私の生理痛は大丈夫?生理痛の重さレベルをチェックしよう
「避妊インプラントってどういうものだろう?」低用量ピルや避妊リングに比べて聞き慣れないこの避妊法に、興味を持ちながらも不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
避妊インプラントは、皮下に細い棒状のデバイスを挿入することで、長期間にわたって高い避妊効果が得られる方法です。
本記事では、避妊インプラントの仕組みや効果、メリット・デメリット、費用の目安まで詳しく解説します。
避妊インプラントとは
避妊インプラントとは、上腕の皮下に細い棒状の器具を埋め込み、体内にホルモンを持続的に放出することで避妊効果を得る方法です。
プロゲスチンと呼ばれる黄体ホルモンが有効成分として使われており、これが排卵を抑制し、子宮内膜の変化や子宮頸管粘液の性状変化をもたらして妊娠を防ぎます。
避妊インプラントの有効成分と仕組み
避妊インプラントに使用される主な有効成分は、エトノゲストレルという合成プロゲスチンです。この成分は、体内に微量ずつ持続的に放出されるよう設計されており、以下の働きによって妊娠を阻止します。
- 排卵を抑制する
- 子宮頸管粘液を変性させて精子が子宮内に到達しにくくする
- 子宮内膜が厚く育つのを抑制し、受精卵の着床を阻止する
避妊インプラントは、内服薬のように毎日服用する必要がないため、飲み忘れによる避妊失敗のリスクを大幅に減らすことが可能です。
避妊インプラントの使用方法
避妊インプラントは、医療機関で皮膚のすぐ下に挿入されます。挿入部位は非利き腕の上腕内側が一般的で、専用の挿入器具を用いて処置が行われます。
傷跡は注射針の跡のみで、大きな傷は残りません。現在はネクスプラノンという製品が主に使われています。ネクスプラノンは、X線やCTで挿入部位を確認でき、より正確な処置が可能です。
避妊インプラントに期待できる効果
避妊インプラントは、高い避妊効果だけでなく、ホルモンの作用によって月経に関する悩みの改善も期待できます。挿入すると体内に放出される黄体ホルモンには、排卵を抑える他、子宮内膜を薄く保ち続ける作用があり、これにより月経量の減少や月経痛の緩和が期待できます。
避妊効果
避妊インプラントは、極めて高い避妊成功率を持つ方法として知られており、99%以上の避妊効果があります。避妊インプラント(ネクスプラノン)を1年間使用した女性100人中、妊娠するのは1人未満です。
一度の挿入で避妊効果が3年持続するという利便性もあり、さらに毎日の服用が不要なため、飲み忘れのリスクがなく非常に安定した避妊が可能となります。
月経過多の改善
避妊インプラントに含まれる黄体ホルモンには、子宮内膜の増殖を抑える作用があるため、月経時の出血量を減らすことが可能です。そのため、月経過多の治療に避妊インプラントが用いられることがあります。
ただし、出血量の減少具合には個人差があり、挿入初期には不規則な出血も見られることがあるため、使用前に医師から十分な説明を受けることが重要です。
月経困難症の改善
月経困難症とは、月経に伴う強い腹痛や腰痛、吐き気など病的な症状のことです。避妊インプラントは、排卵を抑えることでホルモンの急激な変動を防ぎ、子宮内膜が薄い状態を維持するため、月経時の痛みが軽減される傾向にあります。
人によっては、避妊インプラントの使用により、鎮痛薬を使用する回数を減らすこともできるでしょう。
避妊インプラントのメリット
避妊インプラントは、長期間にわたる高い避妊効果が特徴です。また、インプラントを抜去すれば比較的短期間で妊娠能力が回復する点も大きなメリットといえるでしょう。
血栓症リスクが高く、低用量ピルを服用できない方でも、避妊インプラントなら使用できる可能性があります。
高い避妊効果が3年間持続する
避妊インプラントは、一度挿入すれば最長で約3年間にわたり99%以上の避妊率が持続する点が特徴です。使用されている黄体ホルモンは、時間をかけて一定量ずつ体内に放出されるように設計されており、排卵の抑制や精子の侵入防止など複数の作用によって妊娠を防ぎます。
