授乳中に低用量ピルを服用しても良い?授乳中でも飲めるピルはある?

監修者:産婦人科医 原野 尚美

最終更新日

授乳中に低用量ピルを服用しても良い?授乳中でも飲めるピルはある?

「授乳中に低用量ピルを使っても大丈夫なの?」「赤ちゃんへの影響が心配…」このようなお悩みはありませんか?

低用量ピルは、避妊をはじめ月経困難症やPMSの治療に効果が期待できますが、授乳中は母親が服用した薬の影響が赤ちゃんにも及ぶ可能性があるため注意が必要です。

本記事では、授乳中に低用量ピルを服用できるのか、授乳中に避妊をするにはどうしたら良いのかなどについて詳しく解説します。

授乳中の方は低用量ピルを服用できない

低用量ピルは避妊や月経トラブルの改善などに有効な薬ですが、授乳中の方は服用できません。低用量ピルのガイドラインでは、産後6カ月を経過しており、医師が服用しても良いと判断すれば使用できることになっています。

しかし、代表的な低用量ピルであるトリキュラーでは、授乳婦の服用は禁忌となっています。これは、低用量ピルに含まれるエストロゲンが母体や乳児にさまざまな影響を及ぼす可能性があるためです。

特に産後すぐや授乳期はホルモンバランスが大きく変化している時期であり、ホルモン製剤の使用は慎重に検討すべきとされています。

授乳婦への影響

低用量ピルには、エストロゲンとプロゲスチンという2種類の女性ホルモンが含まれています。授乳中の女性がこのエストロゲンを摂取すると、乳汁の分泌量が減少することがあると報告されています。

結果として、母乳育児が難しくなる可能性があり、赤ちゃんの栄養状態にも影響を及ぼしかねません。

さらに、産後の体はホルモンバランスが不安定な時期であるため、ピルの服用が体調に影響を与えるリスクもあります。

赤ちゃんへの影響

乳汁を通して低用量ピルの有効成分が赤ちゃんに移行すると、黄疸や乳房肥大などの副作用が起こる可能性があります。

授乳中に低用量ピルを服用しても赤ちゃんに悪影響はないとする研究報告もありますが、添付文書上では授乳が禁止されているため服用を避けてください。

血栓症のリスクが上がる可能性がある

産後12週間は、血栓症のリスクが非常に高くなる時期です。日本産婦人科学会によると、血栓症リスクは以下のように報告されています。

低用量ピルを服用している方年間1万人あたり3~9人
妊娠中年間1万人あたり5~20人
分娩後12週間年間1万人あたり40~65人

上記の表を見ると、分娩後12週間は血栓症のリスクが最も高い状態であることが分かります。この時期にエストロゲンを含む低用量ピルを服用すると、リスクがさらに上昇する可能性があるため注意しなければなりません。

血栓症は脳塞栓症や脳梗塞といった重大な合併症を引き起こすこともあるため、授乳中の方は低用量ピルの服用を避けるべきとされています。

目次

授乳中に低用量ピル以外で気をつけたいこと

授乳中はホルモンバランスや体調が不安定になりやすく、母乳を通じて赤ちゃんにも影響が及ぶ可能性があります。そのため、授乳中は日常生活でもいくつか注意が必要です。

喫煙をしない

授乳中に喫煙すると、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まります。乳幼児突然死症候群とは、予兆や病歴がないにもかかわらず赤ちゃんが突然死してしまう病気のことです。喫煙は、この乳幼児突然死症候群のリスクを高める因子の一つであることが分かっています。

また、喫煙すると母乳中に含まれている脂質やカロリー、タンパク質の含有量が低下するとの報告もあります。赤ちゃんの発育や健康に大きな影響を及ぼす可能性があるため、授乳中の喫煙は避けてください。

飲酒をしない

アルコールもまた、授乳中には注意が必要な物質です。飲酒後のアルコール成分は母乳に移行し、赤ちゃんに取り込まれる可能性があります。

赤ちゃんは肝機能が未熟なため、微量のアルコールでも代謝が追いつかず、神経系への影響や睡眠障害、発達への影響が出る可能性があります。少量のアルコールであっても母乳中に成分が移行する可能性があるため、授乳期間中の飲酒は控えましょう。

産後、低用量ピルはいつから服用して良い?

