低用量ピルと乳がんリスクの関係とは?

監修者:産婦人科医 原野 尚美

最終更新日

低用量ピルと乳がんリスクの関係とは?

「ピルを飲むと乳がんになりやすいと聞いて、怖くなってしまった」。そんなお気持ちで検索された方に、まずお伝えしたいことがあります。不安になるのは、ご自身の体を大切に思っているからこそです。この記事では、専門学会が公表している内容をもとに、低用量ピルと乳がんリスクの関係を落ち着いて整理します。そのうえで、不安を小さくするために今日からできることまでお伝えします。数字に振り回されず、ご自身で判断できる状態を目指しましょう。

低用量ピルと乳がんリスクの関係はどこまでわかっているのか

専門学会のガイドラインが示している内容

低用量ピルと乳がんリスクの関係を知ろう

日本乳癌学会が公開している患者さん向けの診療ガイドラインでは、経口避妊薬と乳がんの関係について次のように記載されています。「経口避妊薬(ピル)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬の使用により、乳がん発症リスクはわずかながら高くなる可能性があります」。そして続けて、「使用することによる利益とのバランスを考え併せて、使用するかどうかを決める必要があります」と説明されています。

つまり、関連がまったくないとされているわけではありませんが、「必ず乳がんになる」という説明でもありません。表現として選ばれているのは「わずかながら」「可能性があります」という慎重な言葉です。ここを読み飛ばしてしまうと、実態より大きな不安を抱えることになります。

「わずかながら」をどう受け止めればよいか

医療の世界では、リスクの大きさと、その人にとっての利益を並べて考えます。たとえば毎月の激しい痛みで学校や仕事を休んでいる方にとって、症状が改善することの意味は非常に大きいものです。反対に、心配が強くて眠れないほどであれば、その気持ちも尊重されるべき判断材料です。どちらが正解と決まっているわけではありません。だからこそガイドラインも「バランスを考え併せて」決めるという書き方をしているのです。

目次

日本の乳がんの状況を数字で確かめる

不安の正体を知るために、まず全体像を見てみましょう。国立がん研究センターのがん統計では、2023年の乳房の罹患について次のように報告されています。

項目数値対象
年間罹患数102,592例女性・2023年
罹患率(人口10万対)160.7女性・2023年
5年相対生存率89.7%女性・2018年診断例

乳がんは女性に多いがんですが、5年相対生存率は89.7%と報告されています。早く見つけて治療につなげることの意義が、この数字にあらわれています。怖さを感じたときは、この「早く見つかれば」という部分に目を向けていただきたいと思います。

スマホで完結、即発送
目的に応じたピル処方

乳がんのリスクを高める要因はピル以外にもあります

乳がんの発症には、複数の要因が関わっています。国立がん研究センターのがん情報サービスでは、「飲酒、閉経後の肥満、運動不足といった生活習慣や、糖尿病の既往なども乳がんを発生するリスクを高める」と説明されています。

加えて、生殖に関わる要因についても記載があります。具体的には、初経年齢が低い、閉経年齢が高い、出産経験がない、初産年齢が高い、授乳経験がないといった要因が挙げられています。また第一親等に乳がんになった血縁者がいる場合にもリスクが高まるとされ、BRCA1遺伝子やBRCA2遺伝子の変異が関連するとされています。

ここで大切なのは、ピルだけが特別な原因として扱われているわけではないということです。ご自身のリスクを考えるときは、生活習慣や家族歴も含めて全体で見るほうが実際に近づきます。そして飲酒や運動といった生活習慣は、ご自身で選べる部分でもあります。

それでも低用量ピルを選ぶ意味

低用量ピルには、避妊のほかに月経に伴う症状をやわらげる働きがあります。日本産婦人科医会の解説では、月経困難症は「生殖年齢の女性の25%以上に認められ、若年女性ほどその頻度は高い」とされ、25歳未満では40%以上に認められると報告されています。治療については、鎮痛剤が第一選択とされつつ、「鎮痛剤に抵抗性の場合や、子宮内膜症を疑う場合」にはLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)を投与する方針が示されています。

痛みで予定を諦める日が減ること、貧血や気分の落ち込みが軽くなること。これらは日々の生活に直接関わる利益です。ガイドラインが述べる「利益とのバランス」とは、この現実の暮らしを含めて考えるという意味でもあります。

判断に迷ったときは、飲まない場合に何が起きているかを書き出してみるのも一案です。月経のたびに何日つらいのか、鎮痛剤を何錠使っているのか、仕事や学業をどれだけ休んでいるのか。数字にすると、ご自身が抱えている負担の大きさが見えてきます。そのメモは、診察で医師に伝える材料としても役立ちます。

不安を小さくするためにできる3つのこと

年齢に応じた検診を受ける

ピルを飲んでいるかどうかにかかわらず、検診は大切な機会です。厚生労働省の指針では、乳がん検診は40歳以上の女性を対象に「原則として同一人について2年に1回行う」こととされ、検査項目は「問診及び乳房エックス線検査(マンモグラフィをいう。)とする」と示されています。国立がん研究センターも「40歳以上の女性は2年に1回、乳がん検診を受けましょう」と呼びかけています。

あわせて、子宮頸がん検診についても同指針で20歳以上の女性を対象に2年に1回行うこととされています。婦人科の受診が続いている方は、この機会に検診の予定も確認してみてください。

