生理がなかなか終わらない!?出血が長引く過長月経とは
生理と片頭痛の関係は?治療法や予防法を解説
監修者:産婦人科医 原野尚美
最終更新日

「生理前や生理中に片頭痛が起こりやすくなるのはなぜ?」「どうすれば片頭痛を予防できるの?」とお悩みではありませんか?
生理と関連して起こる片頭痛は「月経時片頭痛」と呼ばれており、毎月のように痛みに悩まされている方が少なくありません。
本記事では、生理と片頭痛の関係や月経時片頭痛の特徴、治療法や予防法を分かりやすく解説します。つらい頭痛の対処法を知ることで、毎日を快適に過ごせるようになるでしょう。
目次
- 1.片頭痛とは
- 2.生理前や生理中は片頭痛が起こりやすい
- 3.月経時片頭痛の治療方法
- 4.月経時片頭痛を予防する方法
- 5.生理のことならマイピルに相談しよう
- 6.生理と片頭痛に関するよくある質問
- 7.まとめ
片頭痛とは
片頭痛は、ズキズキと脈打つような痛みが特徴の頭痛です。数時間から3日ほど痛みが続くことがあります。頭の片側にあらわれる場合が多いものの、両側に痛みを感じるケースもあります。
痛み以外に吐き気や嘔吐、光や音に対する過敏症状を伴い、日常生活に大きな支障をきたすことも少なくありません。
片頭痛が起こるメカニズム
片頭痛が起こるメカニズムは、まだ完全には解明されていません。現時点では、脳の血管が拡張し、その周囲にある三叉神経が刺激されることで痛みが生じる「三叉神経血管説」が有力です。
また、片頭痛にはセロトニンという神経伝達物質が深く関与しているとも考えられています。発作時にセロトニンの濃度が急激に変化し、これにより血管の収縮や拡張が起こり痛みを生じるのです。
片頭痛の症状
片頭痛の主な症状は、ズキズキと脈打つような拍動性の頭痛です。痛みの程度は軽度から重度までさまざまです。体を動かすと悪化することが多く、寝込んでしまうこともあるでしょう。
その他の症状としては、吐き気や嘔吐、光や音への過敏などが挙げられます。また、視界にキラキラした光があらわれる閃輝暗点が出たり視野が欠けたりする症状を伴う場合もあります。
片頭痛は男性よりも女性で起こりやすい
片頭痛は、男性よりも女性に多く見られる疾患です。「頭痛の診療ガイドライン2021」によると、片頭痛の有病率は20~40歳代の女性で高いことが分かっています。女性の17%は片頭痛の診断基準を満たしているとの報告もあります。
女性で片頭痛の患者が多いのは、エストロゲンの変動が一つの原因です。特に生理前や排卵期、更年期などホルモンバランスが変化しやすい時期に発作が起きやすくなります。片頭痛の発作が頻繁に起きるために、生活の質が低下している女性も珍しくありません。
生理前や生理中は片頭痛が起こりやすい
生理前や生理中に片頭痛が悪化する女性は多くいます。これは、ホルモンバランスの変化が片頭痛の発症に影響を与えているためです。
特に女性ホルモンの一つであるエストロゲンの急激な変動が脳の血管や神経に影響をおよぼし、片頭痛を引き起こしやすくすることも知られています。日頃は片頭痛がない方でも、生理のタイミングだけ症状があらわれることもあるでしょう。
生理前や生理中に起こる片頭痛は「月経時片頭痛」と呼ばれている
生理前や生理中に起こる片頭痛は、特に「月経時片頭痛」と呼ばれています。自分の片頭痛が月経時片頭痛かどうかを明らかにするためには、頭痛ダイアリーの活用が有効です。
頭痛ダイアリーを使って、頭痛が起こった日を記入していきます。メモ欄があるので、生理が始まった日を記載しておきましょう。生理の数日前から生理中にかけて片頭痛が良く起こる場合は、月経時片頭痛の可能性があります。
生理周期は片頭痛の誘発・増悪因子
片頭痛には、誘発因子と増悪因子が存在します。誘発因子とは片頭痛の発作を誘発するもの、増悪因子とは症状を悪化させるものです。誘発因子と増悪因子には、下記のものがあります。
精神的因子 | ストレス、ストレスからの解放、疲れ、睡眠の過不足 |
---|---|
内因性因子 | 生理周期 |
環境因子 | 天候の変化、温度差、におい、音、光 |
ライフスタイル因子 | 運動、欠食、性的活動、旅行 |
食事性因子 | 空腹、脱水、アルコール、特定の食品 |
1,207名の片頭痛患者を対象に調査した結果では、75.9%の患者で誘発因子や増悪因子があると報告されています。また、各患者が持つ誘引の平均個数は6.7個でした。
このことから、多くの片頭痛患者が複数の因子の影響を受けていることが分かります。
月経時片頭痛の治療方法
月経時片頭痛は、発症のタイミングや症状に応じた適切な治療が重要です。症状に応じてNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)やトリプタン系薬が使われます。
NSAIDsを服用する
