肥満だとピルを服用できないって本当?ピルを服用する条件は?

監修者:産婦人科医 原野 尚美

最終更新日

肥満だとピルを服用できないって本当?ピルを服用する条件は?

「肥満だと低用量ピルを処方してもらえないって聞いたけど本当?」「肥満だと低用量ピルの服用は諦めないといけないの?」と疑問に思っていませんか?

低用量ピルを服用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。肥満の方は「条件を満たしていない」とされるため、低用量ピルを服用できないことがあるのです。

今回は、肥満だとなぜ低用量ピルを服用できないケースがあるのか、服用できないときは他にどのような手段が選択肢となるかなどについて詳しく解説します。

肥満だとピルを服用できないことがある

肥満だからといって必ずしも低用量ピルを服用できないわけではありません。しかし、肥満の方が低用量ピルを服用すると血栓症などの心血管系障害が発生しやすくなると報告されています。

といっても、大幅に血栓症のリスクが上昇するわけではありません。ここで、血栓症リスクをシーン別に詳しく見てみましょう。

低用量ピルを服用していない方 年間1万人あたり1~5人
低用量ピルを服用している方 年間1万人あたり3~9人
妊娠中の方 年間1万人あたり5~20人
出産後12週間の方 年間1万人あたり40~65人

「低用量ピルは血栓症のリスクがあって怖い」とイメージされている方が多いかもしれませんが、実は妊娠中や出産後12週間の方と比べると極端にリスクが高いわけではないのです。

しかし、血栓症リスクが上昇すると分かっていながら処方することはできないため、肥満の方は低用量ピルを服用できないことがあります。

目次

肥満の定義

日本肥満学会によると、、BMIが25以上の場合を肥満です。そのため、BMIが25以上の方は医師の判断によって低用量ピルを処方してもらえないことがあるでしょう。

BMIは、以下の式で計算できます。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

例えば、身長が160cmで体重が60kgの場合は、「60÷1.6÷1.6」でBMIは23.4となります。

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ピルの服用と肥満に関する文献

では、ピルを肥満の方が服用すると、具体的にどのような影響があるのでしょうか。ここからは、文献を参考に起こり得る影響について紹介します。

肥満の方がピルを服用すると静脈血栓症と肺塞栓症のリスクが上がる

静脈血栓塞栓症リスクと体重、BMI、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径などとの間には、正の相関関係があることが分かっています。

肥満の方と肥満でない方を比較した研究では、肥満であるすべての年齢の方で静脈血栓塞栓症と肺塞栓症のリスクが2倍以上になることが分かりました。実は、低用量ピルを服用していなくても肥満というだけで血栓症のリスクが上昇するのです。

また、BMIが25を超える女性が低用量ピルを服用した場合、静脈血栓症のリスクが10倍に増加するとの研究結果も出ています。

脳卒中のリスクを高める可能性がある

JAMA Neurology 誌オンライン版に掲載された研究では、肥満女性が低用量ピルを服用すると脳静脈血栓症のリスクが高まるとの結果が出ています。

脳静脈血栓症とは、脳から心臓へ戻る経路である脳静脈や静脈洞が詰まって起こる病気です。脳血管障害のうち0.5%とまれな病気ですが、肥満の方が低用量ピルを服用するとリスクが増大します。

ピルの効果が弱まる可能性がある

プロゲスチンのみが含まれている経口避妊薬を体重が重い女性が服用すると、効果が低くなる可能性があることが分かっています。

ただし、効果の低下についてはまだ明らかなことは分かっておらず、さらなる研究が必要だとされています。

そもそも血栓症とは?

血栓症とは、血管内に血栓(血の塊)ができて血流が阻害される病気です。動脈や静脈などの血管内で血液が固まり、血流が遮断されることでさまざまな症状や合併症を引き起こします。

代表的な血栓症には、深部静脈血栓症や肺塞栓症、脳梗塞、心筋梗塞などがあります。

血栓症が起こりやすいタイミング

低用量ピルの服用中は、通常よりも血栓症のリスクが高まることが知られています。特に低用量ピルの服用開始3~4カ月以内は、リスクが最も高まる時期です。

また、長期間のフライトや車の移動などでも血栓症のリスクが高まります。

血栓症の初期症状

血栓症の初期症状としては、次のものが知られています。

  • 手足の麻痺やしびれ
  • しゃべりにくい
  • 胸の痛み
  • 呼吸困難
  • 片方の足の急激な痛みや腫れ

ピルを服用中にこれらの症状が見られた場合は、血栓症を疑う必要があるでしょう。突然発症することが多く早期発見は難しいのですが、気になる症状が見られた場合は医師に相談してください。

