ピルで顔のテカリ軽減?メイク崩れ対策の新常識

監修者:産婦人科医 原野 尚美

最終更新日

ピルで顔のテカリ軽減

「朝しっかりメイクしたのに、昼にはテカテカ…」
「ファンデがよれるたびに、化粧直しするのが大変…」

そんな“テカリ悩み”を抱えている方、多いのではないでしょうか。

この記事では、

「テカリの要因と対策」
「私は大丈夫…?テカリレベルのセルフチェック」
「ピルがテカリやメイク崩れにどう関係するのか」

について分かりやすく解説していきます。

顔のテカリ・皮脂が気になる…それって「普通」?

「こんなにテカるの、私だけ?」
「インフルエンサーの“サラサラ肌”と比べて落ち込む…」

SNSや広告で“完璧な肌”を見る機会が増えたことで、
自分のテカリやメイク崩れが、必要以上に気になる場面もあるのではないでしょうか。

まず大事なのは、皮脂が出ること自体は、悪いことではないということです。

皮脂には、肌のうるおいを守ったり、バリア機能を保つといった大事な役割があります。

ただ、「量」や「出るタイミング」が自分でもつらく感じるレベルになってくると、

  • メイクが毎日ドロドロに崩れる
  • 皮脂がきっかけでニキビが増える
  • 人前に出るのがイヤになる

など、日常生活や気持ちに影響してしまいます。

生理痛と同じで「本人がつらいと感じているかどうか」が、対処を考える目安
です。

人と比べるのではなく 「今の自分の状態をどう感じているか」に着目するようにしてください。

これやってない?“テカリを促すNGアクション”

テカリが気になると、つい 「すぐできる対策」 に走りがちですが、実は逆効果になることがあります。

  • 皮脂を取りすぎる(あぶらとり紙の頻用)
    皮脂を一気に取りすぎると肌が乾燥し、「もっと皮脂を出さなきゃ」と余計に分泌が増えることがあります。
  • 何度も洗顔する/強い洗浄力の洗顔料を使う
    清潔にしたい気持ちはわかりますが、洗いすぎは肌のバリア機能を弱らせ、テカリ・乾燥の悪循環に。
  • 保湿をほぼしない・サッと済ませる
    「脂っぽいから保湿は不要」と考えがちですが、保湿不足は逆に皮脂を増やします。
  • メイクで“厚塗りして隠す”
    崩れやすい上に、毛穴詰まりにつながり、ニキビの原因にも。

こうした行動は、自分では“ケアしているつもり”でも、実は皮脂バランスをさらに乱してしまうことがあります。

まずは肌が本来もつ“うるおいバランス”を邪魔しないケアを意識してみてください。

目次

顔のテカリ・皮脂の原因は?

毎日のように気になる「テカリ」ですが、その仕組みを知ることで対策のヒントが見えてきます。まずは、そもそも皮脂がどこから生まれているのかを確認してみましょう。

皮脂はどこから出ているの?

肌のテカリの正体は、皮膚の中にある皮脂腺から分泌される「皮脂」です。

皮脂線は、ホルモンの中でも アンドロゲン(いわゆる“男性ホルモン”)の影響を強く受けることが分かっています。

女性の体でも、卵巣や副腎から少量のアンドロゲンが分泌されていて、

  • 思春期以降に皮脂分泌が増える
  • 生理前にニキビやテカリが悪化しやすい

といった変化に関わっています。

日本皮膚科学会のガイドラインでも「皮脂分泌量の増加がニキビや脂性肌の中心的要因」 と示されています。

ホルモンバランスと皮脂の関係

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」でも、

  • アンドロゲンが皮脂腺を刺激して皮脂を増やす
  • 女性は月経周期のホルモン変動がニキビ悪化に影響すること

の両方が明記されています。

さらに、ガイドラインでは海外の研究を踏まえ、「低用量ピルが皮脂分泌の抑制やニキビ改善に役立つ例がある」と示されています。

そのため、思春期や生理前、ストレスが続いている時、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などのアンドロゲンに関わる病気があるときには、テカリ・ニキビ・毛穴詰まりが悪化しやすくなります。

