海外旅行中のピル服用はどうする?時差とスケジュール管理のコツ

監修者:産婦人科医 原野 尚美

最終更新日

海外旅行中のピル服用はどうする?時差とスケジュール管理のコツ

「海外旅行中のピルの飲み方ってどうすればいいの?」「時差やフライトで服用時間の管理が難しい」このようなお悩みはありませんか?

低用量ピルは、毎日ほぼ決まった時間に飲むことが原則です。しかし、海外旅行をする場合、時差があっていつもどおりの時間に飲めないこともあるでしょう。飛行機に持ち込めるのか気になっている方も多いかと思います。

この記事では、海外へ出かける方へ向けて、時差に合わせた服用スケジュールの調整方法や飲み忘れたときの対処法、ピルを持ち込むときの注意点などについて詳しく解説します。

海外旅行中でも低用量ピルは飲み続けるべき

低用量ピルは、毎日継続的に服用する必要がある薬です。海外旅行中であっても、服用を中断すると効果が低下し、望まない妊娠をしたり月経不順になったりするリスクが高まります。

旅行先では時差や環境の変化によって服用時間が乱れやすくなるため、時差に応じた服用計画を立てておくことが重要です。

旅行中でも毎日服用することが大切な理由

低用量ピルは、毎日服用することで血中のホルモン濃度が安定し、避妊や月経周期のコントロール効果などを発揮します。飲み忘れがあると排卵が起こる可能性が高まるため、旅行中でも普段どおり服用することが大切です。

海外旅行中は観光や移動のスケジュールで服用を忘れやすいため、あらかじめ現地時間と日本時間を比較し、服用する時刻を決めておきましょう。

服用を中断するリスク

低用量ピルの服用を中断すると、避妊効果が低下し、望まない妊娠のリスクが高まります。また、周期のコントロールが乱れることで、生理が早まったり遅れたりする可能性もあるでしょう。

また、海外旅行中に服用をやめると、現地で薬を入手するのは困難な場合が多く、言語や法律の違いもハードルになります。

短期旅行でも服用スケジュールの維持が基本

数日間の旅行期間であっても、低用量ピルの服用は中断せず、いつもどおりのスケジュールで行うことが大切です。

短期間の旅行だからといって服用を怠ると、効果が損なわれる可能性があります。機内や移動中でも服用できるよう、低用量ピルはすぐ取り出せる場所に保管しましょう。

目次

時差があるときの低用量ピルの服用スケジュールの調整方法

海外旅行では、行き先によって数時間から十数時間の時差が生じる場合があります。低用量ピルは毎日一定の間隔での服用により効果を維持できるため、出発前に服用スケジュールの調整方法を決めておくことが重要です。調整方法には、主に次の2つがあります。

  • 日本にいるときと同じ時間に服用する
  • 現地時間に合わせる

日本にいるときと同じ時間に服用する

日本で服用している時間をそのまま維持する方法は、短期間の旅行や時差が少ない地域への渡航に適しています。

この方法では、血中ホルモン濃度の変動を最小限に抑えられるため、効果の安定性を保ちやすいのがメリットです。アラームを日本時間に設定しておくと、飲み忘れを防げます。

現地時間に合わせる

滞在期間が長い場合は、現地の生活リズムに完全に馴染みたい場合は、現地時間に合わせて服用時間を変更する方法が有効です。日本時間の朝8時に低用量ピルを服用している場合、旅行先に着いてからも朝8時に服用しましょう。

ただし、服用間隔が24時間以上空いてしまう場合は、時間を調整して24時間以内に服用できるようにしてください。

海外のサイトにはなりますが、自宅のタイムゾーンと普段の服用時間、目的地のタイムゾーンを選択すると、低用量ピルの服用タイミングを提示してくれるサービスもあるので利用してみるとよいでしょう。

参考サイト:Contraceptive Pill Time Zone Calculator For Overseas Travellers

無理のない時間帯に調整するコツ

時差が大きい国に海外旅行する際に重要なのは、無理のない時間帯を設定して低用量ピルの服用を継続することです。

スマートフォンのアラームや専用アプリを使ったり、ピルケースを常に携帯したりすることで、旅行中でもすぐ服用できるようになります。また、機内や移動中でも飲めるよう、水と一緒に手荷物に入れておくのも忘れないようにしましょう。

海外旅行中に低用量ピルを飲み忘れたときの対処法

海外旅行中は、観光や移動、時差や生活リズムの変化で低用量ピルの服用を忘れてしまうことがあります。低用量ピルは毎日ほぼ同じ時間に服用する必要があるため、飲み忘れが発覚した場合は迅速かつ適切に対応することが重要です。

服用を忘れたときの一般的な対応

低用量ピルを1回飲み忘れた場合、気付いた時点ですぐに1錠服用し、次回は通常の時間に服用するのが基本的な対応です。

例えば朝に服用する予定だったのを夜に気づいた場合は、その時点で1錠飲み、翌日はいつも通りの時間に服用してください。これにより、ホルモン濃度の急激な低下を防ぎ、避妊効果を維持できます。

避妊効果に影響が出る可能性があるケース

低用量ピルの飲み忘れが48時間以上続いた場合、排卵が起こる可能性が高くなります。また、下痢や嘔吐、飲み合わせによる薬効低下も避妊効果に影響する要因です。

低用量ピルを48時間以上服用できなかった場合は、避妊効果が低下するので、実薬を7日間連続で飲み終わるまではコンドームなど他の避妊方法を併用してください。

ただし、飲み忘れたのが第1週目の場合は、緊急避妊薬(アフターピル)の使用を検討した方がよい場合もあります。

2錠まとめて飲むのはあり?

