があなたの健康を守ることにつながります。

妊娠検査薬を使うタイミング

「今すぐ知りたい!」という気持ちになりますが、妊娠検査薬には適切なタイミングがあります。一般的な検査薬は「生理予定日の1週間後」から正しく判定できるとされています。早すぎると「フライング検査」となり、正しい結果が出ない(偽陰性)ことがあるため注意が必要です。

もし早く確認したい場合は、生理予定日当日から使える「早期妊娠検査薬」を検討してみるのも一つの方法です。

産婦人科を受診する目安

検査薬で陽性が出た場合は、なるべく早く婦人科を受診しましょう。「まだ早いかも」と躊躇する必要はありません。正常な妊娠かどうかを確認し、異所性妊娠(子宮外妊娠)などのトラブルがないかを早期に判断するためにも、医師の診断を受けることが大切です。

また、検査が陰性であっても、出血が止まらなかったり激しい痛みがある場合は、他の婦人科疾患の可能性もあります。自分の体を第一に考え、専門家に相談してくださいね。

よくある質問(FAQ)

Q.着床出血があったら、不妊治療中はどうすべきですか?

不妊治療を行っている場合は、出血があった旨を早めに通院先のクリニックへ伝えてください。薬の服用継続の判断や、ホルモン値の確認が必要になる場合があります。自己判断で薬を止めないことが大切です。

Q.ピルを飲んでいるのに着床出血のようなものがあります

低用量ピルを正しく服用している場合、基本的には排卵が抑制されるため、妊娠に伴う着床出血が起こる可能性は低いと考えられます。その場合の出血は「不正出血」や、飲み忘れ等による「消退出血」の可能性も考えられます。不安な場合は、ピルを処方してもらった医師に相談することをおすすめします。

Q.着床出血と不正出血の見分け方はありますか?

見た目だけで着床出血と他の不正出血(子宮頸管ポリープや炎症など)を完全に見分けるのは難しいとされています。そのため、基礎体温をつけておくことが役立ちます。高温期が2週間以上続いている状態での出血であれば、妊娠の可能性も否定できません。

まとめ

「出血が短期間で終わった」「色がいつもより薄い」「痛みが軽い」といった場合は、着床出血の可能性があります。ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、自己判断だけで妊娠を特定することはできません。

少しでも「いつもの生理と違う」と感じ、妊娠の可能性がある場合は、生理予定日を1週間過ぎた頃に妊娠検査薬を使用するか、早めに産婦人科を受診して医師の診断を受けるようにしましょう。

参考文献

  1. 緊急避妊法の適正使⽤に関する指針 (令和 7 年改訂版) 
  2. 産婦人科診療ガイドライン ―婦人科外来編 2023 
  3. 公益社団法人 日本産婦人科医会「異常出血」 
  4. 厚生労働省「ヘルスケアラボ:月経(生理)のトラブル」 
  5. 日本産科婦人科学会「不妊症」 
産婦人科専門医 原野尚美

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

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