花粉症を和らげる?乳酸菌の賢い取り入れ方

監修者:産婦人科医 原野 尚美

最終更新日

花粉症を和らげる?乳酸菌の賢い取り入れ方

花粉症の季節がやってくると、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど、さまざまな不快な症状に悩まされる方が多いのではないでしょうか。メイクが崩れてしまったり、夜ぐっすり眠れなくて日中もイライラしてしまったりと、日常生活に大きな影響を与えてしまいますよね。

「できれば薬ばかりに頼りたくない」

「現在ピルを服用しているけれど、他の薬やサプリメントを併用しても問題ないのかな?」

そんなふうに、一人で不安や悩みを抱え込んでいませんか。

もし毎日の生活の中で、少しでもそのつらさを和らげたいとお考えなら、「乳酸菌」を日々の食事に取り入れてみるのも、おすすめの選択肢の一つです。実は、腸内環境を整えることが、花粉によるつらい症状を和らげることにつながる可能性があると、近年多くの注目を集めています。

本記事では、乳酸菌がなぜ花粉症対策に良いと言われているのか、そのメカニズムをわかりやすく解説します。また、ピルを服用中の方でも安心して続けられるコツや注意点について、一緒に詳しく確認していきましょう。

花粉症と乳酸菌の意外な関係

花粉症と乳酸菌の意外な関係

花粉症が起こるメカニズムと免疫反応

私たちの体には、ウイルスや細菌などの異物から身を守るための「免疫」という防御システムが備わっています。花粉症は、本来であれば体に害のないスギやヒノキなどの花粉を、免疫システムが「危険な異物」と勘違いしてしまうことで起こります。

花粉が体内に入ると、それを排除しようとして「IgE抗体」という物質が作られます。この抗体が一定量を超えると、ヒスタミンなどの化学物質が放出され、それが鼻の粘膜や目の神経を刺激して、くしゃみ、鼻水、かゆみといった過剰なアレルギー反応を引き起こしてしまうのです。

腸内環境(腸内フローラ)がカギを握る理由

では、なぜ花粉症対策に乳酸菌が注目されているのでしょうか。実は、人間の体内に存在する免疫細胞の約60%から70%は「腸」に集中していると言われています

腸内にはたくさんの細菌が棲みついており、その集まりを「腸内フローラ」と呼びます。乳酸菌などの善玉菌を積極的に摂り入れて腸内フローラのバランスを良好に保つことで、腸に集まっている免疫細胞が正しく働くようサポートしてくれます。その結果、花粉に対する免疫の過剰な暴走が落ち着きやすくなると考えられているのです。

花粉症のストレスと女性の不調への影響

花粉症によるつらい症状や、鼻づまりによる睡眠不足は、心と体に想像以上の大きなストレスをかけてしまいます。女性の場合、強いストレスが引き金となってホルモンバランスが乱れ、生理前のイライラや気分の落ち込み、体のだるさといったPMS(月経前症候群)の症状がさらに重く感じられてしまうことも少なくありません。

心と体の負担を少しでも減らすためには、花粉の時期こそ、日頃からの優しいセルフケアがとても大切になります。もし、毎月のPMSの症状があまりにもつらく、日常生活に支障をきたしている場合は、決して我慢せずに、低用量ピルを活用してホルモンバランスをコントロールするのも有効な方法です。ご自身に合った無理のないケアを見つけていきましょうね。

目次

乳酸菌で花粉症対策をするメリット

乳酸菌を取り入れることには、お薬とは違った体に優しいメリットがたくさんあります。

薬に頼りすぎないナチュラルなアプローチ

花粉症の処方薬や市販薬は即効性があり、症状を素早く抑えてくれる心強い味方です。しかし、中には「薬を飲むと日中眠くなってしまって仕事や勉強に集中できない」「口が乾きやすくなるのが不快」といった副作用に悩まされる方もいらっしゃいます。

一方で乳酸菌は食品であるため、そうした強い副作用の心配が少なく、体に優しいナチュラルなアプローチができるのが大きな魅力です。もちろん、症状がひどい時はお薬の力に頼ることも大切ですが、ベースとなる体質づくりとして乳酸菌を取り入れることで、薬の使用量を減らせる可能性もあります。

全身の健康や美容にも嬉しい効果

腸内環境が整うことで得られるメリットは、アレルギー反応の緩和だけではありません。腸は栄養を吸収する大切な器官ですので、腸の働きが良くなることで、お肌のターンオーバーが正常に保たれやすくなり、肌荒れや乾燥の予防といった美容面での嬉しい効果も期待できます。

また、便秘の解消にもつながるため、ポッコリお腹の改善や、老廃物がスムーズに排出されることによるスッキリ感など、女性にとって嬉しい変化がたくさん実感できるはずです。