もちろん、

  • スキンケア(洗いすぎ・保湿不足)
  • メイクの種類
  • 食生活(高GI食・脂質・乳製品など)
  • 睡眠不足・ストレス

も皮脂やニキビに影響すると考えられており、ホルモンだけが原因ではありません。

あなたのテカリレベルをチェック

「みんなこんなものなのかな?」と思ったときのために、
テカリ・皮脂のレベル感をざっくりイメージできるようにまとめてみました。

※あくまで目安です。どのレベルでも、つらければ受診を検討してください

①テカリレベル「低」

  • おでこや鼻に軽くツヤが出る程度
  • 夕方に少しティッシュオフするくらいで十分
  • メイク崩れも気にならない日が多い
  • ニキビはときどきできる程度

日常生活にはあまり支障がない状態。
スキンケアやメイクの工夫でコントロールできることが多いです。

②テカリレベル「中」

  • 昼〜夕方には、Tゾーンがはっきりテカる
  • ファンデがヨレたり、毛穴落ちが目立つ
  • 生理前は特にテカリ・ニキビが悪化する
  • メイク直しをこまめにしないと気になる

日常生活に大きな支障はないものの、「常にテカリ対策を意識していないと不安」という状態。
皮膚科や婦人科で相談することで、よりラクになる可能性があります。

③テカリレベル「高」

  • 朝しっかりメイクしても、午前中からテカテカ
  • 皮脂でファンデやアイメイクが落ちてしまう
  • ニキビや赤みが常にあり、人前に出るのがつらい
  • 生理前〜生理中に、特に悪化する
  • 市販のスキンケアやベースメイクをいろいろ試しても改善しない

皮膚科+必要に応じて婦人科で、原因や治療の選択肢を相談したほうが良いレベルです。
ホルモンバランスや、背景にある病気をチェックした方が安心です。

ひどいテカリやニキビの裏に隠れているもの

強いテカリやニキビが長く続くときには、単なる「脂性肌」だけでなく、背景に別の要因が隠れていることもあります。

ホルモンバランスの乱れ・多嚢胞性卵巣症候群など

  • 月経不順(生理がこない/周期がバラバラ)
  • 顔のテカリやニキビがひどい
  • 体毛が濃くなる

などが同時にある場合、アンドロゲンの分泌が多くなっている状態が隠れていることがあります。

代表的なものが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などのホルモンに関わる疾患です。
すべてのテカリ・ニキビが病気を意味するわけではありませんが、

