ピル服用中の夜更かしはNG?睡眠リズムと避妊効果

監修者:産婦人科医 原野 尚美

最終更新日

ピル服用中の夜更かし

「ついつい深夜まで動画を見続けてしまった」
「仕事が長引いて、気づけば明け方…」
早く寝ないととは思っているけど、夜更かしから抜け出せない方はいませんか?

「生理痛も重いし、避妊も気になるからピルを始めてみたい。」
「こんなに生活リズムが崩れている私が飲んでも、ちゃんと効果が出る…?」

毎日決まった時間に飲むことが大切だと言われるピルだからこそ、不規則な生活をしていると、自分には向いていないんじゃないかと不安になってしまいますよね。

実は、ライフスタイルが多様化する現代において、不規則な生活リズムでもピルを始めている方はとても多いんです。

今回は、意外と知られていない「ピルと睡眠リズムの関係」について、医学的な視点を交えながら、わかりやすく解説していきます。

睡眠不足だとピルの「避妊効果」は下がる?

まず一番気になるのが、
「寝不足や不規則な生活のせいで、せっかくピルを飲んでも避妊効果がなくなってしまうのではないか?」
という点ではないでしょうか。

結論から言うと、単に「寝不足であること」や「夜更かしをしたこと」自体が、直接的にピルの避妊効果を下げるという医学的な根拠はありません。

ピルは、毎日服用することで血液中のホルモン濃度を一定に保ち、排卵を抑制することで避妊効果を発揮するお薬です。
睡眠時間が短いからといって、薬の成分が体から勝手に消えてしまうわけではないので、そこは安心してください。

大切なのは「睡眠時間」よりも「服用するタイミング」

これからピルを始めるにあたって、効果を最大限に発揮するために最も重要なのは、
「飲み忘れを防ぐこと」「毎日同じ時間に服用すること」です。

WHOやCDC(米国疾病予防管理センター)のデータによると、飲み忘れなく完璧に使用できた場合の避妊失敗率は0.3%ですが、飲み忘れを含めた一般的な使用では9%まで上がるとされています。

「9%」と聞くと不安になるかもしれませんが、これは1回飲み忘れただけで急に確率が跳ね上がるわけではありません。
具体的には「2日以上(48時間以上)連続して飲み忘れる」と、卵巣が活動を再開してしまい、排卵してしまうリスクが急激に高まります。

また、休薬期間明けの「新しいシートの飲み始めが遅れる」ことも、避妊失敗の大きな原因の一つです。

つまり、失敗率が上がる原因の多くは、睡眠不足そのものではなく、不規則な生活によって「丸2日以上薬を放置してしまった」
「忙しくて新しいシートを買い忘れてスタートが遅れた」
といったケースなのです。

逆に言えば、「夜更かしで昼過ぎまで寝てしまっても、起きたらすぐに飲む(24時間以内に気づく)」ことさえできれば、夜型生活の方でも99.7%という高い避妊効果を維持することができます。

飲み忘れによる避妊失敗率
目次

夜更かししがちな方が気をつけるべきこと

「避妊効果には影響しないなら安心!」
と思われた方もいるかもしれませんが、夜更かしをする習慣がある方が、ピルを始める際に少しだけ注意してほしいことがあります。 それは「血栓症」のリスクです。

ピルを服用すると、わずかですが血液が固まりやすくなるリスクがあることが知られています。

厚生労働省の「月経困難症治療剤ヤーズ配合錠による血栓症について」という資料でも注意喚起されていますが、特に注意したいのが「飲み始めの時期」です。
統計的に、ピル服用開始から3か月以内は血栓症が起こりやすい傾向にあることが分かっています。

「座りっぱなし」と「水分不足」に注意

夜更かしをする時、長時間スマホを見たり、デスクワークをしたりして、体を動かさずに座り続けていませんか?
また、夢中になって水分補給を忘れていませんか?

夜更かしそのものが悪いというよりも、「深夜に長時間同じ姿勢で過ごし、脱水気味になること」が、血栓症のリスクを高める要因になり得ます。

これからピルを服用する際は、以下の2点を意識してみてください。

  • 1時間に1回は立ち上がってストレッチをする
  • コップ1杯の水をこまめに飲む

これはピルを飲んでいなくても健康のために大切なことですが、ピルを服用するなら、自分の体を守るためにより一層意識しておきたいポイントです。

実は「不規則な生活」の人こそ、ピルがおすすめな理由

ここまでリスクや注意点をお伝えしましたが、実は生活リズムが不規則な女性こそ、ピルを始めるメリットが大きいとも言えます。

ホルモンバランスを整えてくれる

「寝不足だとホルモンバランスが崩れる」とよく聞きますよね。

自然な月経周期において、睡眠不足やストレスは脳に影響を与え、生理不順や体調不良を引き起こすことがあります。

しかし、ピルを服用すると、体内のホルモンバランスは一定に保たれるようになります。
つまり、自力でホルモンを出す時よりも、ピルを服用したときの方がホルモンの波が安定しやすくなるのです。

不規則な生活で乱れがちなホルモンバランスを、ピルがサポートしてくれると考えてみてください。

生理がいつ来るか予測できる

「旅行やイベントの日に限って生理が重なってしまった…」
「そろそろ来るはずだけど、いつ来るかわからなくて予定が立てづらい」

そんな経験はありませんか?

