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低用量ピルとトラネキサム酸は併用しても良い?リスクや注意点を解説
監修者:産婦人科医 原野尚美
最終更新日

「低用量ピルの服用中にトラネキサム酸を併用しても良いの?」「低用量ピルとトラネキサム酸を併用すると血栓症のリスクが高まると聞いたけど本当?」
低用量ピルは副作用で血栓症が報告されている薬、トラネキサム酸は血液の凝固を促進する薬です。そのため、併用すると血栓ができやすくなると考えられています。
今回は、低用量ピルとトラネキサム酸を併用できるのか、低用量ピルとトラネキサム酸を服用できない方にはどのような特徴があるのかを詳しく解説します。
目次
- 1.低用量ピルとトラネキサム酸は併用できない場合がある
- 2.低用量ピルを服用できない方
- 3.トラネキサム酸を服用できない方
- 4.トラネキサム酸を注意して服用する必要がある方
- 5.トラネキサム酸は市販薬にも含まれているので注意しよう
- 6.低用量ピルとトラネキサム酸の併用に関するよくある質問
- 7.まとめ
低用量ピルとトラネキサム酸は併用できない場合がある
低用量ピルとトラネキサム酸は、基本的に併用しても問題ないことがほとんどです。しかし、医療機関によっては低用量ピルとトラネキサム酸の併用を禁止している場合もあります。
低用量ピルとトラネキサム酸を併用すると血栓症のリスクが高まる可能性がある
低用量ピルとトラネキサム酸を併用できないケースがあるのは、血栓症のリスクが高まる可能性があるためです。低用量ピルでは、血栓症の副作用が報告されています。
血栓症の副作用が起こる頻度は不明です。しかし、血栓症のリスクが大きく増加するわけではありません。低用量ピルを服用していない方が血栓症を発症する割合は年間1万人あたり1~5人、低用量ピルを服用している方の血栓症発症リスクは3~9人です。
もともと、血栓症のリスクを大きく増加させる薬ではありません。とはいえ、若干ではあるものの血栓症になりやすくなるのは事実です。
トラネキサム酸には血液の凝固を促進する働きがあることから、低用量ピルと併用すると血栓症のリスクが高まる可能性があると考えられています。
低用量ピルとトラネキサム酸は併用禁忌には設定されていない
低用量ピルの1つであるトリキュラーを例に、トラネキサム酸との併用について詳しく見てみましょう。トリキュラーの併用禁忌を調べてみると、該当する薬はないことが分かります。また、併用注意の薬を見てもトラネキサム酸の名前は記載されていません。
では、次にトラネキサム酸の併用禁忌や併用注意を確認してみましょう。トラネキサム酸と併用禁忌や併用注意になっている薬を見てみても、低用量ピルの記載はありません。
つまり、低用量ピルとトラネキサム酸は併用しても基本的には問題ないのです。
そもそも血栓症のリスクが高い方に低用量ピルは処方されない
低用量ピルとトラネキサム酸を併用すると血栓症のリスクが上がる可能性があることを不安に思っている方もいるでしょう。
しかし、そもそも血栓症のリスクが高い方に対して低用量ピルが処方されることはありません。そのため、過度に血栓症の副作用を心配する必要はないでしょう。
低用量ピルを服用できない方
低用量ピルとトラネキサム酸の併用は基本的に問題ありません。それでは、どのような方で低用量ピルの服用が禁止されているのでしょうか。ここでは、一例を紹介します。
低用量ピルの成分に対して過敏症の既往歴がある方
低用量ピルに含まれている成分に対して過敏症の既往歴がある方は、服用できません。服用すると、過敏症が再度あらわれる可能性があります。
エストロゲン依存性悪性腫瘍、子宮頸がんおよびその疑いがある方
乳がんや子宮内膜がんのようなエストロゲン依存性悪性腫瘍、子宮頸がんやその疑いがある方は低用量ピルを服用できません。腫瘍が悪化したり、これまで出ていなかった症状が表に出てきたりする可能性があるためです。
診断の確定していない異常性器出血がある方
診断の確定していない異常性器出血がある方は、低用量ピルを服用しないでください。異常性器出血は性器がんの疑いが否定できず、がんが悪化する可能性があるためです。
