生理痛を軽減したい!痛みの原因と緩和するための方法

監修者:産婦人科医 原野 尚美

最終更新日

生理痛を軽減したい!痛みの原因と緩和するための方法

「毎月の生理痛がつらくて寝込んでしまう」

「薬を飲んでも痛みがなかなか引かない」

生理痛の重さは人それぞれですが、生活に支障が出るほどのつらさは「月経困難症」と呼ばれ、治療の対象となることがあります。痛みは我慢するものではなく、適切な対策でコントロールしていくことが大切です。

今回は、生理痛が起こるメカニズムや、自宅でできるセルフケア、そして医療機関での治療法について解説します。

生理痛が起こる原因とは

生理痛(月経痛)に悩む女性は多く、特に10代〜20代の若年層では多くの方が何らかの不調を感じているといわれています。

生理痛には、大きく分けて2つの原因が考えられます。

1. プロスタグランジンの過剰分泌(機能性月経困難症)

プロスタグランジンの過剰分泌

生理直前から前半にかけて、子宮内膜から「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。この物質には子宮を収縮させ、経血を体の外に押し出す役割があります。

しかし、プロスタグランジンの分泌量が多すぎると、子宮が必要以上に強く収縮してしまい、キリキリとした腹痛や腰痛を引き起こすことがあります。また、この物質は血管の収縮にも関わっているため、冷えやだるさの一因になることもあります。

初経後数年から見られる生理痛の多くは、このタイプに分類されるといわれています。

2. 子宮や卵巣の病気(器質性月経困難症)

子宮内膜症や子宮筋腫など、子宮や卵巣に何らかの疾患があるために痛みが起こるケースです。20代後半以降で生理痛がつらくなってきた場合は、背景に何らかの原因が隠れている可能性があります。

タイプ機能性月経困難症器質性月経困難症
主な原因プロスタグランジンの過剰分泌など子宮内膜症、子宮筋腫など
特徴初経後から数年以内に発症しやすい

年齢とともに変化する傾向がある

20代後半以降に発症・悪化しやすい

生理期間以外も違和感があることがある

「病気が隠れているかも」と聞くと不安に感じるかもしれませんが、これらは決して珍しいものではなく、多くの女性が経験するものです。

現在は低用量ピルや漢方薬など、ライフスタイルに合わせた治療の選択肢も増えています。 「生理痛はあって当たり前」と我慢する必要はありません。

原因を特定し、ご自身に合ったケアを行うことで、毎月のつらさをコントロールし、快適に過ごせるようになることが期待できます。

少しでも「おかしいな」「つらいな」と感じたら、まずは一度、婦人科で相談してみることをおすすめします。

目次

今すぐできる!生理痛ケアのヒント

「薬を飲むほどではないけれど、なんとなくつらい」という時や、日頃から体をいたわりたい時に取り入れられるセルフケアを紹介します。

お腹や腰を温める(温熱療法)

生理痛のケアとして手軽なのが「温める」ことです。

骨盤周りが冷えると、巡りが滞りやすくなるといわれています。カイロを下腹部や腰(仙骨のあたり)に貼ったり、腹巻を使用したりして、子宮周りを温めましょう。体が温まり、リラックスすることで痛みが和らぐことが期待できます。

ツボを刺激する

ツボを刺激して巡りを整える

巡りを整えるイメージで、ツボを優しく押すのも一つの方法です。

  • 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしの最も高いところから、指4本分上の骨の際にあるツボです。女性特有の悩みに良いとされています。
  • 気海(きかい):おへそから指2本分下がった場所にあるツボです。全身の巡りを整えるといわれています。

痛気持ちいい程度の強さで、息を吐きながらゆっくり押してみてください。

軽いストレッチを取り入れる

痛みが激しい時は無理をする必要はありませんが、動ける範囲で軽いストレッチを行うと、全身がほぐれ、骨盤周りの巡りもスムーズになりやすくなります。

ヨガの「猫のポーズ」など、お腹を締め付けず、リラックスできる動きがおすすめです。過度な運動は避け、心地よいと感じる範囲で行いましょう。

香りを活用してリラックスする

ストレスは自律神経に影響を与え、痛みの感じ方に関わることもあります。アロマテラピーなどを活用して心身をリラックスさせましょう。

カモミールやラベンダー、ゼラニウムなどの香りは、不安を和らげ、ゆったりとした気分にさせてくれるといわれています。

生理痛の時に意識したい食事・飲み物

体の内側からのケアも大切です。生理期間中は、体を温めるものや、女性の健康維持に役立つ栄養素を意識して摂りましょう。

体を温める飲み物

冷たい飲み物は体を冷やしてしまう可能性があります。

ノンカフェインのハーブティー(カモミールティーやジンジャーティー)や、ホットミルク、白湯などがおすすめです。特に生姜(ジンジャー)は、体をポカポカ温める食材として知られています。