生活リズムが不規則だと、生理周期も乱れがちになり、「次はいつ来るんだろう?」と不安になることもありますよね。

ピルを服用すると、お薬のサイクルに合わせて「28日周期」で規則正しく生理が来るようになります。
「何月何日に生理が来る」と正確に予測できるだけで、スケジュール管理がぐっと楽になります。

さらに、ピルには生理日を意図的にずらせるというメリットもあります。
通常、シートの最後にある「休薬期間(お薬を飲まない、または偽薬を飲む期間)」に生理が来ますが、大事な予定がある場合は、この休薬期間を遅らせたり早めたりすることで、生理のタイミングをコントロールできるのです。

「この日は絶対に外せない!」という旅行やデートと重ならないようにしたり、週末に生理が当たらないように調整したり。
自分の体調をスケジュールに合わせて管理できるのは、ピルユーザーならではの大きな特権です。

PMS(月経前症候群)の改善

睡眠不足や生活リズムの乱れは、PMSの症状を悪化させる要因の一つです。

公益社団法人 日本産科婦人科学会の「月経前症候群(PMS)」に関する解説でも、治療法としてピルなどが有効であるとされています。

ピルによってホルモンの波を穏やかにすることで、生理前のイライラや落ち込みを和らげ、不規則な生活の中でも精神的な安定を得やすくなります。

昼夜逆転生活でもピルを続けるコツ

「メリットはわかったけど、毎日続けられるか自信がない…」 そんな方のために、不規則な生活でもピルを無理なく続けるためのコツをご紹介します。

服用時間は「絶対に起きている時間」に設定する

「朝起きたら飲む」と決めてしまうと、休日にお昼まで寝てしまった時に数時間のズレが生じます。 おすすめは、「生活リズムに関わらず、必ず起きている時間帯」に設定することです。

例えば、多くの人が起きているであろう「お昼の12時」や、夕食時の「19時」、あるいは「スマホのアラームが鳴る時間」など、ご自身の生活スタイルの中で一番確実な時間を探してみてください。

もし飲み忘れてしまった時のために

もし飲み忘れてしまった場合も、焦らず以下のように対応しましょう。

公益社団法人 日本産科婦人科学会の「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)」等でも、飲み忘れ時の対応が明確に示されています。

  • 数時間のズレ(1〜2時間〜半日程度)
    「いつもの時間を過ぎちゃった!」と気づいた時点で、すぐにその日の分を1錠服用してください。数時間程度のズレであれば、避妊効果が低下することはほぼありませんので、焦らなくて大丈夫ですよ。
  • 丸1日分の飲み忘れ(24時間以内)
    翌日の服用時間前までに気づいた場合は、気づいた時点ですぐに飲み忘れた分の1錠を服用し、その日の分もいつもの時間に服用します。(結果的に、その日は計2錠飲むことになります) この場合も、すぐに再開すれば避妊効果への影響はほとんどないと言われています。
  • 2日以上(48時間以上)の飲み忘れ
    2日連続で飲み忘れてしまった(最後に飲んでから48時間以上経過した)場合は、避妊効果が期待できなくなります。服用を中止して次の生理を待つか、医師への相談が必要です。

「少し遅れても、気づいた時に飲めば大丈夫」。これを知っているだけで、気持ちがずっと楽になりますよね。

飲み忘れた際の対処法

まとめ

不規則な毎日もピルで快適に

夜更かしや不規則な睡眠リズムだからといって、ピルを諦める必要はありません。

むしろ、生活リズムが崩れがちな方こそ、ピルを上手活用することでホルモンバランスを整え、生理や避妊の不安から解放される可能性が高まります。

大切なのは、ご自身のライフスタイルに合わせて「毎日続けられる時間」を見つけること。そして血栓症予防のために「水分補給とストレッチ」を意識することです。

これさえ守れば、ピルはあなたの心強い味方になってくれるはずです。

「私の生活スタイルでも大丈夫かな?」
「どのピルが合っているんだろう?」と少しでも気になったら、まずはマイピルオンラインで医師に相談してみてください。


参考文献

1. 公益社団法人 日本産科婦人科学会 低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)

2. 厚生労働省 月経困難症治療剤ヤーズ配合錠による 血栓症について

3. CDC(米国疾病予防管理センター)米国の避妊薬使用に関する医学的適格基準(2024年) U.S. Medical Eligibility Criteria for Contraceptive Use, 2024

4. 公益社団法人 日本産科婦人科学会 月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)

5. WHO(世界保健機関)Family planning/contraception methods

産婦人科専門医 原野尚美

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

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