ブレスト・アウェアネスを習慣にする

ブレスト・アウェアネスとは、日ごろから自分の乳房の状態を意識する生活習慣のことです。入浴時などに触れて、いつもと違う変化に気づけるようにしておくことが目的です。しこりやくぼみ、乳頭からの分泌物などの変化に気づいたら、検診の時期を待たずに医療機関を受診してください。毎日きちんと調べる必要はありません。「なんとなく知っている」状態を保つだけで十分です。

気になることは診察でそのまま伝える

不安を抱えたまま飲み続けなくてよいのです。血縁者に乳がんの方がいる、しこりが気になる、検診で指摘を受けたことがある。こうした情報は、処方の判断に関わる大切な材料です。乳がんと診断されたことがある方や治療中の方は、服用の可否が変わりますので、必ず医師にお伝えください。うまく説明できなくても構いません。医師が順番に確認していきます。

低用量ピルを続けるうえで知っておきたい副作用

飲み始めの時期は、吐き気や頭痛、不正出血などが起こることがあります。多くは体が慣れるにつれて落ち着いていきますが、つらさが続くときは我慢せずご相談ください。またまれに血栓症が起こることが知られています。ふくらはぎの痛みや腫れ、急な息切れ、激しい頭痛、視力の異常などがあらわれた場合は、服用を中止して速やかに医療機関を受診してください。

マイピルでのご相談について

マイピル(マイピルオンライン)は、提携医療機関の医師と患者をつなぐオンライン診療支援サービスです。診療は提携クリニック(六本木ウィメンズヘルスクリニック等)の産婦人科専門医などが行います。ご利用は女性の方に限ります。

現在の診療方法は電話診療のみです。対面診療やビデオ通話での診療は行っておりません。ご予約時間になりましたら、医師の携帯電話または050から始まる番号よりお電話します。ご予約枠は30分単位のため、たとえば15時00分のご予約であれば15時00分から15時30分の間にお電話します。周囲の音が気にならない静かな空間でお待ちください。お電話に出られない場合は自動キャンセルとなります。

低用量ピルは高校生(15歳)以上45歳未満が対象で、15歳で高校生の方は学生証のご提示が必須です。なお、マンモグラフィなどの検診はオンラインでは実施できませんので、お住まいの自治体や医療機関でお受けください。

低用量ピルと乳がんについてよくあるご質問

Q. ピルを飲むと必ず乳がんになりますか

いいえ、そのような説明はされていません。日本乳癌学会のガイドラインでは「わずかながら高くなる可能性があります」と記載され、利益とのバランスを考えて判断する必要があるとされています。

Q. 何年以上飲むと危険なのですか

服用期間ごとの明確な線引きが示されているわけではありません。ご自身の家族歴や生活習慣を含めて、医師と一緒に判断していただくのが確実です。

Q. 家族に乳がんの人がいる場合は飲めませんか

血縁者の病歴は判断材料のひとつですが、それだけで一律に決まるものではありません。診察の際に必ずお伝えください。

Q. 検診はオンラインで受けられますか

マンモグラフィなどの検査はオンラインでは実施できません。お住まいの自治体の検診や医療機関をご利用ください。

Q. 不安で眠れない日が続いています

マイピルでは睡眠のお悩みに向けたオンラインサービスも開始しており、こちらは男女問わずご利用いただけます。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は「おおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられ、1日の睡眠時間が少なくとも6時間以上確保できるように努めることが推奨されます」と示されています。不安と睡眠不足は互いに影響し合いますので、抱え込まずご相談ください。

まとめ

低用量ピルと乳がんについて、日本乳癌学会のガイドラインは「わずかながら高くなる可能性がある」と述べ、利益とのバランスで判断することを勧めています。乳がんのリスクには飲酒や閉経後の肥満、運動不足、家族歴など複数の要因が関わり、ピルだけが原因として扱われているわけではありません。今日からできることは、年齢に応じた検診を受けること、乳房の状態を意識する習慣を持つこと、そして気になることを医師に伝えることです。マイピルは電話診療のみでご相談を受け付けています。個別のご案内が必要な場合は、お問い合わせフォームからご連絡ください。

スマホで完結、即発送
目的に応じたピル処方

参考文献

1.63-2 経口避妊薬(ピル)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬は乳がん発症リスクと関連がありますか。/日本乳癌学会

2.乳房(がん統計)/国立がん研究センターがん情報サービス

3.乳がん 予防・検診/国立がん研究センターがん情報サービス

4.がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針/厚生労働省

5.5.月経困難症/日本産婦人科医会

産婦人科専門医 原野尚美

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

いかがでしたでしょうか? マイピルでは産婦人科の医師が、 ピルに関するどんな小さな疑問や不安でも、 直接お電話でお答えいたします。

ピルの処方をお考えの方へ

マイピルのオンライン診療では、
自宅や外出先でも医師からの診療を受けられます。
クリニックに行く時間が無い方も、是非活用してみましょう。

スマホで完結し、即発送
目的に応じたピル処方

低用量ピル・アフターピル・生理移動ピル
スマホを操作する女性

マイピルは必ず、産婦人科の医師が診療と処方を担当しますので、
安心してご相談いただけます。
是非、オンライン診療をご予約ください。

今すぐアプリで診療予約

アプリ限定のオトク情報も!

AppStoreからダウンロード
GooglePlayで手に入れよう

診療の空き状況が確認出来る
カレンダーはこちら

診療予約カレンダー

よくある質問・お問い合わせ窓口

よく頂くお問い合わせ内容をQ&Aでお答えしております。
Q&Aをよくご確認頂き、
不明点など御座いましたら
お問い合わせフォームより御連絡ください。