この時期に限って・・・生理中の頭痛の原因と対処法

監修者:産婦人科医 原野尚美 


最終更新日

この時期に限って・・・生理中の頭痛の原因と対処法

「月に1度のペースで頭痛が出ると思ったら、生理中だと気づいた」、このような経験をした方は決して少なくないでしょう。普段は頭痛持ちとは無縁でも、生理中に限って頭痛に悩む女性は多いものです。ホルモンバランスのせいだと言っても、頭痛が出ると体力的にも精神的にも疲れてしまいます。

原因がわかっていれば、生理中の頭痛に悩むことがなくなります。そこで今回の記事では、生理中の頭痛の原因と対処法について解説します。

目次

  • 1.生理中の頭痛の原因
  • 2.生理中の頭痛への対処法
  • 3.心配なら医療機関を受診しましょう

生理中の頭痛の原因

生理中に起こる頭痛の原因は、腹痛や腰痛と同じように、身体の働きによるものです。

生理前は、妊娠に備えて子宮内膜が厚くなります。安全な出産を迎えるため、母体を健康な状態に保つことが目的です。しかし、脳と身体が妊娠の予定がないことを理解すると、厚くなった子宮内膜を体外に出そうと動き出します。このときに『プロスタグランディン』が分泌されますが、同時に痛みを感じさせる物質まで出るようになります。

結果、腹痛や腰痛、ひいては頭痛に悩む方が多くなります。

セロトニン減少による血管の拡張も

生理中は、女性の心身の健康を維持する『卵胞ホルモン(エストロゲン)』が減少する時期でもあります。エストロゲンは幸福感や心の落ち着きにかかわる『セロトニン』の分泌を担うことから、減少することでさまざまなデメリットが増えていきます。

セロトニンの分泌が減少すると、脳内の血管の収縮が難しくなり、拡張した状態が続くようになります。これに伴い、片頭痛が長引く、片頭痛よりも強い痛みを感じるなどの症状が目立つようにもなります。

生理中の頭痛への対処法

生理中の頭痛は、頭痛の種類に合わせた対応が必要です。ご自分がどのような頭痛に悩んでいるか確かめ、適切な方法を選びましょう。

緊張性頭痛への対応

筋肉の緊張を原因とする頭痛には、筋肉をほぐすためのストレッチやマッサージ、入浴などがおすすめです。より早く確実な変化を期待したいのなら、痛み止めを使いましょう。予防を考えるなら低用量ピルの服用も役立ちます。

片頭痛への対応

脳内の血管の拡張によって起こる片頭痛には、緊張性頭痛とは違う対応が求められます。痛む部分を冷やす、光や音を遮断して暗い静かな部屋で過ごすなど、まずは症状を落ち着けましょう。緊張性頭痛と同じ対応をすると、かえって症状が悪化することがあります。

片頭痛も緊張性頭痛と同じように痛み止めの使用はできますが、ピルは服用できないケースが多いです。脳内の血管の拡張を促し、症状が悪化するリスクが高いためです。症状が出たらまず医師に確認し、必要な対応を教えてもらいましょう。

心配なら医療機関を受診しましょう

生理中の頭痛は、一人で悩んでいても改善されません。また頭痛のタイプによって適切な対応も変わることから、自己判断に頼らない対策が必要です。

生理中の頭痛にお悩みの場合は、なるべく早くに医療機関を受診し、医師に相談しましょう。

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

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