私の生理痛は大丈夫?生理痛の重さレベルをチェックしよう
「避妊に失敗した」などの理由でアフターピルを服用したあと、「ちゃんと妊娠が阻止できたか?」が気になるでしょう。服用してすぐには、効果が得られたかどうかわかりません。気持ちが落ち着かず、不安な日々を過ごす方もいると思います。
そこで今回は、アフターピルを服用したあとに注意・確認しておきたい変化についてご紹介します。アフターピルを服用したあと、参考にしてください。
アフターピルの成功はいつわかる?

アフターピルの効果を判断するためには、服用から数日〜3週間程度、様子を見る必要があります。
なぜなら、アフターピルによる「消退出血*1(避妊成功のサイン)」が起こるタイミングには個人差があるためです。
早いケース(数日後): 薬の作用で子宮内膜が強制的にはがれ落ち、服用後数日〜1週間程度で出血が起こります。
遅いケース(約3週間後): 薬を飲んだ時点ですでに排卵直後だった場合などは、すぐに出血せず、予定していた生理の時期(服用から約3週間後)に出血が起こることがあります。
*1 体の中の女性ホルモンが減ったとき、月経と同様に子宮の内側の膜がはがれて起こる出血のこと。
服用後の生理のタイミング
日本産科婦人科学会のデータによると、アフターピル(レボノルゲストレル)を服用した後、多くの女性は「ほぼ予定通りの時期」に生理(消退出血)が来ています。
- 全体の80%以上: 生理予定日の「前」または「2日後」以内に出血
- 全体の95%: 生理予定日の「7日後」以内に出血
つまり、服用しても生理周期が大きく乱れることは少なく、ほとんどの方が予定日付近に出血を確認できています。
アフターピルを服用後に起こる変化
性行為後、アフターピルを服用したあとに体に生じる一般的な変化について、時間経過に沿ってご紹介します。この経過を知っておくと、慌てずに過ごすことができるでしょう。
まず、服用して数時間〜1日程度は、アフターピルの副作用が出る可能性があります。
- 吐き気(場合により嘔吐)
- 頭痛
- 下腹部痛
- 眠気、だるさ
万が一、服用してから2時間以内(「エラ」は3時間以内)に吐いてしまった場合には、新たにもう1錠追加で服用する必要があります。アフターピルを処方してもらった医療機関へ連絡しましょう。
嘔吐することなく服用できたら、数日は体に変化は起きません。
消退出血を待つ

前述にもありましたが、アフターピルの服用後、生理のような「消退出血」を待ちましょう。消退出血は、通常の生理よりは出血量が少なく、期間も2〜3日と短いことがほとんどです。
次の生理予定日とは関係なく、16%の方は服用から7日以内に消退出血が起こります。半数の方は、生理予定日の前後1週間以内に消退出血が起こりますが、生理予定日より大きく遅れてしまうこともあります。人それぞれなので、「いつ出血が起こるか」をはっきりとお伝えすることはできません。
低用量ピルを普段から服用していて、飲み忘れたためにアフターピルを用いた場合、消退出血は遅れる傾向にあります。
いずれの場合でも、アフターピルを服用後2〜3週間以内に生理や生理に似た出血(消退出血)があれば、妊娠の阻止に成功したサインです。3週間以上経過しても出血がなかった場合は、婦人科を受診しましょう。
ただし、消退出血や生理だと思ったものが、単なる不正出血や着床出血であったということもあります。出血のあと、次の生理が起こらなかった場合には、婦人科で検査が必要です。
出血が起こらなかったら早めに医療機関へ
生理予定日から1週間以上経過しても消退出血が起こらない場合は、検査のため医療機関へ行きましょう。また、消退出血のあと、アフターピルを服用してから3か月以内に生理が起こらない場合も、医療機関へ行く必要があります。
市販の妊娠検査薬を使用してもよいですが、正確に判定が出ない場合があることに注意が必要です。検査薬が陰性だったとしても、その後出血が起こらないようであれば、やはり婦人科で検査を受けましょう。
また、市販の妊娠検査薬で「陰性」が出た場合でも、生理が来ないなら安心はできません。 2010年に発表された大規模な臨床試験(Glasier et al.)によると、アフターピル(レボノルゲストレル)を服用した場合でも、約2.6%の確率で妊娠してしまう(避妊に失敗する)ことが分かっています。
100人中2、3人程度は妊娠する可能性があるため、『飲めば100%安心』とは考えず、必ず3週間後に生理が来るか確認してください。
- 予定日を7日過ぎても出血がない
- 出血はあったが、いつもより極端に量が少ない・痛みが強い
このような場合は自己判断せず、必ず婦人科で超音波検査などを受け、子宮の状態を確認してください。
落ち着いて待つことも大切

「妊娠したかもしれない」と不安な気持ちで毎日を過ごしていると、かえって生理がこないということもあります。ちょっとしたストレスや疲れで、不正出血や生理不順になったという経験のある方も多いでしょう。女性の体はとてもデリケートです。
難しいとは思いますが、あまり考えすぎずに過ごすことを意識してください。すぐに結果はわかりませんので、「できることはやった」と落ち着いて待つことも大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. 消退出血の量は生理より少ないですか?
通常の生理よりも量が少なく、期間も短い(2〜3日)傾向があります。茶色っぽいオリモノのような出血で終わることもあります。しかし個人差があり、通常の生理と同じくらいの量が出る方もいます。
Q. アフターピルを飲んだのに妊娠することはありますか?
残念ながら100%ではありません。すでに排卵が終わって受精してしまっていた場合や、服用後に再度性行為を行った場合などは妊娠する可能性があります。そのため、出血の確認と3週間後のチェックが重要です。
Q. 授乳中にアフターピルは飲めますか?
レボノルゲストレル法の場合、服用後24時間は授乳を控えることが推奨されています。ウリプリスタル酢酸塩(エラ)の場合は、母乳への移行が懸念されるため、服用後1週間は授乳を控える必要があります。事前に医師に相談しましょう。
まとめ
今回は、アフターピルを服用したあとに起こる体の変化についてまとめました。アフターピルによって妊娠阻止ができたかどうかは、服用後3週間以内に出血があったかどうかで判断します。すぐには結果がわかりませんので、落ち着いて待ちましょう。
服用後、もし出血がなかった場合や、出血がごくわずかだった場合などは、市販の妊娠検査薬を使うか、医療機関で改めて検査することが必要です。早いうちに相談しましょう。
不安な時間が続くかと思いますが、ストレスや過度な心配はホルモンバランスを乱し、生理を遅らせる原因にもなってしまいます。なるべくリラックスして過ごしてくださいね。
もし出血がこない場合や、体調に異変を感じた場合は、一人で悩まずに必ず医療機関に相談しましょう。
参考文献
- 緊急避妊法の適正使⽤に関する指針 (令和 7 年改訂版) https://www.jsog.or.jp/news/pdf/kinkyuhinin_shishin202504.pdf
- 緊急避妊薬のスイッチOTC化について
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001552335.pdf - 緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成 28 年度改訂版) https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/kinkyuhinin_shishin_H28.pdf
- Emergency contraception
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/emergency-contraception - 医薬品副作用被害救済制度
https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/ - Ulipristal acetate versus levonorgestrel for emergency contraception: a randomised non-inferiority trial and meta-analysis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20116841/ - 不妊治療の用語
https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/PUB/funin/chiryo/word.htm







