【30代の生理】強い生理痛は病気のサイン?出血量が少なくなるのはなぜ?

監修者:産婦人科医 原野尚美 


最終更新日

【30代の生理】強い生理痛は病気のサイン?出血量が少なくなるのはなぜ?

長い方だと、50歳頃まで生理と付き合いながら毎日を過ごすことになります。30代はまだまだ中間点です。生理との付き合いも長くなってきたことから、体調管理がしやすくなってきたと感じる方もいるでしょう。

一方で、30代になってから生理痛が強くなったり出血量が少なくなったりなどのトラブルに悩まされる方もいます。今回は、生理に伴うトラブルについて詳しく見ていきましょう。

目次

  • 1.強い生理痛は病気が原因の可能性も
  • 2.生理の出血量が減少する原因
  • 3.生理じゃないのに出血する原因
  • 4.妊娠を望む方は排卵や生理の周期を把握しておこう
  • 5.まとめ

強い生理痛は病気が原因の可能性も

強い生理痛がある場合は、病気が隠れている可能性があります。生理痛は多くの女性が経験するものですが、日常生活に支障が出るほど痛みが強い場合は婦人科を受診して検査してもらいましょう。

子宮内膜症

子宮内膜や子宮内膜に似た組織が子宮の内側以外にできてしまう病気です。発症のピークは30~34歳頃だといわれています。

子宮内膜症の患者さんのうち約90%で生理痛がみられるため、生理痛がつらい方は一度検査を受けてみてください。生理痛のほか、腰痛や下腹部痛、性交痛、排便痛などが見られることもあります。

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮平滑筋にできる良性の腫瘍です。30歳以上の女性の20~30%で見られるといわれています。代表的な症状は、生理痛や月経過多です。生理のとき以外に出血したり、腰痛や頻尿などの症状が見られたりすることもあります。

子宮腺筋症

子宮内膜と似た組織が子宮平滑筋にできる病気です。生理痛や月経過多などの症状が見られます。経産婦で多く、帝王切開や筋腫の手術などを受けた経験がある方で発症しやすいともいわれています。

生理の出血量が減少する原因

1回あたりの生理による出血量が20ml以下と少ない場合は、過少月経と呼ばれています。出血量を正確に計ることはできませんが、おりものシートで足りるくらいの出血量であれば過少月経の可能性があるでしょう。

ホルモンの分泌量の低下

エストロゲン(卵胞ホルモン)の働きで子宮内膜が厚くなり、プロゲステロン(黄体ホルモン)の働きで子宮内膜がはがれていきます。これらのホルモンの分泌量の低下は、出血量が少なくなる原因です。ストレスや過度なダイエットによってホルモンバランスが崩れやすくなります。

女性ホルモンの分泌異常

生理は女性ホルモンが働くことで起こるものです。下垂体腫瘍や多嚢胞性卵巣症候群などの病気によって女性ホルモンの分泌に異常が起こると、出血量が少なくなることがあります。

子宮の病気

子宮の発育の問題や内膜癒着などがあると、子宮内膜がしっかりと厚くなることができません。生理の出血は子宮内膜がはがれ落ちることで起こるものです。そのため、子宮に何かしらの病気があると出血量が減ることがあります。

生理じゃないのに出血する原因

生理ではないのに出血することを不正性器出血といいます。不正性器出血が起きた場合は、病気の可能性も否定できないため婦人科を受診するようにしましょう。

着床出血

着床出血とは、受精卵が着床するときに起こる出血のことです。鮮やかな色の血が出ることもあれば、ピンクや茶色っぽい血が出ることもあります。

排卵期出血

排卵期になると、エストロゲンの分泌量が急激に増える影響で一部の子宮内膜がはがれ落ちて出血することがあります。出血に伴って下腹部痛が起こる場合もありますが、基本的に問題ありません。

子宮の病気

子宮の病気が原因で出血することもあります。出血が見られることのある代表的な病気は以下の通りです。

  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜ポリープ
  • 子宮腺筋症
  • 子宮内膜増殖症
  • 子宮体がん

妊娠を望む方は排卵や生理の周期を把握しておこう

妊娠を望む方は、ライフプランをしっかり考えておくことが大切です。現在は、30代で第一子を出産する方が増えています。子どもを授かるためには、排卵や生理周期を把握しておくことが重要です。

排卵されていなかったり生理周期がバラバラだったりすると、なかなか妊娠できないこともあります。気になる症状があるときは、早めに婦人科でご相談ください。

まとめ

生理痛がひどい場合は、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気がある可能性があります。日常生活に支障があるほど強い生理痛がある方は、早めに産婦人科で診てもらいましょう。

病気の種類によっては、妊娠に影響を与えることもあります。30代は子宮に関連する病気が見られやすい時期でもあるため、少しでも気になることがあるときは医師に相談しましょう。

監修者
産婦人科専門医原野 尚美

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