  • テカリ・ニキビが急にひどくなった
  • 生理が極端に不規則になった
  • 妊娠を考えているのに月経が来ない

といった場合は、婦人科での診断を検討した方が安心です。

重症ニキビやクレーターになりそうな場合

皮脂分泌が多く、炎症ニキビが繰り返しできると、ニキビ跡・色素沈着・クレーターとして残ってしまうことがあります。

日本や海外のガイドラインでも、
女性の中等度以上のニキビに対しては、低用量ピルなどが選択肢になることが示されています。

「もう少し様子を見よう」と我慢してしまうと、あとからケアが難しい“痕”になってしまうこともあるため、
早めに皮膚科で相談しておくと安心です。

ピルで期待できること・できないこと

「ピルでテカリや皮脂が落ち着くって本当?」と気になる方も多いですよね。ここからは、医学的に分かっている“ピルが肌に与える作用”を整理してみましょう。

ピルが皮脂・テカリに効く仕組み

低用量ピルをはじめとした経口避妊薬は、

  • 卵巣からのアンドロゲン(テストステロンなど)の産生を抑える
  • 性ホルモン結合グロブリン(SHBG)を増やし、血中の遊離アンドロゲンを減らす

といった作用により、皮脂分泌を減らす方向に働くことが分かっています。

実際に、エチニルエストラジオールと特定の黄体ホルモンを含むピルが、
皮脂量やニキビ・テカリの改善に有効だったとする試験結果も報告されています。

アメリカ皮膚科学会などのガイドラインでも、
女性のニキビ治療の選択肢として「低用量ピル」が推奨されうることが明記されています。

ピルが与える皮脂量やニキビへの影響

ピルで期待できること

  • 生理前に悪化するニキビ・テカリが落ち着く
  • 月経周期が安定し、肌のコンディションの波が小さくなる
  • PMS症状(月経前のイライラ・気分の落ち込み)も一緒に和らぐことがある

肌のテカリに悩む女性の中には、
「避妊+生理痛+ニキビ・テカリの改善」という形で、複数の悩みを一度にケアできるケースもあります。

ピルで「できないこと」「注意したいこと」

一方で、ピルは“魔法の薬”ではありません。

  • 劇的にテカリが減るわけではない
  • ピルの種類によって、ニキビが悪化するケースもごくまれにある
  • 血栓症リスクがある方(喫煙、高血圧、片頭痛の一部、既往歴など)は使用できない場合がある
  • 日本では、ニキビ目的でのピル使用は保険適用外のことが多い

など、メリットとリスクのバランスを、医師と一緒に確認することがとても大切です。

マイピルのようなオンライン診療でも、「今の肌の状態」「生理周期」「既往歴(病歴)や生活習慣」を医師が丁寧に確認したうえで、
あなたに合うピルの種類や、そもそもピルが適しているかどうかを一緒に考えていきます。

メイク崩れを減らすためにできること

ピルはあくまで“ホルモンの土台”を整える選択肢のひとつ。
テカリ・メイク崩れを減らすには、スキンケアや生活習慣の見直しも欠かせません。

スキンケアのポイント

  • ゴシゴシ洗いではなく、やさしく泡で洗う
  • さっぱりタイプでも保湿は省かない(水分不足は逆に皮脂を増やす要因に)
  • ノンコメドジェニック(ニキビのもとになりにくい)と表示されたコスメを選ぶ
  • オイルフリーの下地やファンデを取り入れてみる

海外・国内のガイドラインでも、
外用レチノイドや過酸化ベンゾイルなどの外用薬+適切なスキンケアが、ニキビ治療の基本として挙げられています。

生活習慣の見直し

  • 睡眠リズムをできる範囲で整える
  • 極端なダイエットや糖質のとり方に注意
  • ストレスを溜め込まない工夫(趣味・運動・友人との会話など)

食事とニキビ・皮脂の関係はまだ研究途上ですが、
高GI食品(急に血糖値を上げる食品)や乳製品が関係する可能性も指摘されています。

まとめ

肌のテカリや皮脂の多さは、体質だけでなく、ホルモンのゆらぎや生活リズムの乱れが関係していることもあります。

だからこそ「私だけ…?」と落ち込む必要はありません。

低用量ピルは、ホルモンの波を整えることで皮脂やニキビの落ち着きをサポートすることもあるので、1つの選択肢として検討してみてください。

そしてピル以外にも、スキンケアの見直しや、生活リズムの改善を組み合わせることで、肌の調子はグッと変わります。

まずはテカリの原因を知り、必要に応じてピルを上手に活用しつつ、
“理想の肌”を目指していきましょう。

肌や生理の悩みは一人で抱え込まず、
スマホひとつで予約・診察・処方まで完結するマイピルオンラインにお気軽にご相談ください。


参考文献

1.  日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」

2.  日本香粧品学会誌「尋常性痤瘡の標準治療とスキンケア」47巻3号, 2023

3.  PILL FACTBOOK 2024(OC/LEPの国内整理・安全性資料)

4.  ドロスピレノン3ミリグラム/エチニルエストラジオール20マイクログラム経口避妊薬を24/4レジメンで投与するニキビ治療:ランダム化比較試験

産婦人科専門医 原野尚美

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

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