生理がなかなか終わらない!?出血が長引く過長月経とは
要注意!喫煙の習慣があると低用量ピルを使用できない理由
監修者:産婦人科医 原野尚美
最終更新日

「喫煙していても低用量ピルって服用できるの?」タバコとピルの併用にはリスクがあると聞いて、不安を感じている方が多いのではないでしょうか。低用量ピルは避妊効果を発揮したり生理トラブルを改善したりする薬です。
しかし、喫煙習慣があると服用できないケースがあります。本記事では、喫煙と低用量ピルの関係性やリスクについて詳しく見ていきましょう。喫煙している方が服用できるピルの種類も紹介しているので参考にしてください。
目次
- 1.喫煙者は低用量ピルを服用できないことがある
- 2.加熱式タバコや電子タバコも血栓症のリスクを増加させる
- 3.喫煙以外にも低用量ピルを服用できないケースがある
- 4.喫煙の習慣があっても低用量ピルを服用するには?
- 5.低用量ピルの相談ならマイピルへ
- 6.まとめ
喫煙者は低用量ピルを服用できないことがある
喫煙習慣がある方は、低用量ピルを服用できないことがあります。低用量ピルは避妊や生理痛、PMS(月経前症候群)の改善に効果がありますが、喫煙している方が服用すると重大な副作用を引き起こす可能性があるのです。
低用量ピルには血栓症のリスクがある
低用量ピルには、女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)が含まれています。エストロゲンには血液を固まりやすくする作用があるため、血栓症の副作用が起こる可能性があります。
血栓症とは、血管内に血のかたまりができて血流が阻害される病気です。重症化すると心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気を引き起こす場合があります。そのため、低用量ピルを服用する際には血栓症のリスク因子がないかを確認しましょう。
ただし、低用量ピルを服用しているからといって、極端に血栓症のリスクが上昇するわけではありません。日本産婦人科学会によると、低用量ピルを服用している方の静脈血栓症の発症リスクは年間1万人あたり3~9人と報告されています。服用していない場合の発症リスクは年間1万人あたり1~5人です。
極端にリスクが上昇するわけでないのであまり神経質になりすぎる必要はありませんが、血栓症を起こす可能性があることは覚えておきましょう。
低用量ピルの服用中に喫煙すると血栓症のリスクが増加する
喫煙は、血管を収縮させ血液の流れを悪くします。日本動脈硬化学会によると、1日20本を超える喫煙をしている方は脳卒中のリスクが約1.6倍、心筋梗塞や狭心症のリスクが約3.3倍になると報告されています。
このように喫煙には血栓をできやすくする働きがあるため、もともと血栓症のリスクがある低用量ピルを服用すると、血栓症のリスクがさらに増加するのです。
特に年齢が上がるにつれて血管の柔軟性が低下し、血栓症のリスクはさらに増大します。このことから、基本的に喫煙している方への低用量ピルの処方は推奨されていません。
35歳以上で1日15本喫煙している方は低用量ピルを服用できない
35歳以上で1日15本以上喫煙している方は、低用量ピルを服用できません。これは、心筋梗塞などの心血管系の障害が発生しやすくなるためです。
また、35歳未満で喫煙本数が1日15本未満の場合でも、安全のために低用量ピルが処方されない場合もあります。年齢や喫煙本数によらず、喫煙している方は低用量ピルを服用できない可能性があると認識しておきましょう。
加熱式タバコや電子タバコも血栓症のリスクを増加させる
低用量ピルの副作用である血栓症のリスクを増加させるのは、従来のタバコだけではありません。加熱式タバコや電子タバコも血栓症のリスクを増加させることが分かっています。近年の研究により、加熱式タバコや電子タバコが動脈硬化や心血管系合併症の発症に関与している可能性があることが明らかになったのです。
時おり喫煙する習慣がある健康な若年成人24名を対象に加熱式タバコを使用してもらったところ、血小板やフィブリンを多く含む血栓ができやすい傾向にあることが分かりました。
このことから、加熱式タバコや電子タバコを使用している方が低用量ピルを服用すると、血栓症のリスクが増大する可能性があります。
