生理がなかなか終わらない!?出血が長引く過長月経とは
超低用量ピルに避妊効果がないのはなぜ?理由や効果、種類を解説
監修者:産婦人科医 原野尚美
最終更新日

「超低用量ピルにはなぜ避妊効果がないの?」と疑問に思っていませんか?ラベルフィーユやトリキュラー、マーベロンなどの低用量ピルには避妊効果があるのに、超低用量ピルになると避妊目的で使えなくなってしまいます。
「同じピルなのに、どうして避妊効果に差があるの?」と気になっている方が多いでしょう。
そこで今回は、超低用量ピルに避妊効果がない理由や、低用量ピルとの違いを解説します。超低用量ピルの種類や主な避妊方法も紹介しているので参考にしてみてください。
目次
- 1.超低用量ピルに避妊効果がない理由
- 2.超低用量ピルに期待できる効果
- 3.超低用量ピルの種類
- 4.超低用量ピルと低用量ピルの違い
- 5.避妊したいときはどうすればいい?
- 6.超低用量ピルの避妊効果に関するよくある質問
- 7.まとめ
超低用量ピルに避妊効果がない理由
超低用量ピルに避妊効果がないのは、超低用量ピルに避妊効果があるかどうかを確かめる試験が行われていないためです。
そのため、超低用量ピルは月経困難症や生理不順の改善などにしか用いることができません。避妊に対する効能効果を取得していないため、超低用量ピルを避妊目的で服用するのは不適切です。
避妊効果を得たい場合は、低用量ピルや他の避妊方法を選ぶ必要があります。
超低用量ピルに期待できる効果
超低用量ピルには、主に次のような効果が期待できます。
- 生理痛の改善
- 生理不順の改善
- PMSの改善
- ニキビの改善
生理痛の改善
すべての超低用量ピルには、月経困難症に対する効能効果が認められています。月経困難症とは、生理に伴って起こる病的な症状のことです。主な症状として、次のものがあります。
- 下腹部痛
- 腰痛
- 腹部膨満感
- 吐き気
- 頭痛
- 疲労感
- 脱力感
- 食欲不振
- イライラ
- 下痢
- 憂鬱
ひどい生理痛も月経困難症の症状に含まれます。超低用量ピルが生理痛の緩和に効くのは、子宮内膜の増殖を抑える効果があるためです。
生理痛は、子宮内膜を外に排出しようと子宮が過剰に収縮して起こります。子宮内膜を薄く保てれば、外に排出する量も減るので生理痛も緩和できるのです。
生理不順の改善
超低用量ピルは、生理不順の改善にも効果があります。低用量ピルと同じく、超低用量ピルには休薬期間があることが特徴です。休薬期間は、有効成分が入った実薬は服用しません。この間に生理がくる仕組みになっています。
実薬を服用している期間に生理がくることはありません。生理周期をコントロールしやすいため、超低用量ピルは生理不順の改善にも用いられます。
PMSの改善
超低用量ピルは、PMS(月経前症候群)の改善効果も期待できます。PMSとは、生理前に起こる精神的・身体的な症状のことです。次のような症状が見られることで知られています。
〈精神的な症状〉
- 情緒不安定
- イライラ
- 抑うつ
- 不安
- 眠気
- 集中力の低下
- 睡眠障害
〈身体的な症状〉
- のぼせ
- 食欲不振
- 過食
- めまい
- 倦怠感
- 腹痛
- 頭痛
- むくみ
- お腹の張り
- 乳房の張り
PMSが起こる原因は、まだはっきりとは解明されていません。現時点では、黄体期の後半にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が急激に低下することが原因だと考えられています。
超低用量ピルを服用すると、ホルモンバランスの大きな変動が抑制されるため、PMSの症状を改善できるのです。PMSで悩む方にとって、超低用量ピルは生活の質を高める良い助けとなるでしょう。
ニキビの改善
超低用量ピルは、ニキビや肌荒れの改善効果もあります。これは、超低用量ピルにプロゲステロンの分泌量を抑える働きがあるためです。プロゲステロンには、皮脂の分泌を促す働きがあります。
ニキビができるのは、皮脂の過剰分泌や、分泌された皮脂が毛穴に詰まることが原因です。超低用量ピルを服用すると、プロゲステロンの分泌量が抑えられ、皮脂の分泌量が減少するためニキビや肌荒れが起こりにくくなります。
超低用量ピルの種類
超低用量ピルには、主に次のような種類があります。
- ヤーズ配合錠
- ヤーズフレックス配合錠
- ドロエチ配合錠
- ルナベル配合錠ULD
- フリウェル配合錠ULD
ヤーズ配合錠
有効成分(実薬1錠あたり) |
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承認されている効能効果 |
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用法用量 | 1日1回、1回1錠を毎日決まった時間に服用してください。シートに1から28まで番号が振ってあるので、順番に服用しましょう。 |
ヤーズ配合錠は、黄体ホルモンであるドロスピレノンが配合された超低用量ピルです。1シート中24錠は実薬、残り4錠は有効成分が含まれていない偽薬となっています。休薬期間が4日間と短く、副作用が少ないことが特徴です。
ヤーズフレックス配合錠
有効成分(実薬1錠あたり) |
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承認されている効能効果 |
|