血栓症の予防方法

血栓症を予防するためにも、ピルの服用中は以下のことに気をつけましょう。

  • 十分な水分摂取を行う
  • 定期的に運動する
  • 長時間同じ姿勢でいないように気をつける
  • 禁煙する
  • 健康的な体重を維持する

ピルの副作用である血栓症のリスクが気になる方は、エストロゲン(卵胞ホルモン)の含有量が少ないタイプのピルを使用することも予防につながります。

血栓症を誘引するのはエストロゲンであるため、量が少なければその分リスクも減らすことができるのです。

ピルを服用できない人・服用に注意が必要な人

低用量ピルは、すべての方が服用できるわけではありません。服用できない方、服用に注意が必要な方もいます。

ピルを服用できない人

以下に該当する方は、低用量ピルを服用できません。

  • 低用量ピルの成分に対して過敏症の既往歴がある方
  • 乳がんや子宮内膜がんのようなエストロゲン依存性悪性腫瘍、子宮頸がんおよびその疑いがある方
  • 診断の確定していない異常性器出血がある方
  • 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患またはその既往歴がある方
  • 35歳以上で1日15本以上喫煙している方
  • 閃輝暗点や星型閃光など前兆を伴う片頭痛がある方
  • 肺高血圧症または心房細動を合併する心臓弁膜症の方
  • 亜急性細菌性心内膜炎の既往歴がある心臓弁膜症の方
  • 血管病変を伴う糖尿病の方
  • 血栓性素因がある方
  • 抗リン脂質抗体症候群の方
  • 手術前4週間以内、術後2週間以内、産後4週間以内および長期間安静状態の方
  • 重篤な肝障害がある方
  • 肝腫瘍がある方
  • 脂質代謝異常がある方
  • 高血圧の方
  • 耳硬化症の方
  • 妊娠中に黄疸や持続性そう痒症、または妊娠ヘルペスの既往歴がある方
  • 妊娠または妊娠している可能性がある方

ピルの服用に注意が必要な人

以下に該当する方は、医師の判断により低用量ピルを服用できないことがあります。当てはまる項目がある方は事前に医師へ相談してください。

  • 40歳以上の方
  • 子宮筋腫がある方
  • 乳がんの既往歴がある方
  • 乳がんの家族歴または乳房に結節がある方
  • 喫煙している方
  • 肥満の方
  • 血栓症の家族歴をもつ方
  • 前兆を伴わない片頭痛がある方
  • 心臓弁膜症の方
  • 軽度の高血圧の方
  • 耐糖能が低下している方
  • ポルフィリン症の方
  • 心疾患またはその既往歴がある方
  • てんかんがある方
  • テタニーがある方
  • 腎疾患またはその既往歴がある方
  • 重篤な肝障害がある方
  • 肝障害がある方

低用量ピルを飲めない人はどうすればいいの?

生理痛やPMSがつらい、避妊したいという方でも低用量ピルを服用できないケースがあります。そのような方は、次の方法もあるので医師に相談してみてください。

ミニピルを服用する

ミニピルとは、プロゲステロン(黄体ホルモン)のみを含むピルのことです。血栓症のリスクを増加させるエストロゲンが含まれていないことから、血栓症のリスクがほとんどないとされています。

ただし、日本では未承認のため医薬品副作用被害救済制度が適用とならないことには注意しましょう。

黄体ホルモン製剤を服用する

厳密にはピルではありませんが、ジエノゲストなどの黄体ホルモン製剤はエストロゲンを一切含んでいません。そのため、血栓症のリスクが低いことが特徴です。低用量ピルのように肥満の方の服用について特に注意書きはされていません。

レボノルゲストレル放出子宮内避妊システムを使う

レボノルゲストレル放出子宮内避妊システム(ミレーナ)とは、子宮内に挿入する避妊器具のことです。避妊リングとも呼ばれています。一度挿入すると避妊効果が5年間持続するもので、肥満の方でも使用することが可能です。

まとめ

肥満だと低用量ピルを服用できない可能性があります。肥満の方が服用すると、血栓症のリスクが高まる可能性があるためです。

しかし、絶対に使用できないとの決まりはありません。最終的に医師が判断するので気になる方はまず医師に相談しましょう。

ミニピルや黄体ホルモン製剤、レボノルゲストレル放出子宮内避妊システムは、肥満の方でも使用できます。低用量ピル以外にも選択肢があるので、自分に合うものを探してみましょう。

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