喫煙以外にも低用量ピルを服用できないケースがある
低用量ピルは生理痛やPMSの緩和、避妊などに効果的な薬ですが、すべての方が安全に使用できるわけではありません。
喫煙以外にも、特定の病気や症状を持つ方は服用を避けなければならないことがあります。低用量ピルを服用できないケースは多くありますが、ここでは一例を紹介しましょう。
エストロゲン依存性悪性腫瘍がある方
乳がんや子宮内膜がんなど、エストロゲンの影響で増殖する悪性腫瘍がある方は、低用量ピルの服用が禁忌とされています。
低用量ピルに含まれているエストロゲンが、腫瘍の成長を促進する可能性があるためです。現在治療中の方はもちろん、過去にこうした病歴がある方は必ず医師に相談してください。
診断の確定していない異常性器出血がある方
不正出血など原因が不明な性器出血がある場合は、低用量ピルの服用はできません。異常性器出血が性器がんによって引き起こされている場合があり、低用量ピルの服用によりがんが悪化したり症状がはっきりあらわれるようになったりする可能性があります。
また、低用量ピルの服用により出血が一時的に改善され、重大な病気の発見が遅れる可能性があります。
血栓性静脈炎や肺塞栓症などがある方
血栓性静脈炎や肺塞栓症などがある方は、低用量ピルを服用できません。低用量ピルの成分が血液を固まりやすくする作用を持つため、服用すると症状が悪化したり再発したりする危険性が高まるためです。
血栓症は命に関わる重大な副作用であるため、こうした既往歴がある場合は低用量ピル以外の方法を選びましょう。
前兆を伴う片頭痛がある方
閃輝暗点や星型閃光などの前兆を伴う片頭痛がある方は、低用量ピルを服用できません。該当の方が低用量ピルを服用すると、前兆を伴わない片頭痛の方と比べて脳卒中などの脳血管障害が起こりやすくなると報告されています。
妊娠中または妊娠している可能性がある方
すでに妊娠している、または妊娠の可能性がある状態で低用量ピルを服用することはできません。
妊娠初期に低用量ピルを服用していても胎児に大きな影響は出ないとされていますが、安全性がまだ確立されていない状況です。低用量ピルの服用中に妊娠が分かった場合は、すぐに使用を中止してください。
喫煙の習慣があっても低用量ピルを服用するには?
喫煙している方であっても、避妊や生理の管理のために低用量ピルを服用したいと考えている方もいるでしょう。しかし、低用量ピルの服用中は基本的に喫煙できません。では、どうすれば良いのでしょうか。
禁煙や喫煙習慣の見直しを行う
喫煙は低用量ピルによる血栓症の副作用のリスクを増加させます。そのため、低用量ピルの服用を希望する方は、まず禁煙を行いましょう。
禁煙が難しい場合は、禁煙外来に通ったり市販の禁煙補助薬を使ったりすることも検討してみてください。安全な服用のためにも、生活習慣の改善が不可欠です。
ミニピルや黄体ホルモン製剤の使用を検討する
どうしても禁煙が難しい場合は、エストロゲンを含まない薬への切り替えが選択肢となります。代表的なのが、黄体ホルモンのみを含むミニピルや黄体ホルモン製剤です。これらは血栓症のリスクが低く、喫煙者でも服用できます。
低用量ピルの相談ならマイピルへ
マイピルは、オンライン診療を行っているサービスです。自宅にいながら産婦人科医に相談ができます。低用量ピルの服用を検討している方は、お気軽にマイピルへご相談ください。
オンラインで医師に相談できるので、時間をかけて婦人科に通院する必要がありません。手軽に専門的なアドバイスを受けられます。
まとめ
喫煙の習慣があると低用量ピルを服用できないのは、血栓症のリスクが増加するためです。タバコにも低用量ピルにも血液を固まりやすくする作用があるため、喫煙者が低用量ピルを服用すると相乗効果によりリスクが高まってしまいます。
35歳以上で1日15本以上喫煙している方は低用量ピルを服用できない決まりになっていますが、本数にかかわらず喫煙している方は低用量ピルが処方されないことが多いのが現状です。
禁煙するのが一番ですが、難しい場合はミニピルや黄体ホルモン製剤などが使える場合もありますので、医師に相談してみてください。

監修者
産婦人科専門医原野 尚美
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