生理前は別人になる！？PMDD（月経前不快気分障害）について知ろう

生理が近づくにつれて、イライラしたり怒りっぽくなったり、あるいは気分が落ち込んだり・・・。生理前に精神的な不安定さを抱えることは珍しくありませんが、日常生活にまで支障が出る場合には『PMDD（月経前不快気分障害）』の可能性が考えられます。日常生活への支障を軽減し、なるべく快適な生理前を過ごすためには、PMDD（月経前不快気分障害）についての知識と対策が必要です。

今回の記事では、PMDD（月経前不快気分障害）と対策について解説します。

PMDD（月経前不快気分障害）とは

まずPMDD（月経前不快気分障害）とは、英語で”Premenstrual Dysphoric Disorder”と言います。生理前にかけてあらわれることから、『PMS（月経前症候群）』と合わせて覚えられるケースが多いです。

PMDD（月経前不快気分障害）の症状

PMDD（月経前不快気分障害）もPMSも、生理前にかけて出始め、生理になると落ち着くという特徴を持ちます。PMSでは腹痛や腰痛、お腹の張り、頭痛やむくみなど身体的な症状が目立ちやすいのに対し、PMDD（月経前不快気分障害）では精神的な症状が出やすくなります。

• 普段は気にしないのに、ちょっとしたことでイライラする
• 怒りっぽくなり、他人に八つ当たりをしてしまう
• 悲しいことが起こったわけではないのに、涙が出る
• 気分が落ち込み、物事に前向きになれない
• 物事に対する集中力が、いつもより低い

生理前に上のような症状が出る場合には、PMDD（月経前不快気分障害）になっている可能性が高いです。

生理前の精神的な不安定さは特に珍しいことではありませんが、通常であれば日常生活にそれほど支障が出ない程度で抑えられます。自分ではどうすることもできないほどにひどく、仕事や人間関係で大きなストレスを抱えてしまう場合には、専門家による治療が必要になります。

PMDD（月経前不快気分障害）への対処法

PMDD（月経前不快気分障害）の症状を軽減するには、医療機関での治療とご自身でのケアが必要です。

医療機関での治療

医療機関ではPMDD（月経前不快気分障害）に対し、精神的な治療やホルモンバランスを整えるための治療が行われます。

精神的な治療では、情緒不安定が見られる場合には精神安定剤、うつ症状が見られる場合には抗うつ剤と、薬物療法が主に進められます。医療機関によっては行動療法や漢方薬の処方など、薬物療法以外の方法や東洋医学を用いた方法が選ばれることもあります。

それに加え、PMDD（月経前不快気分障害）はホルモンバランスが主な原因になることに配慮し、低用量ピルを処方されるケースも多いです。低用量ピルは避妊だけでなく、生理痛の軽減や生理周期の調整、PMSやPMDD（月経前不快気分障害）の改善にも役立ちます。

セルフケア

医療機関での治療に合わせ、日ごろからセルフケアをすることも、PMDD（月経前不快気分障害）の軽減につながります。

• いつもより無理のないようにスケジュールを組む
• 意識的に時間をとり、リラックスや休息にあてる
• ストレッチで、血流改善や自律神経のケアをする

など、小さなことでも意識して行うことで、症状を軽減させられます。

生理前はただでさえ心身ともに落ち着かない時期であり、また生理に備えて体調管理が必要となることもありますので、普段よりも自分を大切に扱ってあげましょう。

辛い症状がある場合には、医療機関に相談しましょう

PMDD（月経前不快気分障害）は、一人で我慢できる症状とは言えません。医療機関に相談し、必要な手段を使うことで、生理前でも快適な日々を送れるようになります。

生理前にいつも精神的な症状が辛くなる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。