低用量ピルと血栓症のリスクを医師が解説

監修者:産婦人科医 原野 尚美

最終更新日

低用量ピルと血栓症のリスクを医師が解説

低用量ピルと血栓症のリスクを医師が解説

生理痛の緩和や避妊のためにピルを検討しているとき、一番不安になるのが「血栓症」という言葉ではないでしょうか。

この記事では、ピルの活用を検討している方、既にピルを服用している方が安心してピルと付き合えるよう、血栓症のメカニズムと対処法について、専門的な視点から分かりやすく解説します。

血栓症とは?

ピルを飲む上で知っておきたい血栓症は、体にとってとても大切なサインの一つです。

血管の中に血の塊ができる状態

血栓症とは、血管の中に血の塊(血栓)ができてしまい、それが血管に詰まって血液の流れを止めてしまう病気です(出典:ヤーズ配合錠による血栓症について(厚労省))。
本来、血液は固まることで怪我などの出血を止めますが、必要のないところで固まってしまうと、酸素や栄養が届かなくなり、体にダメージを与えてしまいます。

目次

ピル服用による血栓症の発症確率

ピルを飲むとリスクが上がると言われますが、実際にはどの程度の確率なのでしょうか。

比較表で見るリスクの違い

血栓症はピルを飲んでいない人でも起こる可能性があり、実は妊娠中や出産後の方がリスクは高いことが分かっています。(出典:低用量ピルガイドライン案(日本産科婦人科学会))。

状態1万人あたりの年間発症者数
ピルを飲んでいない女性約1〜5人
低用量ピルを服用中の女性約3〜9人
妊婦さん約5〜20人
出産後12週間以内の女性約40〜65人
血栓症リスク比較

このように、ピルによるリスク増加はごくわずかであり、正しく服用すれば過度に怖がる必要はありません(出典:経口避妊薬(PubMed Central))。

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注意すべき初期症状「ACHES」

万が一血栓症が起きた場合に備えて、体が出すサインを覚えておくことが大切です。

体が出す5つのサイン

以下の症状は、それぞれの頭文字をとって「ACHES(エイクス)」と呼ばれています。これらが急に現れた場合は、すぐに服用を止めて病院へ行きましょう。

A(Abdominal pain):激しい腹痛
C(Chest pain):激しい胸痛、息切れ、押しつぶされるような痛み
H(Headache):激しい頭痛、失神
E(Eye problems):めまい、視野が狭くなる、
S(Severe leg pain):ふくらはぎの激しい痛み、腫れ、赤み

血栓症の初期症状

リスクが高まる人の特徴(禁忌・慎重投与)

ピルを安全に使うためには、自分が「血栓症を起こしやすい条件」に当てはまっていないかを確認することが重要です。

服用前に確認すべきチェックリスト

以下に当てはまる方は、血栓症のリスクが通常より高くなるため、医師としっかり相談する必要があります(出典:米国医学的適格基準2024(CDC))。

  • 35歳以上で1日15本以上のタバコを吸う方
  • BMIが30以上の肥満体型の方
  • 血圧が高い方、または前兆のある片頭痛がある方
  • 家族に血栓症にかかったことがある人がいる方
  • 長時間座りっぱなしなど、足を動かさない生活が多い方

血栓症を予防するためにできること

リスクを最小限に抑えるために、日常生活で簡単にできる工夫がいくつかあります。

日常で意識する3つの習慣

日頃から血液の流れをスムーズに保つ習慣を身につけましょう。

1. こまめな水分補給
血液がドロドロになるのを防ぐため、お水や麦茶などで水分をしっかり摂りましょう。

2. 同じ姿勢を避け、足を動かす
デスクワークや長距離の移動中は、1時間に一度は立ち上がったり、足首を回したりして血流を促してください。

3. 禁煙を心がける
タバコは血管を収縮させ、血栓症のリスクを大幅に高めるため、ピルを飲むなら禁煙が強く推奨されます(出典:ヤーズ配合錠による血栓症について(厚労省))。

「もしも」の時の対処法

もし血栓症を疑う「ACHES」のような症状が出たり、体に違和感を感じたりしたときの行動フローです。
いざというときに落ち着いて行動できるよう、今のうちに確認しておきましょう。

すぐに病院へ行くための流れ

異常を感じたときは、決して自己判断で様子を見ず、医療機関を受診するようにして下さい。

  1. ピルの服用をすぐに中止する。
  2. 処方してもらったクリニック、または救急外来を受診する。
  3. 受診時に必ず「低用量ピルを飲んでいること」を伝える。

早めに対応することで、大きなトラブルを防ぐことができます(出典:ヤーズ配合錠による血栓症について(厚労省))。

まとめ

正しく服用すれば、怖がる必要なし

ピルと血栓症について解説しましたが、正しく理解すれば過度に怖がる必要はありません。ピルは生理痛やニキビの改善など、私たちの生活を快適にしてくれる大事なパートナーです。

マイピルでは、オンライン診療で不安なことや気になることを医師に相談できる環境を整えています。
信頼できる医師に相談し不安を解消しながら、自分の体と上手に付き合っていきましょう。

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参考文献

  1. ヤーズ配合錠による血栓症について(厚労省)
  2. 低用量ピルガイドライン案(日本産科婦人科学会)
  3. ヤーズ配合錠 添付文書(PMDA)
  4. 米国医学的適格基準2024(CDC)
  5. 経口避妊薬(PubMed Central)
産婦人科専門医 原野尚美

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

いかがでしたでしょうか? マイピルでは産婦人科の医師が、 ピルに関するどんな小さな疑問や不安でも、 直接お電話でお答えいたします。

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