積極的に摂りたい栄養素

積極的に摂りたい栄養素

  • ビタミンE:巡りをサポートする栄養素といわれています(アーモンド、アボカド、うなぎなど)。
  • マグネシウム:女性の体のバランスを整えるミネラルです(大豆製品、海藻類、ナッツ類など)。
  • ビタミンB6:ゆらぎがちな時期の健康維持に役立ちます(マグロ、カツオ、バナナなど)。

我慢できない生理痛には医療機関の受診を

セルフケアを行っても生活に支障が出る場合や、市販の鎮痛薬では対処しきれない場合は、我慢せずに産婦人科を受診しましょう。

治療法としては、主に以下の2つの選択肢が提案されることが多いです。

鎮痛剤(NSAIDs)

痛みの原因物質といわれるプロスタグランジンの生成に関わるとされています。

一般的に、痛みが強くなる前に服用することが大切だといわれています。「痛くなりそうだな」と感じた早めの段階で服用することで、痛みをコントロールしやすくなります。

低用量ピル(LEP製剤)

低用量ピルは、避妊だけでなく月経困難症(ひどい生理痛など)の治療薬としても広く使われています。

排卵を一時的に止めることで、子宮内膜が厚くなるのを抑えます。その結果、プロスタグランジンの産生が減少し、生理痛の緩和が期待できます。また、経血量が減ることで、貧血気味の方の負担軽減にもつながります。

よくある質問(FAQ)

Q. 生理痛がひどいですが、病気でしょうか?

生理痛がひどく、日常生活に支障をきたす状態は「月経困難症」と診断されることがあります。子宮内膜症などの病気が隠れている場合(器質性)と、体質によるもの(機能性)がありますが、いずれも適切な治療によって症状の緩和が目指せます。我慢せず医師に相談してください。

Q. ピルを飲むと生理痛は必ずなくなりますか?

効果には個人差がありますが、継続して服用することで生理痛が和らぐケースが多く報告されています。子宮内膜が薄くなるため、痛みの原因物質が減り、経血量も減少する傾向にあります。生理痛だけでなく、PMS(月経前症候群)などの悩みに対しても選択肢の一つとなります。

Q. 市販の痛み止めが効きません。どうすれば良いですか?

市販薬が効かないほどの痛みは、子宮内膜症などの疾患が背景にある可能性も考えられます。用量を自己判断で増やして無理に飲むことは避け、早めに婦人科を受診してください。医師の処方による鎮痛薬や、ピルなど別の治療法を検討することをおすすめします。

生理痛がつらい時はマイピルへ相談を

「婦人科に行く時間がない」「内診に抵抗がある」という方は、オンライン診療を活用するのも一つの方法です。

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毎月の痛みを一人で抱え込む必要はありません。快適な毎日を目指して、まずは一度医師にご相談ください。

まとめ

生理痛は、プロスタグランジンという物質による子宮の収縮などが主な原因と考えられています。体を温めたり、ストレッチをしたりすることでリラックスできる場合もありますが、痛みがつらい場合は無理をしないことが大切です。

鎮痛薬や低用量ピルを適切に使用することで、症状のコントロールに役立ちます。

「たかが生理痛」と思わず、自分の体を大切にするためにも、専門家による適切なケアを検討してみてください。

参考文献

  1. 公益社団法人 日本産科婦人科学会. 低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)
  2. 公益社団法人 日本産科婦人科学会. 月経困難症(dysmenorrhea)
  3. 厚生労働省研究班(ヘルスケアラボ). 月経困難症
  4. PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構). 月経困難症治療剤ヤーズ配合錠
  5. 厚生労働省. 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく緊急避妊に係る取組について

産婦人科専門医 原野尚美

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

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