日常生活でできる乳酸菌の取り入れ方と選び方

日常生活でできる乳酸菌の取り入れ方と選び方

乳酸菌にはさまざまな種類があり、普段の食事から手軽に取り入れることができます。

植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の違い

乳酸菌は、大きく分けて「植物性乳酸菌」と「動物性乳酸菌」の2つに分類されます。

動物性乳酸菌は、ヨーグルトやチーズなどの乳製品に含まれています。まろやかな風味で手軽に食べられるのが特徴ですが、胃酸にやや弱く、腸に届く前に死滅してしまうこともあります。

一方、植物性乳酸菌は、キムチ、納豆、味噌、すぐき漬けなどの発酵食品に含まれています。こちらは塩分や酸度の高い過酷な環境でも生き抜く力があり、生きたまま腸に届きやすいと言われています。

どちらが良いというわけではなく、さまざまな食品からバランスよく乳酸菌を取り入れることが腸内環境を豊かにするポイントです。

おすすめの食品と食べ合わせ

乳酸菌を効率よく摂るための食品と、その特徴を表にまとめました。毎日の献立の参考にしてみてください。

食品名乳酸菌の種類と特徴おすすめの食べ方・コツ
ヨーグルト動物性。デザート感覚で毎日続けやすく、特定の機能を持つ菌株が配合された商品も豊富です。善玉菌のエサになるオリゴ糖を含むハチミツや、食物繊維が豊富なバナナをトッピングするのがおすすめです。
納豆植物性。納豆菌が乳酸菌を増やす働きを助けてくれる相乗効果が期待できます。熱に弱いため、熱々のご飯にのせるよりは、少し冷ましたご飯にのせるか、そのまま食べるのがおすすめです。
キムチ植物性。過酷な環境でも生き抜く強い乳酸菌が豊富で、生きたまま腸に届きやすいです。加熱すると菌が死んでしまうため、豚キムチなどの炒め物にするより、生のまま食べるのが理想的です。
味噌植物性。日本の伝統的な発酵食品で、毎日の食事に自然に取り入れやすいです。お味噌汁を作る時は、火を止めてから味噌を溶き入れることで、乳酸菌の働きを守ることができます。

乳酸菌の効果を高める3ステップガイド

乳酸菌の効果を高める3ステップガイド

花粉症対策として、毎日の生活に無理なく効果的に乳酸菌を取り入れるための、簡単な3つのステップをご紹介します。

ステップ1:花粉シーズンの1ヶ月から2ヶ月前から開始

乳酸菌は、お薬のように飲んで数十分ですぐに症状が治まるというものではありません。腸内環境が少しずつ変化し、それが定着するまでにはある程度の時間がかかります。

そのため、花粉が本格的に飛び始めるシーズンの1ヶ月から2ヶ月くらい前から、毎日コツコツと少しずつ摂り始めるのがもっともおすすめのタイミングです。早めに準備を始めることで、春のつらい時期を少しでも穏やかに過ごすための土台作りができます。

ステップ2:自分に合う菌を2週間試す

実は、乳酸菌には星の数ほどの種類があり、人の腸内環境も千差万別です。そのため「ある人にはとても効果があったヨーグルトが、別の人にはあまりピンとこなかった」ということがよく起こります。

まずは、同じヨーグルトやサプリメントを毎日、約2週間続けてみてください。その間、お通じの調子が良くなったか、お腹の張りが減ったかなど、ご自身の体調の変化をじっくり観察してみましょう。もしお腹の調子が良くなっていれば、その乳酸菌はあなたの腸に合っているサインです。逆に何も変化を感じなかったり、お腹がゆるくなったりした場合は、別の種類の乳酸菌を試してみてください。

ステップ3:エサとなる食物繊維やオリゴ糖と一緒に摂る

乳酸菌をただ腸に届けるだけでなく、腸内でしっかり元気に働かせて増やすためには、菌の「エサ」となる成分を一緒に摂るのが一番のコツです。

乳酸菌のエサとなる代表的なものが「水溶性食物繊維」と「オリゴ糖」です。これらを一緒に摂ることを「シンバイオティクス」と呼び、腸活の効果をさらに高めてくれます。

例えば、ヨーグルトにオリゴ糖シロップをかけたり、食物繊維が豊富なきな粉やリンゴ、バナナを混ぜて食べるだけで、手軽にパワーアップさせることができます。美味しく楽しくアレンジを見つけてみてくださいね。

ピル服用中の花粉症対策と乳酸菌の飲み合わせについて

現在低用量ピルを服用されている方にとって、「他のケアを取り入れてピルの効果が落ちてしまわないか」というのは、とても心配なポイントですよね。

ピルと乳酸菌の併用は基本的に問題ありません

結論から言うと、乳酸菌は食品扱いとなりますので、ヨーグルトやサプリメントから乳酸菌を摂取しても、ピルの避妊効果やPMS改善効果に悪い影響を与えることは基本的にはありません。むしろ、腸内環境が整うことで体全体のコンディションが上向きになるため、安心して毎日の習慣に取り入れていただいて大丈夫です。