NSAIDsは、月経時片頭痛の症状緩和に有効な薬の一つです。主に痛みの原因となるプロスタグランジンの生成を抑え、頭痛を緩和します。イブプロフェン、ロキソプロフェンなどが代表的です。
市販でも手に入るため、比較的手軽に使用できるでしょう。ただし、空腹での服用は胃に負担をかける恐れがあるため、できるだけ食後に使用してください。
トリプタン系薬を服用する
トリプタン系薬は、片頭痛用に開発された治療薬で、脳の血管の拡張を抑えて片頭痛の痛みを改善する作用があります。
NSAIDsで効果が薄い場合や、痛みが強い場合はトリプタン系薬が有効です。スマトリプタンやゾルミトリプタンなど、複数の種類があります。
片頭痛の痛みが出てすぐに服用することで効果を発揮する薬です。痛みが出始めてしばらくしてから服用しても十分な効果は出ないので注意してください。
漢方薬を服用する
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)が難治性の月経時片頭痛に有効である可能性があります。
重症月経時片頭痛がある閉経前の女性5名に対して当帰芍薬散を投与したところ、治療開始後1カ月以内に頭痛の重症度と頻度が劇的に減少しました。5名のうち1名は、投与を中止した後も効果が持続したと報告されています。
患部を冷やす
セルフケアとして有効なのが、患部を冷やす方法です。片頭痛が起きているときは、脳の血管が拡張してその周囲で炎症が起きていると考えられています。水枕や保冷剤などを使って患部を冷やすことで、血管の拡張を抑えて痛みをやわらげられます。
月経時片頭痛を予防する方法
生理周期に伴って片頭痛が起こりやすい場合は、予防策も行うとよいでしょう。主な予防法には、次の2種類があります。
- 生理が始まる数日前からNSAIDsやトリプタン系薬を服用する
- 低用量ピルを服用する
生理が始まる数日前からNSAIDsやトリプタン系薬を服用する
症状が起きたときに薬を服用しても効果が乏しい方、片頭痛が繰り返し起こる方は予防療法を取り入れることも検討してみてください。
生理に関係して発作が起きる場合は、生理が開始する数日前から生理が終了する日までNSAIDsやトリプタン系薬を服用します。ただし、予防療法としてトリプタン系薬を使用する場合は、保険適用外となります。
低用量ピルを服用する
月経時片頭痛がある方は、低用量ピルの服用も有効です。低用量ピルを服用するとホルモンバランスが一定で保たれるため、片頭痛が起こりにくくなることがあります。ただし、前兆がある片頭痛持ちの方は服用できません。また、副作用で頭痛が起こる方もいます。
生理のことならマイピルに相談しよう
生理のことでお悩みでしたら、マイピルへお気軽にご相談ください。マイピルは、オンライン診療に特化したサービスです。電話1本で産婦人科医に相談でき、症状に応じて低用量ピルの処方も行っています。
もちろん、生理前や生理中に頭痛がひどくなって困っているという相談もOKです。生理とうまく付き合いながら、生活の質を向上させるサポートを行っています。
生理と片頭痛に関するよくある質問
最後に、生理と片頭痛に関するよくある質問にお答えします。
生理中にズキズキとした頭痛が起こるのはなぜですか?
生理中にズキズキとした頭痛が起こるのは、エストロゲンの急激な低下が原因だと考えられています。生理と関連して頭痛が起こっている場合は、低用量ピルなどで症状の緩和が可能です。
40代で生理中に頭痛が起こる原因は何ですか?
40代半ばや後半であれば、更年期の影響で頭痛が起こっている可能性があります。更年期はエストロゲンの分泌量が不安定になるため、人によっては頭痛が起こりやすくなることがあります。
生理中に頭痛でこめかみが痛くなるのはなぜですか?
生理中にこめかみが痛くなるのは、セロトニンが脳の血管を収縮させているためだと考えられます。片頭痛の可能性もあるため、気になる方は脳神経内科や頭痛外来などを受診しましょう。
まとめ
生理前や生理中に片頭痛が起こりやすいのは、ホルモンバランスの急激な変動が原因だと考えられています。特にエストロゲンの変動が片頭痛の発症と大きく関係しています。
生理周期に伴う片頭痛は、NSAIDsやトリプタン系薬を使った治療を行うことが一般的です。また、低用量ピルを服用するとホルモンバランスが一定に保たれるため、片頭痛の発作が起こりづらくなることも報告されています。
マイピルでは低用量ピルの処方も行っていますので、生理の伴う片頭痛が気になる方は、お気軽にご相談ください。

監修者
産婦人科専門医原野 尚美
いかがでしたでしょうか?マイピルでは産婦人科の医師が、ピルに関するどんな小さな疑問や不安でも、直接お電話でお答えいたします。
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