血栓性静脈炎や肺塞栓症などまたはその既往歴がある方
血栓性静脈炎や肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患やその既往歴がある方は低用量ピルを服用できません。服用すると、血液が固まりやすくなり、これらの症状が悪化する可能性があります。
35歳以上で1日15本以上の喫煙をする方
35歳以上で1日15本以上の喫煙をしている方は、低用量ピルの服用はできません。これは、低用量ピルの服用により心筋梗塞などの心血管系障害が発生しやすくなると報告されているためです。
トラネキサム酸を服用できない方
トラネキサム酸は、トロンビンを服用中の方は禁忌となっており服用できません。トロンビンとは、血液の凝固を促進する薬です。トラネキサム酸と併用すると、血栓ができやすくなる恐れがあります。トロンビン以外に禁忌は設定されていません。
トラネキサム酸を注意して服用する必要がある方
トラネキサム酸の服用が禁忌ではないものの、注意して服用する必要がある方もいます。
トラネキサム酸の成分に対して過敏症の既往歴がある方
トラネキサム酸の成分に対して過敏症の既往歴がある方は、慎重に服用する必要があります。服用により過敏症が再度あらわれる可能性があるので注意しましょう。
血栓がある方
脳血栓や心筋梗塞、血栓性静脈炎など血栓がある方、血栓症を引き起こす可能性がある方が服用すると、血栓が安定化される恐れがあります。
消費性凝固障害がある方
消費性凝固障害がある方がトラネキサム酸を服用すると、こちらも血栓が安定化する恐れがあります。該当の方が服用する場合は、ヘパリンなどと併用してください。
術後の臥床状態にある方、圧迫止血の処置を受けている方
手術を受けた後にベッドや布団で横になって過ごしている方、圧迫止血の処置を受けている方は慎重に服用する必要があります。静脈血栓ができやすい状態になっており、この状態でトラネキサム酸を服用すると血栓が安定化する恐れがあります。
腎不全がある方
腎不全がある方がトラネキサム酸を服用すると、血中濃度が本来よりも上昇してしまい副作用が起こりやすくなる可能性があります。
トラネキサム酸は市販薬にも含まれているので注意しよう
トラネキサム酸は、市販薬にも含まれています。以下のような薬はトラネキサム酸が配合されていることが多いため、禁忌や併用注意に該当する方は自己判断で購入せず医師や薬剤師に相談してください。
- 総合風邪薬
- 肝斑の治療薬
- 口内炎の治療薬
- 扁桃炎の治療薬
低用量ピルとトラネキサム酸の併用に関するよくある質問
最後に、低用量ピルとトラネキサム酸の併用に関するよくある質問にお答えします。
低用量ピルとシナールは併用しても良いですか?
低用量ピルとシナール(ビタミンCとパントテン酸の複合剤)は併用しても問題ありません。
低用量ピルの服用中はトラネキサム酸は禁忌ですか?
低用量ピルの服用中にトラネキサム酸の使用が禁忌となることはありません。しかし、血栓症のリスクが上がる可能性があるため、併用する場合は医師に相談することをおすすめします。
風邪を引いたときに低用量ピルとトラネキサム酸を併用しても良いですか?
風邪を引いたときに低用量ピルとトラネキサム酸を併用するのは基本的に問題ありません。ただし、トラネキサム酸を服用するときは、年のため医師や薬剤師に低用量ピルを服用していることを伝えるようにしましょう。
まとめ
低用量ピルとトラネキサム酸の併用は禁忌になっていません。そのため、併用しても基本的には大丈夫です。ただし、医師の判断によって併用しないことが望ましいとされる可能性もあります。
不安な方は、低用量ピルを服用していることを医師に伝え、併用しても良いか確認してもらいましょう。
マイピルでは、オンライン上で低用量ピルの処方も行っています。併用薬に不安がある方の相談にも応じていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。

監修者
産婦人科専門医原野 尚美
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