低用量ピルを飲み忘れた場合、気付いた時点で1錠服用し、その日の分を通常の時間に服用するため、結果的に1日に2錠飲むことがあります。これは一般的に認められている方法であり、大きな問題はありません。

海外に低用量ピルを持ち込むときの注意点

低用量ピルを海外に持ち込む際、国によっては説明文書が求められる場合があります。また、持ち込める数量に制限がある国もあるため、出発前に大使館や領事館の公式情報を確認しておくことが重要です。

説明文書を携帯しておくと安心

低用量ピルを海外に持ち込む際は、英文で書かれた説明文書を携帯しておくと安心です。税関や入国審査で求められた場合に提示することで、正当な医療目的での所持であると証明できます。

旅行期間中に必要な日数分の薬であっても、書類の有無によって入国拒否が左右されるケースもあるため、事前に準備しておきましょう。

低用量ピルをシートから取らずに持参する

海外に低用量ピルを持ち込む際は、必ず元のシートに入った状態で持参してください。バラバラの状態やピルケースに詰め替えた状態では、薬の正確な名称や成分が確認できず、国によっては持ち込み不可となることがあります。

郵送による持ち込みは避ける

海外旅行前に低用量ピルを現地へ郵送する方法は、通関や輸入規制の観点から避けるべきです。国によっては、税関で没収されたり長期間保留されたりする可能性があります。

また、郵送での医薬品の持ち込みが一切不可能な国もあるため、必要な分をあらかじめ持ち込むようにしましょう。

海外旅行に低用量ピルを持っていくときに関するよくある質問

最後に、海外旅行に低用量ピルを持参するときに関するよくある質問にお答えします。

低用量ピルを服用中に飛行機に乗ると血栓症のリスクが上がりますか?

低用量ピルにはエストロゲンが含まれており、服用により血栓症のリスクがわずかに上昇することが知られています。長時間同じ姿勢で過ごすフライトでは、もともと血栓症の発症リスクが上がるため、両方の要因が重なってリスクがさらに高まる可能性があります。

予防策としては、フライト中にこまめに歩く、足首を回す運動をする、着圧ソックスを着用する、十分に水分を摂るなどが有効です。

飛行機に低用量ピルは持ち込めますか?

低用量ピルは、多くの国際線で機内持ち込みが可能です。スーツケースに入れて預けると、紛失や破損、温度変化による品質低下の恐れがあるため、機内持ち込みの手荷物に入れることが推奨されます。

シートに入った状態で必要に応じて英文の説明文書を提示できるようにしておくとスムーズです。

留学でピルを持ち込むにはどうしたらいいですか?

長期留学で低用量ピルを持ち込む場合は、処方可能な日数分だけ海外に日本の低用量ピルを持ち込み、足りなくなった場合は現地で処方してもらう方法が一般的です。日本で一度に処方してもらえる日数、現地に持ち込める日数が決まっているため、事前に確認しておきましょう。

まとめ

海外旅行中も、低用量ピルの服用は継続することが重要です。旅行先では時差や生活リズムの変化によって服用時間が乱れやすく、飲み忘れや服用間隔のずれが生じる場合があります。

そのため、出発前に現地時間に合わせるか、日本時間を維持するかを決め、アラームや服用アプリなどで管理しましょう。また、入国時のトラブルを避けるために、英文の説明書を携帯しておくと安心です。

事前準備と正しい服用管理を行い、海外旅行を安心して楽しみましょう。

産婦人科専門医 原野尚美

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

いかがでしたでしょうか? マイピルでは産婦人科の医師が、 ピルに関するどんな小さな疑問や不安でも、 直接お電話でお答えいたします。

ピルの処方をお考えの方へ

マイピルのオンライン診療では、
自宅や外出先でも医師からの診療を受けられます。
クリニックに行く時間が無い方も、是非活用してみましょう。

スマホで完結し、即発送
目的に応じたピル処方

低用量ピル・アフターピル・生理移動ピル
スマホを操作する女性

マイピルは必ず、産婦人科の医師が診療と処方を担当しますので、
安心してご相談いただけます。
是非、オンライン診療をご予約ください。

今すぐアプリで診療予約

アプリ限定のオトク情報も!

AppStoreからダウンロード
GooglePlayで手に入れよう

診療の空き状況が確認出来る
カレンダーはこちら

診療予約カレンダー

よくある質問・お問い合わせ窓口

よく頂くお問い合わせ内容をQ&Aでお答えしております。
Q&Aをよくご確認頂き、
不明点など御座いましたら
お問い合わせフォームより御連絡ください。