用法用量 | 1日1回、1回1錠を毎日決まった時間に服用してください。24日目までは出血が起こっても起こらなくても続けて服用します。25日目以降に3日間連続で出血が見られた場合、または連続して服用した期間が120日に達した場合は4日間休薬してください。 |
ヤーズフレックス配合錠は、最大120日まで休薬期間を設けることなく継続服用ができる超低用量ピルです。連続して服用できるため、生理の回数をできるだけ減らしたい方に向いています。
ドロエチ配合錠
有効成分(実薬1錠あたり) |
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承認されている効能効果 |
|
用法用量 | 1日1回、1回1錠を毎日決まった時間に服用してください。28日連続で服用したら、出血が終わっているか続いているかにかかわらず29日目からは次のシートの1錠目を飲み始めます。 |
ドロエチ配合錠は、ヤーズ配合錠のジェネリック医薬品として販売されています。ジェネリック医薬品とは、先発医薬品の特許が切れた後に販売される薬のことです。効果や安全性はヤーズ配合錠と変わらず、安い価格で購入できます。
ルナベル配合錠ULD
有効成分(実薬1錠あたり) |
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---|---|
承認されている効能効果 |
|
用法用量 | 1日1回、1回1錠を毎日決まった時間に服用してください。21日連続で服用したら、7日間休薬します。その後、出血が終わっているか続いているかにかかわらず29日目からは次のシートの1錠目を飲み始めてください。 |
ルナベル配合錠ULDには、黄体ホルモンとしてノルエチステロンが配合されています。血栓症のリスクがドロスピレノンよりも低いと言われています。
フリウェル配合錠ULD
有効成分(実薬1錠あたり) |
|
---|---|
承認されている効能効果 |
|
用法用量 | 1日1回、1回1錠を毎日決まった時間に服用してください。21日連続で服用したら、7日間休薬します。その後、出血が終わっているか続いているかにかかわらず29日目からは次のシートの1錠目を飲み始めてください。 |
フリウェル配合錠ULDは、ルナベル配合錠ULDのジェネリック医薬品です。休薬期間は7日間となっており、通常はこの期間に生理がきます。
超低用量ピルと低用量ピルの違い
超低用量ピル | 低用量ピル | |
---|---|---|
エストロゲンの配合量 | 0.030mg未満 | 0.050mg未満 |
避妊効果 | ない | ある |
超低用量ピルはエストロゲンの配合量が0.030mg未満、低用量ピルは0.050mg未満となっています。効果に大きな違いはありませんが、超低用量ピルを避妊目的で使用することはできません。
避妊したいときはどうすればいい?
避妊したい場合は、以下の方法が選択肢となります。
- 低用量ピルを服用する
- コンドームを使用する
- 子宮内避妊具(IUD)を使用する
- 不妊手術
低用量ピルを服用する
女性主体で避妊をしたいときに候補となりやすいのが低用量ピルです。低用量ピルには、超低用量ピルとは違い避妊効果が認められています。
低用量ピルを飲み忘れなく正しい方法で服用した場合の妊娠阻止率は99.7%です。
コンドームを使用する
コンドームを使った避妊方法もよいでしょう。正しく使用した場合の妊娠阻止率は98%です。手軽に使用できるだけでなく、性感染症の予防にもつながります。
子宮内避妊具(IUD)を使用する
子宮内避妊具とは、子宮内に金属やプラスチックでできた器具を挿入する避妊方法です。銅付加IUDを使用した場合の妊娠阻止率は99.4%となっています。
不妊手術
不妊手術は、男女共に行えます。精子や卵子が通る管を塞ぎ、生殖能力を失わせるものです。基本的に、一度手術すると再び妊娠することはできません。永久的に妊娠できない状態となります。
超低用量ピルの避妊効果に関するよくある質問
最後に、超低用量ピルの避妊効果に関するよくある質問にお答えします。
超低用量ピルは海外では避妊効果が認められていると聞きましたが本当ですか?
本当です。国によっては、超低用量ピルの避妊効果が認められています。日本では承認されていないため、避妊目的で処方してもらうことはできません。
超低用量ピルのデメリットは何ですか?
超低用量ピルには、血栓症のリスクがあります。低用量ピルと比べると配合されているホルモンの量が少ないので副作用が起こりにくいと言われていますが、リスクがゼロではないので注意しましょう。
超低用量ピルで乳がんになるリスクはありますか?
超低用量ピルで乳がんのリスクが上がるというデータはありません。
まとめ
超低用量ピルに避妊効果がないのは、超低用量ピルを使用することで避妊効果が得られるかどうかを確かめる試験がこれまでに行われていないためです。排卵が抑制されるため、理論上では避妊にも効果があると考えられます。
しかし、承認されていない以上、医療機関で避妊を目的として処方してもらうことはできません。避妊効果を得たい場合は低用量ピルの服用を検討してみるとよいでしょう。
マイピルでは6種類の低用量ピルを取り扱っています。あなたの希望やライフスタイルに合わせた低用量ピルの処方を行っていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。

監修者
産婦人科専門医原野 尚美
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