低用量ピルは、出産後すぐに服用を始めることは推奨されていません。一般に、完全母乳育児を行っている場合は、少なくとも授乳期間中は低用量ピルの服用を避けてください。

授乳を行っていない方や完全ミルク育児の場合は、医師の判断により低用量ピルの服用が認められるケースもあります。基本的には授乳が終わってからの服用となります。低用量ピルの服用を検討する際は、事前に医師に相談してください。

低用量ピル以外で授乳中に避妊をする方法

授乳中の方が避妊をする方法として、低用量ピルは適していません。しかし、授乳中であっても妊娠する可能性があるため、避妊をしたいと考えている方もいるでしょう。

このような場合は、エストロゲンを含まないミニピル、子宮内避妊リング、コンドームなどが選択肢となります。

ミニピルを服用する

ミニピルとは、エストロゲンが含まれていない黄体ホルモン単独の避妊薬です。血栓症リスクを高めるエストロゲンが含まれておらず、添付文書上でも授乳婦の使用は禁止されていません。

ただし、ミニピルでも母乳中に薬の成分が移行することが確認されているため、医師の判断によっては服用が適さないケースもあります。

子宮内避妊リング(IUD)を使用する

子宮内避妊リングは、子宮内に小さな器具を挿入して避妊効果を得る方法です。銅付加タイプのものや、ホルモンを少量放出するタイプのものがあります。

子宮内避妊リングは一度挿入すれば数年間にわたって高い避妊効果を持続できるため、長期間の避妊を希望する女性に向いています。

コンドームを使用する

コンドームは、授乳中に使用できる最も手軽で安全な避妊方法の一つです。ホルモンを一切含まないため、母乳の質や量、赤ちゃんの健康に対する影響が一切ありません。使用方法を誤らなければ高い避妊効果が期待できます。

低用量ピルのことならマイピル

授乳中の方にとって、避妊方法の選択やホルモン剤の使用に関する悩みは尽きません。特に子育て中は、病院へ行く時間を確保することも難しく、専門医への相談すら後回しになりがちです。

そのような方にとって、オンライン診療でピルに関する相談ができるマイピルは、非常に便利な選択肢となります。

電話1本で産婦人科医に直接相談できる

マイピルでは、電話を通じて産婦人科医に直接相談できます。避妊方法の選択や低用量ピルに関する不安、授乳との関係など、個別の状況に応じたアドバイスを受けられるのが大きな特徴です。

診療から処方までオンラインで完結するため、時間や場所に制約がある子育て中の方でも無理なく利用しやすい仕組みとなっています。

自宅まで低用量ピルが配送されるので子育てで忙しくても続けやすい

マイピルでは、診療後に処方されたピルが自宅まで配送されるため、薬局まで足を運ぶ必要がありません。外出が難しい育児中でも、スムーズにピルを受け取れます。配送スケジュールも管理しやすく、忙しい毎日を送りながらでも続けやすいでしょう。

土日祝日でも診療を受けられる

マイピルなら、土日祝日でも診療を行っています。一般的な医療機関では平日の日中しか診療を行っていない場合が多く、育児に追われる方にとっては、通院のハードルが高くなりがちです。マイピルでは土日祝日も診療に対応しているため、ライフスタイルに合わせて柔軟に受診できます。

授乳中の低用量ピルに関するQ&A

最後に、授乳中の低用量ピルの服用に関するよくある質問にお答えします。

授乳中の低用量ピルはなぜダメなの?

授乳中の低用量ピルの服用が禁止されているのは、母体にも赤ちゃんにも影響が出る可能性があるためです。授乳中に低用量ピルを服用すると乳汁の分泌量が減少したり、赤ちゃんに黄疸や乳房肥大などが見られたりする恐れがあります。

完ミなら産後でも低用量ピルを服用できますか?

血栓症のリスクが高い方でなければ、完ミの方なら産後3~6週間を目安に低用量ピルの服用を再開できます。ただし、医師の判断が必要となるため、必ず医療機関を受診して相談してください。

授乳を止めたら低用量ピルを服用しても良いですか?

産後6カ月以上経っており、医師が服用可能と判断した場合は低用量ピルを服用できる場合があります。

まとめ

授乳中の低用量ピルの服用は推奨されていません。日本産婦人科学会が公表している低用量ピルのガイドラインでは、産後6カ月経過しており、医師が服用可能と判断した場合は使用しても構わないとされています。

しかし、添付文書上では授乳中の服用が禁止されており、母体や赤ちゃんに影響が出る恐れがあることも報告されています。産後に低用量ピルの服用を考えている方は、自己判断で使用せず、必ず産婦人科医に相談しましょう。

産婦人科専門医 原野尚美

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

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