生理がなかなか終わらない!?出血が長引く過長月経とは
【10代の生理】生理痛や生理不順の原因は?対処法も解説
監修者:産婦人科医 原野尚美
最終更新日
10代は、心も体も大きく成長する時期です。初潮を迎え、生理との付き合い方に迷っている方も多いのではないでしょうか。
多くの女性は、閉経を迎えるまでの長い期間を生理と共に過ごすことになります。今回は、女性の人生と切っても切り離せない生理のことについて、少し詳しく見ていきましょう。
目次
- 1.10代は初潮を迎える時期
- 2.生理が起こるメカニズム
- 3.生理痛は誰にでもあるもの?
- 4.日常生活に支障が出る生理痛は「月経困難症」の可能性も
- 5.生理痛がひどいときは病気じゃないか検査をしよう
- 6.まとめ
10代は初潮を迎える時期
初潮とは、初めてくる生理のことです。日本産婦人科医会によると、初潮は10歳から14歳頃までに起こるといわれています。
ただし、初潮がくる年齢は個人差が大きいため、周りと比較して早すぎたり遅すぎたりするのではと気にする必要はありません。ですが、満15歳になっても初潮がこない場合は、念のため婦人科を受診しましょう。
生理が起こるメカニズム
女性ホルモンの働きで、排卵前後になると子宮内膜が分厚くなります。これは、卵子と精子が受精してできる受精卵を守ったり育てたりするためです。
しかし、受精しなければ子宮内膜の必要性はありません。受精しなかった場合は、不要になった子宮内膜が定期的にはがれ落ちます。これが生理です。エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の働きによって生理のリズムがコントロールされています。
生理痛は誰にでもあるもの?
生理が始まると気になりやすいのが生理痛です。生理痛があることが当たり前だと思い、周りに相談できず我慢している方もいるかもしれません。
生理痛が起こる原因
生理のときに出血するのは、はがれた子宮内膜を押し出すために子宮が収縮するからです。子宮内膜からプロスタグランジンという物質が産生され、これが子宮を収縮させます。
このプロスタグランジンが必要以上に分泌されてしまうと、子宮の収縮が強くなって生理痛が起きてしまうのです。また、何かしらの病気が原因で生理痛が起こるケースもあります。
生理がある女性の80%以上は生理痛を経験している
生理痛は決して珍しいものではありません。生理がある女性の80%以上は生理痛を経験しているといわれています。
さらに厚生労働省の調査では、生理中に痛み止めが手放せない女性が約4人に1人いるという結果が出ていることから、生理痛に悩まされている女性がいかに多いかが分かるでしょう。
日常生活に支障が出る生理痛は「月経困難症」の可能性も
生理痛は多くの女性が経験するものです。しかし、生理のたびに痛み止めを飲んでいたり、寝込むほど痛みが強かったりする場合は月経困難症の可能性が考えられます。
器質性月経困難症
月経困難症とは、生理に伴って起こる病的な症状のことです。強い下腹部痛や腰痛、吐き気や頭痛などの症状が知られています。
器質性月経困難症とは、何かしらの病気が原因で起こる月経困難症のことです。原因となる疾患としては、子宮内膜症や骨盤癒着、頸管狭窄などが知られています。
機能性月経困難症
機能性月経困難症とは、とくに原因疾患がないにもかかわらず起こる月経困難症のことです。思春期では、機能性月経困難症が多いといわれています。
生理痛がひどいときは病気じゃないか検査をしよう
生理痛で困っている方は、病気が隠れていないか検査をしてみましょう。病気の治療を行うことで、生理痛が緩和される可能性があります。
子宮内膜症
子宮内膜に似た組織や子宮内膜が子宮の内側以外で発生する病気です。子宮内膜症の患者さんの約90%で生理痛が見られるといわれています。
子宮腺筋症
子宮内膜に似た組織が子宮平滑筋にできる病気です。生理のときの出血量が多くなったり、生理痛が起きたりなどの症状が見られます。
子宮筋腫
子宮平滑筋にできる良性の腫瘍のことです。がんとは違って悪性ではありませんが、生理痛や貧血などの原因となります。
まとめ
10代は、初潮を迎える時期です。相談できる人が周りにおらず、悩みを1人で抱え込んでいる方もいるでしょう。
生理痛は多くの女性が経験するものですが、痛み止めが欠かせなかったり寝込んでしまうほど痛みが強かったりする場合は婦人科を受診して検査してもらいましょう。
薬で生理痛を抑えることもできます。さまざまな治療法があるので、まずは医師に相談してみてください。
監修者
産婦人科専門医原野 尚美
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