1年間あたりの妊娠率は100人中1人未満とされており、低用量ピルよりも高い効果が期待できます。
エストロゲンを含まないので血栓症リスクが低い
避妊インプラントに使用されているホルモンは、エストロゲンを含まない合成黄体ホルモンです。エストロゲンには血液を固まりやすくする性質があるため、経口避妊薬の一部では血栓症のリスクが問題視されることが少なくありません。
これに対し、避妊インプラントはエストロゲンを含まないため、血栓症のリスクが低いとされています。そのため、喫煙者や高血圧などの既往歴がある方でも医師の判断により使用できる場合があります。
抜去すれば妊娠能力が戻る
避妊インプラントは、使用をやめたいときに抜去できます。インプラントを抜去した後は、体内のホルモン濃度が速やかに低下するため、1週間程度で妊娠できる状態に戻ることが一般的です。
長期的に避妊しつつも、「いずれは妊娠したい」と考える女性にとって、ライフステージに合わせやすい避妊方法といえるでしょう。
避妊インプラントのデメリット
避妊インプラントは、高い避妊効果や利便性がある一方で、いくつかの注意点もあります。後悔しないためにも、メリットだけでなくデメリットにも目を向けておくことが大切です。
副作用が出ることがある
避妊インプラントはホルモンを用いた避妊法であるため、体質によっては以下のような副作用があらわれる場合があります。
- 出血異常
- 情緒不安定
- 体重増加
- 頭痛
- ニキビ
- うつ
- 吐き気
- 挿入部位の痛み
重い副作用はまれですが、体調に変化を感じた場合は自己判断せず医師に相談することが重要です。
抜去時に皮膚を数ミリ切開する必要がある
避妊インプラントは皮膚の下に挿入するため、取り出す際は小さな切開が必要になります。局所麻酔を用いて上腕の皮膚を数ミリ切開し、取り除くのです。
処置は数分程度で終了し、多くの場合は大きな傷跡が残ることはありません。しかし、切開に伴う痛みや腫れ、内出血などのリスクがあります。
保険が適用にならない
避妊インプラントは、日本では承認されていないため、月経困難症や月経過多の改善を目的とする場合であっても保険適用にはなりません。
挿入や抜去にかかる費用は全額自己負担となります。自由診療であり、クリニックによって費用が違うため、避妊インプラントの導入を検討する際は、あらかじめ料金を確認しておきましょう。
避妊インプラントの価格
避妊インプラントの価格は、医療機関によって異なります。一般的に、インプラントの挿入にかかる費用は約10~15万円程度が相場です。
医療機関によっては別途診察料や麻酔代がかかることもあるため、事前のカウンセリングで費用の内訳を確認しましょう。抜去費用は1~3万円前後かかります。
避妊インプラントに関するよくある質問
最後に、避妊インプラントに関するよくある質問にお答えします。
避妊インプラントを使用すると生理は止まりますか?
避妊インプラントは生理を止めるための器具ではありません。しかし、出血量が少なくなる作用もあることから、人によっては生理が止まるケースもあります。
3年以内に避妊インプラントを抜去できますか?
3年以内であっても避妊インプラントの抜去ができます。希望すればいつでも抜去が可能です。
避妊インプラントの大きさはどれくらいですか?
避妊インプラントに使用されているネクスプラノンは、長さ4cmほどでマッチ棒ほどの大きさです。非常に小さなサイズであるため、装着中に日常生活に支障が出ることはほとんどありません。
まとめ
避妊インプラントとは、上腕の皮下に細い棒状の器具を挿入し、黄体ホルモンを持続的に放出することで妊娠を防ぐ避妊方法です。避妊効果は99%以上あり、最長3年間持続します。
また、月経過多や月経困難症の改善が見込まれるなど、避妊以外の効果も期待できます。エストロゲンを含まないため、血栓症のリスクが低い点も特徴です。
一方で、副作用や抜去時に切開が必要であること、自由診療のため費用が高額になりやすいなど注意点もあります。メリットとデメリットの両方をよく理解し、信頼できる医療機関での説明を受けることが大切です。