花粉症の処方薬や市販薬との飲み合わせには注意

乳酸菌は問題ありませんが、注意が必要なのは「花粉症のお薬」との飲み合わせです。花粉症の症状を抑えるための抗ヒスタミン薬やステロイド薬など、一部の医薬品やサプリメント(例えば、セイヨウオトギリソウを含むものなど)は、ピルと一緒に飲むことで相互作用を引き起こす可能性があります。ピルの効果が弱まってしまったり、逆にお薬の副作用が強く出てしまったりするケースがあるのです。

血栓症のリスクを正しく理解し、医師に相談を

また、低用量ピルには極めてわずかですが、血管の中で血の塊ができてしまう「血栓症」という副作用のリスクが存在します。万が一、花粉症の症状がとてもひどく、病院を受診してお薬を処方してもらう際には、必ず「現在、低用量ピルを服用している」ということを医師や薬剤師に伝えてください。

自己判断で市販薬を併用することは避け、専門家のアドバイスに従って安全な花粉症対策を行うことが、ご自身の体を守るために一番大切です。

花粉症と乳酸菌に関するよくある質問

乳酸菌の摂り方や、花粉症対策についてのよくある疑問にお答えします。

Q. 乳酸菌はいつ飲むのが一番効果的ですか?

乳酸菌を摂る時間に絶対の決まりはありません。しかし、乳酸菌は胃酸に弱い性質があるため、空腹時よりも胃酸が食べ物で薄まっている「食後」に摂るのが、生きたまま腸に届きやすくおすすめです。

また、腸の働きは夜眠っている間に最も活発になるため、夕食後に食べるのも良いとされています。何よりも大切なのは「毎日続けること」ですので、ご自身が一番忘れずに続けやすいタイミングを見つけてみてくださいね。

Q. 妊娠中でも乳酸菌を積極的に摂って大丈夫ですか?

はい、大丈夫です。妊娠中はホルモンバランスの変化などでどうしても便秘になりやすいため、乳酸菌を取り入れて腸内環境を整えることは、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても良いことです。

ただし、サプリメントから摂取する場合は、商品によっては妊娠中に避けた方が良いハーブや成分が含まれている可能性があります。念のため、事前にかかりつけの産婦人科の先生に相談しておくとより安心です。

Q. ヨーグルトを食べすぎると太りませんか?

ヨーグルトは体に良い食品ですが、脂質や糖分も含まれています。花粉症対策としてたくさん食べすぎると、カロリーオーバーになってしまう可能性があります。特に甘みの強いフルーツ入りヨーグルトなどは糖分が高い傾向があります。

ダイエットが気になる方は、無糖のプレーンヨーグルトを選び、カロリーの低いオリゴ糖で自然な甘みをつけるのがおすすめです。1日の適量(約100gから200g程度)を守って、美味しく続けていきましょう。

Q. 忙しくて病院に行けない時はどうすればいいですか?

花粉症のピーク時期は耳鼻科や内科が大変混雑し、待ち時間も長くなりがちです。お仕事や家事で忙しく、どうしても病院に行く時間が作れない時は、スマートフォンやパソコンから受診できる「オンライン診療」という便利な選択肢があります。

オンライン診療なら、ご自宅や職場のスキマ時間を利用して医師に相談でき、お薬も自宅まで配送してもらうことが可能です。

まとめ

花粉症の季節は、くしゃみや鼻水といった直接的な症状だけでなく、睡眠不足やストレスから、心も体も本当に疲れやすくなってしまいます。ひとりでつらさを抱え込まず、できることから少しずつ、ご自身の体を労わるケアを始めてみませんか。

まずは乳酸菌の力を借りて、毎日の食事から腸を元気に育てていくのがおすすめです。それと同時に、毎月の低用量ピルの処方や継続、どうしてもつらいPMSの悩み、そして花粉症に関するご相談などがあれば、スキマ時間にいつでも受診できる「マイピルオンライン」をぜひ頼ってくださいね。

マイピルオンラインでは、提携クリニックの医師がしっかりと問診を行い、お一人おひとりの症状や体質に合ったアドバイスとお薬の処方を行っています。(※医師の診察結果や健康状態によっては、お薬が処方されない場合もございます。また、マイピル利用規約に則り、適切な医療サービスをご提供いたします。)

つらい時期も、あなたらしく笑顔で過ごせるよう、私たちも精一杯サポートさせていただきます。いつでもお気軽にご相談ください。

参考文献

  1. 月経前症候群(PMS)(公益社団法人 日本産科婦人科学会)
  2. 低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン(案)(公益社団法人 日本産科婦人科学会)
  3. 月経困難症治療剤ヤーズ配合錠による血栓症について(厚生労働省)
  4. オンライン診療の適切な実施に関する指針(厚生労働省)
  5. 的確な花粉症の治療のために(第2版)(厚生労働省)
産婦人科専門医 原野尚美

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

いかがでしたでしょうか? マイピルでは産婦人科の医師が、 ピルに関するどんな小さな疑問や不安でも、 直接お電話でお答えいたします。

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